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出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む  作者: かぐや
学園 高等部一年 対抗戦編
36/136

31

 次の日、クーリアはサラよりも早く目が覚めた。

 クーリアはパン屋を手伝っているため、比較的早起きなのだ。


「まだ寝てる…」


 サラは隣で爆睡中だ。クーリアはそのほっぺをつついてみた。


「んふぅ…」

「ふふっ」


 サラが吐息のような声を出し、クーリアは思わず笑ってしまった。

 それでも一向に起きる気配がしないので、クーリアは起こさないよう1人でベットから抜け出した。


「んんー…」


 大きく上に伸びをする。


(いい天気だなぁ…)


 窓から見えるのは真っ青な空。曇りない、いい天気だ。

 窓から身を乗り出し、深呼吸をしてから、クーリアは昨日着ていた自分の服に着替えた。といっても、学園の制服なのだが。


「ふわぁ……あれ、おはよう」

「おはよう、サラ」


 サラが眠そうな目を擦り、ベットから起き上がった。


「早いのね…」

「そうでもないよ」


 今日はパン屋を手伝う必要がないので、ちょっとだけ長く寝ていたのだ。


「あれ、クー、制服なの?」

「それ以外ないじゃない」

「それならあげるのに…」

「ケッコウデス」


 ただでさえ高い寝間着を貰うことになっているのだ。それ以上貰うつもりはない。


「遠慮しなくても……」

「いいの。それより、早く着替えないの?」

「あ、ごめん」


 サラが着替え始める。サラは貴族ではあるが、別にドレスを着る訳でもないので、自分だけで着替えを終えた。クーリアと同じ制服だ。


「これならクーと一緒ね」


 サラはクーリアが居心地悪い思いをしないために、制服を着たのだった。


「サラ…」

「ほら、いくよ」


 サラは照れ隠しのようにクーリアの手を引き、寝室を後にした。







「美味しい?」

「うん、とっても」


 朝食も夕食と同じく、クーリアが普段食べるものより豪華であった。しかし、そこまで高価な食材は使っていない。だが、栄養バランスまでよく考えられていた。ひとえに料理人の腕のお陰であろう。


「クー、昨日の約束覚えてるよね?」

「あぁ…覚えてるけど、その前に()()読んでいい?」


 あれ、とは無属性の魔法書である。

 昨日の約束。模擬戦をするにしても、どうせなら魔法書から得たことを使ってみたかったのだ。


「うーん……まぁ、そっちのほうが後で手応えありそうだし、いいよ」

「やった!」


 ある程度は理解できていたが、それでも完璧ではない。理解が完璧でなければ、何が起こるかわかったものでは無い。なのでクーリアは、しっかりと理解しておきたかったのだ。


 クーリアとサラは急いで朝食を食べ終わると、書庫へと向かうのだった。







 

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