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出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む  作者: かぐや
学園 高等部一年 対抗戦編
28/136

23※

私はクーが負けるつもりでいることを、すこし間があった返事で察知した。

クーは目立ちたがり屋ではない。それは分かっていたこと。だけど、だからってわざと負けようとするのは許さない。


「クーの防御は心配しなくていい。私は私のことをするだけ」


それにしてもクッキーを買っておいて正解だったわね。とはいえ、1個しか用意していない。どうしようかな…


「っ!」


魔力の塊が飛んできたので、それをかわす。

そしてすぐに飛んできた場所を把握する。どうやら上かららしい。厄介ね…


「あれをかわすかよ…」

「残念だったわね」


正直なところ、かなり危なかった。私がかわせたのには理由がある。

魔力を塊をぶつける方法。それは、クーがよく使う攻撃手段。だからこそ分かった。

……まぁあの子はそれ以外にも色々出来ちゃうんだけど。


『白』は攻撃手段をほとんど持たない。だから魔力の塊を飛ばすことが多い。

それをねじ曲げてしまったのが彼女だけど。それが嬉しくもあり、危惧している。

クーの力は強力。だからあまり人に知られる訳にはいかない。それはクーも理解している。だから目立たないよう負けようとしたんだろうけど…私が負けたくないのよね。


「まぁ、クーならバレないよう上手くやるでしょう」

「さっきから何言ってんだよっ!」


今度は水の塊が飛んできた。それを同じ水の塊で相殺する。へぇ。なかなか。


「じゃあこっちから《エアバレット》」

「《エアバレットっ!》」


またしても相殺。これじゃあ埒が明かない。


「並列。《ファイアボール》《ファイアバレット》」


相手と同じ高さへと移動し、ふたつの魔法を同時に行使する。同じ属性で並列するのはそこまで難しいことでは無いけれど、高等部1年生でできる人はあまりいない。

……それを初等部でやった子なら知ってるけど。


「なっ!《ファイアボールっ!》」


どうやら相手は出来ないようね。ファイアボールは相殺されたけど、ファイアバレットは生きている。

さすがに直接狙うのは危険だから、相手の後ろにあるフラッグを狙う。フラッグは燃え上がり、炭になる。フラッグを破壊するのも可なのよね。


「くそっ!」


やぶれかぶれの突進。魔法しかできない人なら有効かもね。


「でも残念」


キレイな一本背負いを決める。それでネックレスが割れる。ふぅ。


「あーあ…」

「楽しかったわ」


私がそう言うと、相手は悔しげな顔をして去っていった。


『赤チームフラッグ全滅!よって青チームの勝利!』


どうやら終わったようね。後でクーにクッキーあげないと……あれ、高かったんだけどなぁ。まぁクーの笑顔が見たいからいいんだけど。







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