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出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む  作者: かぐや
学園 高等部一年 対抗戦編
22/136

17※

「ふふっ」


  思わず昔を思い出して、笑ってしまった。


「おいおい。この状況で笑うか?」

「あ、ごめん。ちょっとね…」


  クーにフラッグを任せて、私たちは今敵陣に向かって突っ込んでいってる。


「クーリアは大丈夫なのか?」

「大丈夫。クーはやる時はやるから」


  私はクーがどれだけの実力を持っているのかをよく知っている。ヴィクターとイルミーナも知ってはいるけど、それはクーの本気の実力じゃない。だから心配してるんだろうね。まぁ私から言うことじゃないから、言わないけどさ。


「とりあえず、どうする?」


  ある程度進み、一旦臨時の作戦会議をする。


「1人ずつ分かれて各個撃破?」

「大丈夫か?」

「大丈夫じゃない?」


  それに私たちが全員やられたとしても、クーがなんとかしてくれるはず。


「じゃ、行くか」


  ヴィクターは右手、イルミーナは左手、私はそのまま真っ直ぐ進む。




「…っ!きたね」


  しばらく進んでいると、突然どこからか小石が飛んできた。 かわして周りを見渡すと、木の上に1人の男子が立っていた。


「お前ら…バカなの?」


  出会ってそうそうそんなこと言う?


「なによ」

「だってよ、フラッグ1人だけだろ?」


  あら、もう知ってるのね。


「大丈夫よ。あなた達を行かせなければいいんだから」


  私は呪文を紡ぎ、魔法を発動させる。


「……《エアバレット》」

「くっ!」


  空気の塊が真っ直ぐ男子へと飛んでいく。すると男子は木から降りてそれをかわした。

  ………だけどね?


「甘い!」

「うぉ!?」


  降りてきたところを回し蹴りで追撃する。魔法にばかり気を取られていたのか、あっさり蹴りをくらった。


  パリンっ!


  どうやらネックレスが割れたみたい。思ったより割れるのが早いのね。でもまぁ早いの方が試合は回せるものね。


「あー!なんだよ、もうかよ… 」

「私の勝ちね」


  男子は渋々と言った感じでその場を後にした。


「さて、フラッグは…あ、あった」


  思ったより近くにあったわね。地面に刺さっている赤い旗を引き抜く。

  すると、ポーンという音が聞こえ、アナウンスが流れた。


『青チーム、フラッグ1本獲得!獲得したのは…サラ選手!』


  ちなみに私たちのチームの旗は青色。だから青チームなのよね。相手は赤チーム。


『おぉ!?なんと、赤チーム全滅!よってこの試合、青チームの勝利!』


  あら?全滅?思ったより呆気なかったわね。


『最後に赤チームの主将を討ち取ったのは…クーリア選手?だ!』



  ………クー、なんだかんだ言って倒してるのね。でも、なんで疑問?


『青チームは速やかに本部まで!』


  ここに来るのは転移だけど、帰るのは徒歩なのよね…なんて面倒な。

  あ、それと、主将っていうのはリーダーみたいなもの。私たちのチームは、私が主将なの。


「おーい。サラー!」


  ヴィクターが手を振りながら走ってきた。


「勝ったな」

「当然じゃない」


  ヴィクターと本部へと向かう。途中イルミーナ、クーと合流した。


「クー、やったじゃない。主将倒したのね」

「え?うーん…倒した…の?」


  なんか歯切れ悪いわね。


「どうしたの?」

「いや、その主将?私の防御魔法に突っ込んでぶつかって自滅…」


  ……バカだったのは相手の方だったらしいわね。






 

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