表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む  作者: かぐや
終わりの始まり
123/136

118

 結界が割れた瞬間、魔刃がサラ達へと迫る。


「っ!」


 見えない攻撃であったとしても、魔力の塊である以上、魔力感知で避けられる。しかし、その速さは尋常ではない。ギリギリで躱すのがやっとだ。


 魔刃を転がって躱し、サラがクーリアの足を狙って魔導銃の引き金を引く。青白い光を纏った雷撃弾が砲口から放たれた。


(せめて動きを止められれば……)


 足や腕はたとえ失ったとしても生やす(・・・)方法はある。それ故サラはクーリアの足を狙ったのだが……


「…《防御》」

「っ!?」


 明確にクーリアの口から紡がれた魔法は、サラの撃ち込んだ魔導弾を弾いた。


(…理性を失っているはずなのに、魔法を?)


 サラはその事が頭に引っかかった。魔法を使うためには少なからず集中が必要だ。理性を失っている状況下でそこまで1つの魔法に集中できるとは思えない。


(なにか……おかしい)


 そう悩む間にも、攻撃が止むことは無い。迫る魔刃を横に逸れて躱す。そしてサラがもう一度クーリアに目を向けると……そこに姿は無かった。


「え? ……っ!?」


 サラが足音の聞こえた方へ目を向けると……今まさにこちらへとナイフ片手に襲いかかろうとするクーリアの姿があった。

 咄嗟にサラが腰に付けた短剣を引き抜いた瞬間、キンッ! と刃物がぶつかる音が響く。


(重い…っ)


 受け止められはしたものの、クーリアのナイフはまるで岩のように重く、サラ自身も腕を怪我していることもあり少しずつ押し負けていく。

 必死に抵抗しながら、サラは隙を見つけようとクーリアの顔を伺う。


(っ!?)


 その瞬間、サラは何かに気付いたかのように目を見開いた。


「サラちゃんっ!」


 ナターシャが二人の間に割り込み、サラからクーリアを引き離す。


「大丈夫?」

「は、はい…」


 クーリアから目を逸らさずナターシャがそう声をかける。サラが少しとまいどいながら言葉を返すが、その瞳はクーリアをずっと見つめていた。


(……そういうことね)


 サラがリボルバーの弾倉を回す。


「ナターシャさん、クーに近付く隙をください」

「……分かったわ」


 ナターシャはサラの言葉に驚き思わず振り向く。だが、その真剣な表情を見てそう言葉を返した。


「でも作るのは一瞬が限界よ」

「それで十分です」


 その言葉を聞き、ナターシャがクーリアへと駆け出す。するとクーリアは魔刃を作り出し、後ろへと下がりながら連続してナターシャへと放った。


「《ウィンドカッター》っ!」


 ナターシャへと迫る魔刃をリーフィアが次々に撃ち落としていく。だがリーフィアの額には疲労からか汗が浮かんでいた。もうこの手段はこれ以上取れないだろう。まさに、これがクーリアに近付く最後の機会だった。


「はぁぁ!!」


 とうとうナターシャがクーリアへと追いつきその剣を振るう。するとクーリアは足を止め、その剣を軽々とナイフで受け止めた。

 その直後。



 バンッ!


 銃声が、森に響いた。


 







 





 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