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出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む  作者: かぐや
学園 高等部一年 対抗戦編
31/136

26

 クーリアがサラに引きずられること少し。


「…そろそろ歩いてくれない?疲れた」

「…分かった」


 渋々と言った様子でクーリアは自分の足で歩き出した。

 今クーリア達が歩いているのは、今のクーリアの父親が住んでいるところよりも、さらに高位の人が住む場所だ。


「…場違い感がすごい」

「そう?クーの容姿なら別に気にされないと思うけど」


 確かにクーリアの容姿を見て平民と思う人はいないだろう。

 ……一応戸籍上は平民ではなく伯爵令嬢なのだが。


「ここよ…って、知ってるわよね」

「うん、知ってる」


 クーリアはサラの家…本邸に来たことはない。だが、ある情報筋から場所は知っていた。


「すごいね…」


 半ば呆れたような声を上げる。

 クーリアの目の前にあった建物。それは今のクーリアの両親が住んでいる屋敷の2倍…もしくはそれ以上の大きさがありそうだった。


「おかえりなさいませ、サラ様。おや、お客様ですか?」


 サラの屋敷の玄関に立って待ち構えていた執事が尋ねる。


「そう。わたしの友達…いや、親友ね。大丈夫でしょ?」

「はい。もちろんでございます。失礼ですが、名前を伺っても?」

「クーリアです。今回はいきなりで申し訳ありません」


 ぺこりと頭を下げる。

 クーリアのしっかりとした口調に、執事の男性は少し驚きを隠せないでいた。


「いえ、とんでもない。歓迎いたします」


 微笑みながら執事がそう言う。


「ありがとうございます」


 サラはそんなやり取りをみて、少しため息をついた。


「クー…そこまで畏まらなくてもいいのよ?」

「そういう訳にはいかないから」


 クーリアはこういうことはしっかりしておきたい性格なのだ。


「…まぁいいけど。夕食はできてる?」

「はい。クーリア様の分も直ぐにご用意いたします」

「お願いね。それじゃあ、クーの分の食事ができるまで本でも読む?」

「読む!」


 食い気味にクーリアが答える。

 そのクーリアの反応をみて、サラはクスッと笑った。


「なに?」

「いや、クーらしいなぁって」

「らしいってなに?」

「気にしない気にしない。さぁこっちよ」


 答えてくれなかったことを少し不服そうにしながらも、クーリアはサラの後をついて行った。












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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「確かにクーリアの容姿を見て平民と思う人はいないだろう。……一応戸籍上は平民ではなく伯爵令嬢なのだが。」 職員室に行くとき格下の男爵令嬢が、無礼な口調で絡んできたから、平民扱いになっ…
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