3話
嵐が去った所で皆も気になっているであろう。
あの少年が持っていたこの封筒のことがな・・・・・・・渡されてないけど。
(アプリを使ってそのことを聞いたら忘れてたとか言って戻ってきた)
「いやぁ、僕もうっかりものだな・・・・・すっかり忘れていたよ。」
「うん、さっさと寄こせ。」
”ちぇ・・・・つまんないの”とか言って普通に茶色の封筒を渡してきた。
てか手に持ってんのになんで渡すの忘れるかね?
封筒を貰った・・・・そういえば名前を紹介していませんでしたね。
彼の名前は神幸 來という。
意味合い的には神から幸福なことがやってくるようにという感じで付けられたらしい。
妹の名前は神幸 惺だ。
こちらは神から大切にされていることをはっきりと判るようにって意味で付けられたらしい。
苗字が特徴的だと付ける名前も楽なのかね?とか思ってしまうが、名前を付けて貰ったことに関しては感謝しかない。
まぁそんな話は関係ないな、重要な事じゃない。
今はこの封筒の中身を見るのが先だ、まぁ十中八九順位戦のことについてだろうがな。
そういい茶色の封筒をビリッと破って中身を取り出した。
「・・・・・・大体予想通りといった感じか、しっかしまただるいルールを思いついたもんだな。」
概要
この順位戦においては仮想空間を使用して行います。
故に死亡することはありません、ですが実践をベースにしているため実際に痛みは感じます。
気を付けてください。
順位戦のルール
・故意に指定ゾーンを出ることは禁止とする
まぁぶっちゃけそういうことされると大会として面白くないからね。
審査員は風紀委員御一行です。
・自分に向けての攻撃は禁止とする
去年は自分を殺して、他の人物の試合を見に行った生徒が居たため自分には攻撃できないように設定しました。
・痛みでショック死の可能性のある攻撃はすべて無効となる
能力を使用した際の攻撃または物理でのショック死に至る攻撃はすべて無効化します。
この場合 勝利はショック死に至る攻撃を行ったものの勝利となります。
以下は前回と同じの為二枚目をご覧ください。
「・・・・・って二枚目ないじゃねぇか、あいつこっそり抜き取りやがったな。」
でも大体覚えてるから別に要らないなと思いつつ日程とかをきめ細かく愛用のメモ帖に書き込んでいく。
その際に一般の人から見ればそれはもうかなり上手い絵を描いてメモを閉じた。
・・・・・・・さて次のネタはどう手に入れようかと主人公である神幸は顎に手を当て考えた。
神幸は一般的な人を目指しているが、どうも空手の戦いの高揚感が抜けなくて戦えるこの日向高等学校に入ったわけだが。
正直毎日がハード過ぎて辛いものがある、例えるならばそ〇かみ高校のスポーツ科みたいなものだ。
毎日がしんどい・・・・・・半端な覚悟で来た俺は”もうやめてぇ・・・・”とも思っているが自分で選んだ道でもあるしついていけてる感じもあるから何となくまだ続けている。
やめて後悔するのは一番嫌だしやり切って駄目だったら駄目だったで諦めもつくだろう。
「お兄ちゃん、起きてる?」
ドアからコンコンと音が鳴って妹の可愛らしい声が聞こえてきた。
しかし俺は顔にしわを寄せてうーんといった顔をした。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「んじゃ失礼します♪」
ドアの鍵が開き勢いよくドアが開く。
俺は現在机の電気をつけて作業をしている、妹に悟られないように部屋の電気は消していたのだが・・・・・
「勝手に入ってくんな、変な事したら怒るからな。」
この前色んなグッズを捨てられて、少々機嫌が悪いんだ。
さっきは師匠が起きていたから何にもないような対応をしたが、俺は妹が嫌いだ。
「そんな怒んなくたっていいじゃん。」
「・・・・・・・・・・・悪い、強く言い過ぎた。」
これくらいで涙目になる妹相手に少しも悪いとは思わんが、でもちょっと強く言ったかもしれんから一応謝っておこう。
「・・・・・・・あの、、、、その。。。一緒に寝ていい?」
「断る、お前と一緒に寝たらグッズが崩壊する。」
「・・・・・・ごめん.....」
そう言い残し妹は部屋を去っていった。
・・・・・ちょっと言い過ぎたか、そんな事を思いながら俺はリビングに向かいプレゼント箱を置く。
プレゼントをこっそり置くために、散々言ったが、とりあえず俺は妹が大好きだ。
ただ妹の能力・・・・・それは心を読む能力だ。
だから心を鬼にしないと到底サプライズなんて無理だ。付き合いの長い俺だからできた感じでもあるんだがな
妹もきっと俺のことを好きなはずだから大丈夫だ。信じれる根拠はないがいつも俺の写真を棚の中に隠してるからな。
暗殺計画とか立ててたら怖いが・・・・・・まさかそんなはずないよなアッハッハッハッハ.........ちょっと妹の部屋で聞き耳してから寝るか。
あり得ない行動を実行に移し、着替え中の妹の部屋に間違えて入ってしまったわけだが・・・・
現在すげぇ状況になっております。
パジャマ状態の妹が俺を布団の中に引きずりこんできた。
師匠は勉強がしたいと言って妹の机を借りて勉強している。
「お兄ちゃん嫌い。」
「じゃあこの手を離してくれな「やだ。」
妹はこの状態である。
困ったものだ、これではサプラ。。。。。。いやなんでもない。
・・・・・・・ハッ!!!そうかこの展開をマンガにしてしまえば売れるのではないか?
