4話後半
朝飯を済ませた俺達はせっかく妹が誕生日ということでどこか遊びに行くことにした。
・・・・・・まぁほんとどこかなんだけど、いざ無計画。
「・・・・・クズ、ちょっといいですか?」
この人は可愛くて美しくて強い眼鏡っ子。
梨乃 梓初 同学年だが、立派な俺の師匠だ。
道場で色々と格闘術を学んでいた時に師匠とは出会った。
正直そのころは勝率は若干負け気味だった、体格差がモロに出たりした試合も多かったため。
普通に負けていた。
調子も上がらず困った状態になってた俺を救ったのが師匠。
今でもそれには感謝してるし、こうして空手の道をまだ歩めてるのも師匠のおかげだ。
師匠はどうしてそんなに強いんですk━━━━━━
「・・・・・・・人の話をちゃんと聞きなさい。そんなんだからクズって言われてるんですよ。」
「ごめんなさい。」
「・・・・はぁ.....もういいです。」
師匠は自分の部屋へ戻ってしまった。
・・・・・・結局何を聞こうとしていたのだろうか。
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結局どこに行けばいいのか30分くらい悩んだが、よく判らんので妹に行きたい場所を聞くことにした。
むしろ最初からこうすればよかったのにとも思う。
はぁ......どうして俺は頭が回らないのだろうか。
「行きたい場所かぁ......あ、最近出来たあのデパート行ってみたい!」
「・・・・・ああ、そういえば今日オープンだっけ?でもデパートに行って一体何をするんだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さあ?」
「お前........はぁ、とりあえず何をするかは行ってからだな。」
「そだね~。」
行く場所が決まった俺達はとりあえず準備してから行くことにした。
もちろん師匠も連れて行きます。(むっちゃ嫌がってたけど
現在は9時45分。
そしてデパート開店は10時から・・・・・しかし今日は開店日。
この肌寒い時期でも人はたくさんだった、まぁでも流石にこれだけ出かけりゃ人もこんだけ来るか。
そんな所で師匠はというと「・・・・・・私としたことが時間管理を怠りました.....梨乃ちゃん直伝の時間ピッタリ梨乃論講座とか開いたことあるのに。」とか言ってた。
師匠が現実を受け入れられてない状況だがそんなのは放っておいて、妹と緊急会議を開いた。
「お兄ちゃん、もうちょい後でも大丈夫大丈夫wwwww・・・・・とか言ってましたよね?」
妹の開始の質問が非常に答えづらいのだが、ここは適当に流して時間を稼ごう。
・・・・・・・あ
我ながら失言だった、妹の目が痛い。
いや発言してないから失言って表現するのもおかしいが、そんな場合ではない。
今はどうやって妹を落ち着かせるかが重要だ。
「お兄ちゃんはいつもそうやって私の発言を流して、今日という今日は許しませんからね!」
「いや待て落ち着け冷静になろう。」
「何を言っているんですか私は至って冷静です。お兄ちゃんの目は節穴ですか?」
「・・・・・・はい、すいません。」
道の端っこ、正座で叱られる兄に妹。
そして隣には他人の振りをしている師匠・・・・・・ちょっと胸でかくなったかn━━
そう思った瞬間0.01秒もかからない間に妹からショートアッパーが飛んできた。
「私の話を聞きながすようになったと思ったらお兄ちゃんは何てことを考えてるんですか!!!」
「師匠の胸のことですが何か(キリッ」
師匠は全力で他人の振りをしていた。
だが、殺気はにじみ出てるため他の道を通ってる人もなんだがやばい雰囲気に俺達を避けている。
こりゃ家帰ったら死んだなアッハッハッハッハ。
お叱りを受けること約数十分。
デパートが空いてもなお、妹は俺のことを叱り続けている。
師匠は俺が発言するたびに殺気を高めている。実際一発殴られたしな、たんこぶ出来たわ。
「・・・・・はぁ・・・惺ちゃんもうそろそろ勘弁してやったらどうですか?」
「で、ですが・・・・・」
「後始末は私がやります。」「・・・・任せました。」
・・・・・この真面目なコミュ障いつの間に人とまともに会話をするようになったんだ?
