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俺にクソラブコメは似合わない  作者: 到底許されるべき行為ではないな
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プロローグ

季節は春を迎えようとしていた。


能力科の学舎にある桜はまだ咲かず、寒い日が続いていた春休み前の最後の学校。



そんな教室で俺はまったりとしていた、そう。

あいつらが来る前はな・・・・・

そう俺は今、クソラブコメに出会っている。


銀髪美少女の飛来花ひらいはなとその幼馴染みのイケメンの平井裕ひらいゆうだ。

苗字も読み方は同じで生まれた病院も同じだ、ありえない、なんだこの作り話のようなクソラブコメは!!!!!!!


普通の顔に生まれたかった・・・・・廊下歩くだけで女子からヒソヒソと話されるようなブサイクな顔にはなりたくなかった.......神は理不尽だ!!!せめて俺にも幼馴染みの一人や一人くらい付けろってんだい。



「後ろで嫉妬のオーラ出すのやめてくれない?うっとおしいんだけど。」


「.......はい。」


俺の前に座っているこの長い黒髪でかなりの美人は楢井智花ならいともか

見た目さながら学校での人気も高い。

俺はこいつとよく話したりしているからか一部の男子からは羨ましいとも思われている。

見た目以上の凶暴さだこいつは、男子よ諦めたほうがいい。今ならまだ間に合う


ちなみに下ネタ大嫌いなので風紀委員に入っている、だが所詮人間、俺の心まで読むことはできまい。

情報によれば今日のパンツは黒いr-------【ゴンッ】



「いってぇぇぇぇぇぇ!!!!てめぇいきなり何しやがる!!!!」


「風紀を乱すものへの罰って所ね。」


彼女が何をしたかというと木刀で俺の頭を思いっきり叩いてきたのだ。

丁度パンツの色を考えたあたりでな、マジでこの学校の風紀委員どうなってやがるんだ。

俺が下ネタ考えた瞬間みんな殴ってきて......エスパーかよ.........余計な事は考えないでおこう。

この学校の風紀委員は人間じゃない。人間の皮を被った覚り妖怪と鬼だ。



「また馬鹿やらかしたのか、ざまぁねぇな、ハッハッハッハ!!!」

「・・・・・風紀委員、こいつ殴っていいか?」


「駄目よ彼はちゃんと風紀を守っているわ、少なくともあなたよりはね。」


「この黒鬼・・・・・一体俺のことを何だと思ってやがるんだ。」


楢井智花【別名:黒鬼】は華麗に俺の質問を無視した。

スルースキルとバストサイズだけを高くした鬼め、公共の場で胸もんでやろうかこの野郎。


と思ったが彼女がまた木刀を握ったのでその考えはすぐに考えるのをやめた。


「心の中で何きもいこと考えてんだよ、流石の俺でも引くわ」


「お前には一体何が聞こえたよ!?俺別に何も言ってねぇぞ!」

おっと紹介が遅れた。


この図体のでかく非常に鬱陶しいやつは北邨義雄きたむらよしおだ。

ただ皮肉なことにこういうやつに限ってマジでイケメンだ。

(名前を除いてな)