そうと決まればすぐ行動・・・・・と言いたいが妹が全く離してくれないため。
俺はここから出ることができない。
でも・・・・・・母死んだばっかだし仕方ないか、父親は金は入れてくれるけど忙しすぎて家には帰ってこない。
だからサプライズで元気になって欲しくて色々考えたけどやっぱ俺って馬鹿だな。
よーし、甘やかそう、きもいくらい甘やかすか。
そう整理がついて、俺は妹を撫でて抱きしめた、お兄ちゃんとして甘やかすのはどうなのか知らんがな。
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「・・・・・・!!!」
白いワンピースを着た少女が一人部屋で決めポーズをとりながらおしゃれを堪能している。
この子は神幸惺、中学三年生で驚異の友達0人という。
脅威の記録をたたき出している、絶世の美少女でありながらこの友達0人というのにはある程度の理由がある。
それは・・・・・つまる所この少女がかなりのコミュ障だからだ。
人と喋ると軽くパニックを起こしてしまって会話にならなかったり、話しかけられても対応ができなかったりする。
所謂ダウナー系コミュ障という奴だ。
「なかなか可愛い一面もあるんですね、惺ちゃん。」
そこに眼鏡をかけたロングストレートの女性が話しかけてきた。
手には小説を持っており、本が好きな事が判る。
「・・・・・・・・ああ、え、えっと・・・・・・」
自分でも驚くほど手が動いている、所謂手がうるさいって奴だ。
だが少し経ったら落ち着いてきたので何か返答できるような気がする・・・・よし言ってみよう!!!
「あ・・・・・ありがとうございます。」
眼鏡の女性は小さく笑って”どういたしまして”と言った。
この人はいつも家に来るからなんとか話せるようにはなってきた・・・・・名前とかまだ聞けてないけど。
「惺ちゃんは本とか読むの?読むなら私の家とか結構小説あるから身においでよ。」
そう言って眼鏡の女性は部屋から出て行った。
いつ見ても綺麗な女性と思う、お兄ちゃんはあの人といつも一緒に居てずるいです。
いや、しかしそんなお兄ちゃんと一緒に居られる私は幸せものですね。
えへへ........いけませんね。
そう思い、浮かれた笑顔をいつもの顔に戻す。
・・・・・と、もうこんな時間ですか。
時刻は5時30分を指している。
もうそろそろ朝ご飯を作らないとですね。
お兄ちゃんは私の布団でぐっすり寝ています。
全く仕方ないです、お兄ちゃんの考えてることは全くわかりません。
私には心を読む能力がありますが、それを使っても判りません。
昨日は冷たくされてちょっと辛かった・・・・いえ、かなり辛かったですが。
お兄ちゃんは何も考えなしに私を傷つけたりするはずないですし!!!
少女は手をうるさく動かしながら部屋から出てリビングへ向かう。
するとそこにはプレゼント箱がありました。
「・・・・・・(*´Д`)」
・・・・・・ハッ!思わず顔が緩んでしまいました。
いえ、緩むのはいつものことですね、気にしたら負けです。
さて、中身を確認してもいいですが。
どうせならお兄ちゃんの前で開けましょう、せっかくのプレゼントですし。
さてさてご飯を作りましょう!!!今日はベーコンエッグです!!!!
見てくれてありがとうございます。
妹の口調が定まりません、助けてください。