まぁいいや、今は解放された喜びに浸ろう。
「・・・・・・さて、俺はデパートの中に逃げるぞ。」
「家に帰ったら、一回死んでくださいね?」「・・・・・・・・この人梓初さんの太ももエロいなとか考えてますよ。」
考えてねぇ!!!!てか長ズボン履いてるのに見えてたまるか!!!!
・・・・・・・・ふと思ったが師匠ファッションセンスいいな。
ふかふかのパーカーに灰色のジーンズ。
フードを深く被ってチラチラ見えるこの顔もいい・・・・・・
.............
「師匠結婚してください。」「やっぱり一回じゃ殺す程度では駄目ですね、二回殺しましょう。」
・・・・これは返事はまだということだな、よし楽しみに待っておこう。
「・・・・お兄ちゃんこれ振られてるんですよ。」
「うっそだろ!?」
・・・・・さて、一芝居終わった所でデパートに入りますか。
妹と師匠も同様に入っていく・・・・・までは良かった。
3階に上がって。服コーナーに入った瞬間妹が師匠にアタックしまくってるのだ、なんか変だと思ったら今日はスイッチ入ってるな。
説明しよう、妹は心を読む能力がある。
しかしその他たくさん!!!!なんとメイン能力を複数持っている珍しい子なのだ。
その中の一つ、コミュ障の入れ替えスイッチ!!!!
今はダウナー系コミュ障ではない.......アッパー系コミュ障だ。
まぁ結局コミュ障という領域は超えないのだがな。
「梨乃さんなら絶対これ似合いますって!!!!」
「い、いえ私はそういう露出がある奴は.......」
「じゃあこれはどうです!!???さぁ買いましょう!!!!」
「ショ、ショートパンツ!?」
や、やばい.....今日の惺ちゃんは何か変だ。
・・・・・・・これでは私がお着換え人形になってしまう。
何か話の話題を変えないと......
「・・・・・あ、そうだ。二人共一回試着してみるのはどうだ?」
「な!?何を言ってるんで「お兄ちゃんいいアイデアですね!!!よしそれではさっそく試着コーナーへ行きましょう!!!!!」
元気のある妹だな、ハッハッハ.......師匠の殺気が一瞬このデパートを包んだ。
たった一瞬だったのだが、それだけでデパートが停電になった。
・・・・・いや違う、これは師匠の殺気でこうなったわけではない。
そう考えていると服屋の外からまるで足音が聞こえてきた、
ッ!!この展開は先が読めたぞ!!!!
俺は師匠のいる所へ一目散に走る。
妹が停電した瞬間俺と師匠に暗視の能力をかけてくれたおかげで師匠の場所が判った。
師匠の元についた俺は師匠の手を掴んだ。
「・・・・・・・何人ほどいますかね?」「ざっと二十人くらいでしょう。」
多分俺達の居場所はばれていない。
服の店の中でしかも一番奥の壁際だからかなり見えにくい位置にいるはずだ。
そう思った瞬間、暗闇の中からSCARの銃声とマズルフラッシュがチラっと見えた。
・・・・・あれ?こればれてんでね?
