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出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む  作者: かぐや
学園 高等部一年 対抗戦編
27/136

22

クーリア達が次に転移された場所は、岩場だった。


「また厄介な場所ね…」


岩場は隠れられる場所が多く、高低差がある。そのため上からフラッグが攻撃されることがあるが、待ち伏せもしやすい。

攻めと守り。両方不利なのだ。


「クー、いける?」

「大丈夫。フラッグの場所は把握したから」


もう既にクーリアはフラッグの位置を特定し、防御魔法をかけていた。普通はここまでの速さで防御が整うことはないだろう。


「ありがと。じゃあここは任せるね」

「うん。行ってらっしゃい」


サラ達が走り去る。それと同時にクーリアは魔力を薄く広げて索敵に入る。

そして、大きく迂回してこちらに向かってきている反応をキャッチした。それでもかなり距離がある。

常人が同じことをしても、おそらく探知できないだろう。クーリアの魔力量のなせる技である。


「右端から、か」


クーリアは防御に自信があったが、ひとまず向かうことにした。






「なんなんだよ!これ!」


クーリアがフラッグにたどり着いた時、もう既に敵はフラッグのところに到達していた。だが、クーリアの防御魔法が上手く働いていて、フラッグが取れないようだ。


「くそっ!」


魔法を撃ち込む。それでも防御は崩れない。


「うーん、やられっぱなしはやだな」


基本守ることしか考えていないクーリアではあるが、敵が攻撃することしか考えていない様子を見て、すこしイラついた。

クーリアはいつもサボってはいるが、性格は比較的真面目だ。

普通攻撃したら反撃はあるものとして考え、行動するのが基本だ。だが、敵はそれが出来ていない。それがクーリアをイラつかせた。


「ちょっとイタズラしようか」


クーリアは防御魔法に細工を施した。


「これでどうだ!!」


敵が対抗戦の規定ギリギリの魔法を放った。


「あ、やっちゃった」


クーリアが思わず呟く。なぜなら……


「ギャァァァァァ!!」


魔法が跳ね返るように細工したからだ。その結果敵は自分の攻撃で吹き飛ばされ、ネックレスが砕けた。ついでに気絶。


『おぉっと!赤チーム主将"ロベルト"が脱落!倒したのは…クーリア選手?』


またしてもアナウンスが困惑している。まぁクーリアが直接倒した訳では無いので、無理もない。


(よかった。()()バレてない)


クーリアはそう思った。

……そう。1回戦で主将が倒れた理由。それは今回と同じだった。ぶつかったのは事実だが、それだけでネックレスが砕けることは無い。

1回戦ではもとから反射するように作っていたので、魔法を放って自滅したのだ。


無論この魔法もクーリアが創ったものだ。しかし、その事をクーリアは話すつもりはない。


(魔法を反射できる防御魔法。戦争に使われるのは目に見えているよね…)


クーリアはそれを危惧していたのだ。

クーリアが創った魔法で、使い方を変えたりすれば戦争で使えるような魔法は多い。それが、クーリアが無闇に教えない理由でもあった。


今回監視の魔道具を通じて人に見られたが、それも細工してある。

跳ね返るほんの一瞬だけ、魔道具を止めているのだ。しかも、不自然にならないように。普通はできない芸当だ。


(さてと。サラ達は頑張ってるかな?)










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