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番外編①真梨愛さん??

 01




「はぁー、ようやく授業が終わった……」




 昼飯を食った後の数学は眠気との勝負だった。


 おじいちゃん先生の授業の授業は非常にわかりやすいのだが、眠気が体に乗っかってしまっているせいでクラスの半分は眠ってしまっていた。


 違う週の時は昼休み前に授業があるのに何で水曜日の時だけ昼休み後にやるのか理解が出来ない。


 嫌がらせか?




 俺はHRもボーッと受けていたが終わった瞬間、一気に頭が再起動を始めた。


 誰よりも早く教室を出て生徒会室へと向かう。


 生徒会に入る前は頭が再起動する事もなく、死んだ魚みたいな目をしながらずっと家と学校を行き来するだけだった。


 だが今は真梨愛と出会ったおかげで毎日が楽しい。


 あまり本人達には言えないが能力者の事件が俺を変えてくれたのかもしれない。


 俺は今日の業務は何をやるんだろうと思いながらいつも通り扉を開けた。




「わんわん!!」






 目の前には人間の言葉を失い、犬の言葉を喋っている真梨愛と部屋をウロウロしている柴犬がいた。


 真梨愛さんがちょっと他の人に見せられない格好をしているので俺は自分を落ち着かせる為に一旦扉を締める。


 な、何だアレは!?!?




 普段の真梨愛は全校生徒の前だと凛々しくてなおかつ氷のように綺麗な顔をしているのにさっき目の前にいた真梨愛は氷が溶け切って表情がとろけていた。


 四つん這いになってお尻をフリフリさせながら生徒会室にあったゴミを弄っていたけど俺は夢でも見ているのか。


 真梨愛の入れ替わり能力は人間以外と入れ替われるとは一言も聞いていない。






 生徒からは孤高の冷血女王と呼ばれていてさっきみたいなふざけた格好なんかしない。


 だから俺の目の前にいた少女は偽物だ。


 誰よりも生徒の事を思っていていつも一生懸命、世間知らずなところもあるけど自分のキャラクターだけは崩さない。


 たまに崩れる時はあるけど……


 俺はもう一度確認する為に生徒会室の扉を開ける。


 偽物ならこの生徒会室から退かさないと。


 もしや三日之神の仕業なのかと思っていたが……




「わぉーん!!!」




「うおぁ!?」




 扉を開けると同時に真梨愛の偽物は俺に飛びかかってきた。


 俺の胸に真梨愛の巨大な胸がのしかかり、ついに限界を迎えそうになってきた。


 偽物とはいったけど男の性には勝てなかったよ……


 ごめんな、真梨愛。




 ――


 ――――




「や、柔けぇボハァッ!!」




 謎の痛みで俺は目を覚めた。


 辺りを見回すと犬や犬みたいな真梨愛はどこにもいなかった。


 目の前には何故かハリセンを持っていた真梨愛が立っている。


 しかもいつもより顔が怖い。




「仕事中に寝るなんて良い度胸ね、何か良い夢でも見たかしら?」




 あれは夢だったのか。


 ……下はベトベトにはなってないな良かった。


 内容は真梨愛には語れないからどう答えようか。




「答えたくないのなら追求しないわ。ちゃんと仕事は終わらせてからダラけなさい」




 てっきり怒られるかと思っていたが真梨愛は笑顔で俺に大量の束になった書類を机に置いた。


 何であんないやらしい夢を見たんだろう。


 夢から覚めた俺は寝ぼけながらも仕事に取り掛かる。




「そんなに私の事を気にしていてくれたんだ……」



「何か言ったか?」



「早く仕事に取り掛かりなさい。次、無駄口叩いたらハリセンで叩くわよ」


「痛っ、もう叩いてるじゃん!!」


 赤面しながら俺を何度もハリセンで叩いてきた、

 孤高の冷血女王はどこに行ったんだ……

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