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1 おっさんの気まぐれ


 1 おっさんの気まぐれ




ザザ――ンっ!


波が海岸の岩にぶつかり

音を立てている。



海岸端にある神社の社殿前で

小さく丸まってからどの位、

時間がたっただろう・・・


僕は男子校を飛び出し、

海に来てしまった。


「・・・どうしろって、

いうんだよ・・・」


今日の昼、友達だと思ってた男の子に

屋上に呼ばれたので

てっきり一緒にお昼を食べるのかと

思ってお弁当を持って

屋上に上がると


突然

真剣な顔で両肩を

ガッチリつかまれ

「好きだ!」


「・・・・・・・・」


僕は必死にその手を振り切って、

走って走って休憩して

今ここにいる!

(大体、男子校だからって

女の子と縁がなさ過ぎなんだよ

あー・・・

もっと女子高みたいな高校に

行けばよかったかなあ・・・)

などと意味不明な事を長々と考えていると




グ―――!


「・・・お腹減った・・・」


と色々友達との思い出が

頭の中を駆け巡った上

慣れない頭を

使ったせいかお腹がすいた。



とりあえず、

何か食べようと神社を

出ようと立ち上がると


「・・・やっぱりお参りしようかな

せっかく来たし・・・」


クルっ!と賽銭箱の方に

近づき財布を開くと


「くっ!500円玉しかない!」

いつの間にか僕の財布の中身はそれしか

入っていなかった。


そのまま何もせず帰ろうとも思ったが

ふとっ!昔、ばあちゃんが

言ってた事を思い出した。


「いいかい!タダシ!

神様がご褒美をくれる時は決まって

いさぎよくなった時じゃ!」


(なんで今思い出したんだろう?)


僕はジーと500円玉を見て

「まっ!いいか!」


ポイッ!


500円玉は弧を描くように

賽銭箱に入っていき


チャリーン!


と音がするのを待ってから

手を合わせようと

スタンバッているが


「・・・んッ?なんで鳴らないんだ?」


少し首を長くして賽銭箱の中をのぞくと

中は暗い


が何か二つの光るものが


「んッ?」

と目を凝らしてみると


無精ひげを生やしたボロボロの

和服を着たおっさんが

500円玉を持ってこっちを見ている。


「えッ!」

僕はビックリしてちょっと後ろに

下がろうとすると


そのおっさんは


「お前・・・気に入ったよ!」

と言ってニヤッ!と笑う


すると



シュイ―――――ンッ!



「え?えッ?何?」


辺りの風景が見る見る変わり



「ん~・・・・ん?」



ガバッ!


いつの間にか誰かに

運ばれたベット上から飛び起きる。


そして、見たこともないような

大きな窓の外を見ると





「・・・ここどこ?・・・」




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