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出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む  作者: かぐや
学園 高等部一年 対抗戦編
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12

「対抗戦?」


クーリアが学園に着くなり、サラがそんなことを言い出した。


「そう。対抗戦。高等部になったらある行事で、4人1組になって、フラッグっていう旗を取り合うの」


そうサラが熱弁する。


「それが今度あるの?」

「そうそう。だから一緒に組みましょ?」

「別にいいけど…」


当然断る理由もないので、クーリアは迷わず了承した。


「具体的にはなにするの?」


旗を取り合うことは分かったが、詳しいルールなどは分からなかったので、クーリアはそう尋ねた。


「えっとね…」

「ほれ、席につけー」


だが、サラの説明は、教室に入ってきたナイジェルよって、中断されてしまった。


「じゃあまた後で」

「分かった」


そもそもクーリアとサラの席は隣りなので、話そうと思えば話せないことはないのだが、授業中クーリアはナイジェルによく監視されているので、仕方なく後で話すことにした。


「じゃあ今日は…対抗戦について説明するぞ」


だが都合良く、ナイジェルから対抗戦についての説明を聞くことになった。


ナイジェルが話した内容は、大方先程サラが言ったことと同じだった。寧ろ、それよりも詳しい説明をしてくれた。内容的にはこうだ。


まず、一定の範囲の中にそれぞれのチームのフラッグが3つずつ設置される。その設置された敵のフラッグを、制限時間内に全て取ったほうの勝ちになる。

無論その中で妨害行為も可能であり、フラッグを守ることもできる。妨害行為というのは、魔法又は物理攻撃のことだ。

また、対抗戦前に選手にはネックレスが配られる。そのネックレスには仕掛けがあり、身につけた人が受けた攻撃を蓄積するようになっている。一定量蓄積すると、ネックレスが砕けるようになっており、ネックレスが砕けた選手は失格になる。失格になった選手は退場することになるので、敵を全て失格にしても勝利となる。



「だいたいこんなとこだな。質問はあるか?」


説明を終え、ナイジェルが教室を見回す。


「お、クーリアが寝てないなんて珍しいな」

「…先生は私をなんだと思ってるんですか」

「眠り魔」

「……まぁ否定しませんけど」

「否定しないのかよ…まぁとりあえず、今日はそのチーム分けと、作戦会議の時間とする。しっかり考えとけよ」


そう言った途端、教室は一段騒がしくなった。


「私たちはこれでいいわよね」

「ああ」

「いいよー」


いつの間にかクーリアとサラの席の周りには、ヴィクターとイルミーナが集まってきていた。


「(おい、あいつら白と組むつもりだぜ)」

「(ほんとだ。不運だな)」


サラ達が話していると、そんなヒソヒソ声が聞こえてきた。


「あいつら…!」


その声を聞き、サラは今にも爆発寸前になる。


「サラ、どうどう」

「だってアイツら…!」

「まぁいいじゃない。実戦で見返せば、ねぇ?」

「ふぇ?」


クーリアは今まで会話に参加していなかったが、いきなりイルミーナから話を振られ、なんとも間の抜けた声を出した。


「クー…もうちょっと真面目に…」

「うーん?まぁ私はなにも出来ないのは事実だし…」

「…クー、本気で言ってる?」


サラに問い詰められ、クーリアは思わず目を逸らした。


「はぁ…ちょっとは本気だしてよね?」

「……やだ」


クーリアは最後まで本気を出すとは言わなかった。




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