神よ、恨むぞ。

俺をこの顔で生まれさせたことをマジで恨むぞ。



「お前マジで考えてることわかりやすいよな、顔っていうほど大事か?」


「なんだイケメンゴリラ、皮肉か、廊下に出た瞬間ヒソヒソと陰口できっと悪いことを言われてる俺に対しての皮肉なのか?」

「まぁお前がそう思ってるならそれでいいか、春休みどうするよ。」

俺は影でなんだその意味ありげな台詞はと思ったが気にしてもしょうがないからすぐに忘れた。

しかし春休みかぁ・・・・・・・・そうだな。



「妹を連れてならどこかに行くかもな。」


「お前いつも妹と出かけてるよな、妹ものは見飽きたって。」



「お前が想像しているようなことは決してないぞ、あんなの二次元だけだ。」

俺はイケメンゴリラが考えてることを予測して否定する。

実際当たってたようでつまらなさそうな顔をしている。



「まぁ暇ならまた呼ぶから気にすんな。だが我が妹を初対面の時のように口説いたら今度という今度は骨折だけでは済まさないからな。」

「っとそりゃ怖い、やめておくよ・・・・っと、先生が来たみたいだな、んじゃまた放課後」



先生って間が悪い時に来るよなぁ・・・・・・まぁ俺の話が長いだけだけど。

けど考えても仕方ないので俺は話を一通り聞いた後別に無視してよさそうなのでゆっくりと睡眠時間をとっt-------【スパーン】



「いっっっっっってぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」


「そこ寝ない!!!先生が話してるんだからしっかりと聞きなさい。」



「体罰や!!!!!人外や!!!!!チョーク投げてしっかり当てやがって!!!!!」

「能力科で気を抜くことはすなわちチョークを意味するのよ。」


なんだそれ聞いたこともねぇぞ!!!!という心の声を抑えつつ「はい......」と返事をして最後までしっかりと寝た。

放課後になって俺は改めて教室を見渡した。

んで思ったことが能力科とかこのクソラノベ空間いらなくね?なんでこんな設定にしたんだよ。

だった。


神はやっぱり理不尽だ。

顔も酷けりゃこの空間だってクソだ・・・・・テンプレになぞり過ぎている。

王道とテンプレの違いくらい付けろってんだ。


「あの・・・・・一緒に帰りませんか?」



「・・・・・・・・やっと来たか。」

俺は早く帰りたいという思いを乗せた顔をあげて癒しを求めて彼女の頭を撫でた。

髪はサラサラで撫で心地が良い・・・・・・非常に良い。




「・・・・・あまり触らないでください。」

不機嫌そうに彼女は・・・・いや間違いなく不機嫌な顔をしている彼女は殺意を込めながら言い放った。






「そのむっちゃ嫌そうな顔やめませんか?」

と言いながら俺は席を立って急いで帰る準備をした。


帰る準備とは言いにくい装備をしながら俺は彼女を撫でた。

うん、腹パン食らった。


この腹に入れてる装甲がなければ確実に泡吹いて死んでるな。


「はぁ・・・・・帰りますよ、このクズ。」




「はい・・・・・お師匠・・・・」

そう、謎に迫ってきたこの眼鏡っ子は梨乃梓初りのししょという。

俺の先輩であり師匠だ、からかうと可愛いがその代償が能力強化付きパンチだ。




常人だったら死んでるよ俺に撃ってるパンチはな・・・・・この能力強いか弱いか判らんね。

師匠とは皆には話していないがこの時期は毎年同居している。


師匠はこの春休み前時期になると親が仕事に行って毎年どこかに行くらしい。

どこかは知らない、てか話してくれない。


「師匠・・・・今月ピンチなんで流石に食費は自分で払ってくださいよ。」


「判りました、クズ。」

今一瞬殺意向けたよね、この師匠怖い、弟子に殺意向けるとかマジで怖い。


「そういえばクズ、次の順位戦はどうするのですか?」


順位戦・・・・・能力科限定の春、夏、冬の三大イベント。

人気かと言われれば微妙だが大体は面白い試合になる、能力科全員強制参加だがちゃんとした理由があれば棄権は許される。

俺の試合は13時からのB級昇格戦だ。


「うーん、とりあえず参加だけして。わざと場外に出ます。」

順位戦には指定ゾーンがあり、そこから出たものは反則として負けになる。

まぁラノベにありがちな設定だな。



「私は不思議に思うのですが、なんでわざと負けるんですか?」

師匠はこっちを見ないでそっけなく質問してきた。

確かにB級くらいならすぐに上がれると思うが・・・・・



「だって、B級会議面倒くさいんですよ。」

一応一年の夏に一回B級に入ったことがあるから言えるが、あの会議は俺の休みも奪うしコミケも奪った、あの会議だけは・・・・あの会議だけは嫌じゃ!!!