そう思った瞬間銃弾がこっちに飛んできた。
その瞬間俺は妹を抱えて師匠の後ろにダッシュで隠れた。その際太ももに数発食らった。
「ぐっ⁉.......クソ、銃の取り扱いには気をつけろよ。」
「・・・・・・・お兄ちゃん、囲まれてる。このままじゃいつやられても。」
「ああ、それなら師匠がいるから大丈夫だ。」
何故師匠の後ろに隠れたのか、簡単だ。
全部弾いてるからな、どんなに低くても絶対に逃さない。
これは師匠のメイン能力:高速移動 の応用で、手を高速移動させることで銃弾を全部殴って返しているのだ。
しかしまぁ、それだけでは当然銃弾が弾けるわけがない。
そこで俺のメイン能力:硬くなるを師匠の手に使用した。
そうすることによって銃弾をも弾く鋼鉄の手を手に入れたのだ。
ちなみに体全体にとなると時間がかかるため先ほどの俺みたいに普通に食らう。
てか無駄に能力使ってしまったのが間違いで、銃弾が足の中に残ってしまった。
ここで俺のサブ能力:痛くないを発動、この能力を発動することによって強烈な痛みを軽減することができる。
「・・・・・・その傷、大丈夫ですか?」
「ええ、サブ能力使ってますから。それよりもう準備万端なんで師匠は俺の妹抱えてどっか行ってください。」
そう言って師匠の背中に触れる。
「・・・・・・死んだら許しませんよ。」
そう言って師匠は一瞬でいなくなった。その瞬間俺に銃弾の雨が降り注ぐが、全く持って痛くない。
武装は・・・・・・なるほど、アメリカ軍の装備をベースとして自分達の能力を最大限生かせる構成にしているわけか。
「こちらB班目標を二人見失った。A班は出口を塞げ、C班は家で待ち伏せろ。」
「こちらA班、目標を発見した。これより戦闘に入る。」
「こちらC班、家の中に侵入しました。これより潜伏を行います。」
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暗いデパートの中、このデパートに来たものは皆パニックになっている。
急いで出口に向かったものは、ほとんどが見逃されたが、二人の人間は見逃されなかった。
「・・・・・・・・チッ」「多分敵は索敵系の能力を持ってるでしょう。後は貫通もいますね。」
お姫様だっこされている神幸惺とお姫様だっこをしている梨乃梓初。
彼女たちは見つけられた瞬間射撃された、避けると誰かに弾が当たるためある程度は弾いたが能力の貫通が気になる所ではあるため、これ以上攻撃を受けることは手がどうなるか判らない。
「こちらA班、目標を発見した。これより戦闘に入る。」
そう言って武装隊は邪魔な民間人を蹴ってフォーメーションを組む。
民間人は逆方向に逃げていくが、多分師匠たちが避けたら当たるだろう。
そんな事を考えていた師匠達、そして次の行動を見守る武装隊完全に受けてである。
恐らく、この隊員達を倒さなければ先に進めないのだろう。
そんな予感はしている、恐らく出口には何らかの仕掛けがしてある。
「・・・・出口に何か細工はされてますか?」「はい、かなり細工されてます。」
しかし、彼女たちには謎の余裕があった。
隊員達もそれを察知したようで、フォーメーションを防衛から攻撃に切り替えた。
そして、一人がナイフを持って襲い掛かっていく。
その瞬間射撃が開始された。梨乃は一瞬理解できていなかったが、すぐに理解した。
高速移動で弾を躱して突っ込んでくるナイフ持ちに蹴りを一発入れようとした。
が.....その隊員も伊達に送られてきたわけではない。
17歳くらいの女の蹴り、避ける程度なんということは無かった。
そう、避けれてしまったのだ。
普通なら誰もが勝ったと思う瞬間、攻撃の隙を見逃さず隊員は攻撃を仕掛ける。
その瞬間........突っ込んだ隊員は吹っ飛ばされた。
確かに避けたはずだ、間違いない。
しかし現実ではこうやって、攻撃を食らっている。
「・・・・・・・こちらA班、本部へと帰還する。」
一人がそういうと、先ほどまで戦闘していたメンバーは一瞬で消えた。
戦闘を終えたということで梨乃は残心を終えた後、一息ついた。
「・・・・・・惺ちゃん、どこもケガはないですか?」
「・・・・・・・え、あ・・・・あぁ・・・・う、うん」
また、今日の朝見たいになってる。
あわあわしている彼女は非常に可愛い、しかしその癒しの時間も長くは続かなかった。
モブキャラである、神幸來が3階から落っこちてきたのだ。
やっと戦闘シーンの描写が出来たが、やっぱりまだまだ未熟ですね。