第4話
その日は早めに就寝することにした。眠るまでの僅かな時間。ベッドの上で、私の奴隷としての制限を考えていた。
ロイからは、「魔道士ローハンに師事して魔法の腕を磨いて欲しい」としか言われてない。例えば、街を出歩くことも許されているのかな?
今度、侍女のユカに街を案内してもらえるか聞いてみよう。
「…疲れているはずなのに」
私はベッドから見える窓の外の夜空を見る。お母様と夜空を見上げて、沢山の昔の話しを聞いた…幸せな頃を思い出した。
「あっ。ごめん」突然、枕元にローハンが転移してきた。
「ヒッ!?」と私は声を上げるが、それ以上は恐怖で言葉が続かない。
ローハンは私の様子を気にすることもなく、説明を始めた。
「この窓はね。月明かりを触媒にして、魔力を体の細胞から引き出す効果と、魔力の質を高める効果があるんだ。だから寝るときは、裸で寝て欲しい。勿論、下着も付けないで。温度調整は、この水晶が管理してくれるから、暑くも寒くもないはずだ」
駄目だ…。この人…。と、私がポカンとした顔をしていたからか?
「大丈夫。僕も試しているから効果は保証するよ?」と更に見当違いの事を言い出した。
「あ、あのですね。女の子の部屋にノックもしないで…」
「あぁ…。そういうのは時間の無駄だよ。僕は例えば君が自慰行為をしていても気にしないし。興味もない。僕が興味あるのは魔法だけだからね」
「私が…奴隷だからですか?」
「奴隷? それこそ興味がない。奴隷だろうと貴族だろうと、僕には何の違いもない。あぁ…ロイは特別だな…悔しいが…」
「さぁ、脱いで脱いで」
この人は…本当の魔法馬鹿だ。私も悔しくなって、ローハンを誘惑するように衣服を艶かしく脱いでみた。
スルスルと衣服をずらし…ゆっくり素肌を徐々に晒しながら…。
「ベッドに横になてみて、魔力の変化の具合を確認したい」私の裸体に関する評価を圧倒的にスルーした。
なんか、悔しい…。言う通りにベッドに横になると、ローハンは乳房を掴んできた。その行為に結局…犯されるのではないかと恐怖したが、ローハンは不思議な形をした虫眼鏡で、乳房を観察し始めた。
「予想以上だ! 凄いぞ、君の魔力は月と相性が良いみたいだね」
ローハンは、違う意味で興奮していた。
お、乙女の乳房を鷲掴みにして…何も感じないの!? なんなのこの人は…。
もう…良いです。早く出ていって…。
「明日食事の時に、体の具合を聞かせて」
ローハンはドアから出ていった…。あの…。入るときもドアから入ってくればよかったのに…。
体の具合…か。確かにポカポカする。それはあの温度を調整する水晶の力なのか、月の光なのか、どっちかわからないけど、凄く安らいだ気分になる…。