「ふむ・・・・あの会議はB隊特別組に入れば参加しなくていいはずだったけど。」


「・・・師匠すいません、ものを知らないもので。・・・・それをお聞きしてもよろしいでしょうか?」



「まぁ私もよく知らないんだけど・・・・・確か特別戦っていうのがあって、A級以上の格上から挑戦されて勝ったら入れるって話なはず。」

「うっわ何それだっる、嫌なんですけど」



地面に叩きつけられた。

むっちゃ痛い、死ぬかと思った。


「聞いたから教えてあげたのに、流石クズ。」

「も、申し訳ございませんでした・・・・・・・・・」


俺は頭を下げて謝った。

顔地面に埋まってるからあげれないだけだけどな。

いや、でこが埋まってると表現したほうがいいか


「あの・・・・できれば出していただきたいのですが。」


「ん?判りました。」

そういって師匠は拳を地面に叩きつけてひびを入れた。

隙間が広くなって俺は出られたが・・・・・・



「これ直すの俺なんすよ!!!助けるにしても加減をですね......はぁ、もういいです。」

俺は諦めて自分の能力を使って地面を戻した。

まぁ酷かったから一時間ちょいかかったけどね、警察に見つからなかったのが不思議でたまらないくらい酷かったのによくもまぁ無事一時間も無人だったもんだな。



「・・・・・師匠先に帰ったか、さて俺も帰るか。」

俺は背を向けて帰ろうとした。

その時なんか背中に痛みが走った、ん?と思いながら振り返ったらそこには今日学校で見た。

あの銀髪美少女高校生がいた。


名前は・・・・・・まぁいいか。


「何の用だ?俺一人だから不満あるならどんどん言えよ。」

師匠は自分が弟子をけなしても何も思わない癖に他人にけなされると怒るからな・・・・

それでまぁあのイケメンゴリラも殺されかけてるし、あいつの能力がチートじゃなきゃ確実に死んでたな。



「・・・・・・・・梨乃・・・・・師匠と付き合ってるって・・・・・本当ですか?」

なんだそんなことか・・・・・・ん?



「ちょっともう一回言ってくれないかな?良く聞こえなかったんだ。」

幻聴だ、そんなまさかな。

こんな少女を師匠が弟子に取っているわけがない。



「だから梨乃師匠と付き合ってるのって・・・・・本当なんですか?」


「き、君師匠の弟子なのか!?!???!?」

「い、いえ・・・・・自分が勝手に師匠って言ってるだけです。・・・・・」



なんだ・・・・安心した。

いやぁ、あの師匠が二人も弟子とってるのかと思った、そんなわけないよな。



「別に付き合ってないよ、俺は師匠の弟子なだけ。」


「そ、そうですか・・・・・・安心しました、つまりまだ彼女とかそんなのは居ないというわけですね?」

あ~・・・・・察した。

そういう展開ね、うんなるほど・・・・・・意味ありげに師匠と付き合ってるのか聞いてきて付き合ってないと判った瞬間かなり安心している。




これは俺に恋をしているに違いない!!!!間違いないな・・・・・


俺はそう思った瞬間もういいやと思って家に歩き始めた。

いやまぁよく見たらそんなタイプの女でもないな、可愛いけど。



いや待て・・・・・この俺がモテているだと?・・・・・ありえない。

やはりこの考えはなしだ。良く考えたらそんな都合のいい話があるわけがない。



「あー、そういや聞きたいことってそれだけ?」

「あー、はいそれだけです。」


ほら、別になんもそれらしき反応はしていない。

あまり暴走しては駄目だ。ただでさえキモオタの顔面ブサイクなんだから。

落ち着け・・・・・落ち着け・・・・・・よし、OK全然余裕。




「んじゃ俺もう行くね、じゃあ。」


「あ・・・・・はい、さよならです。」

少女はどこか寂しそうに別れを告げた。

その表情は悔しそうで、どことなく諦めを感じた。




「なんで告らなかったんだ?お前あいつ好きなんだろ?」

自動販売機から制服姿の平井裕が出て少女に呟く。

少女はとても寂しい雰囲気を出しながらこう告げる。



「そんな・・・・・告白なんて簡単なものじゃなかったよ.......」


「あいつお前と同じライトノベル大好きマンだろ?どこが駄目だったんだ?」

裕は不思議そうにそう告げる。

ちゃっかり野菜ジュースも買ったりしていた。



「あの表情は・・・・私なんか眼中にない・・・・・告白されても断る気しかなかった目だよ。」

少女はまた、悲しそうな表情をしながら、昼の太陽を見た。

その目は諦めも交じっていた。それを悟った裕はある言葉を言う。


「じゃあさ、お前------」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ただいま。」


「お帰り~、今日修了式なのに遅かったね。」

お兄ちゃんの前では明るく、しかし学校の中ではコミュ障な義理の妹。

黒髪の短い髪はふわっとしている。我が妹ながら非常に可愛い。


「ちょっと師匠が地面壊してそれ直してたからな、結構遅くなっちまった。」

「大変だね~、まぁ今回もどうせ自業自得なんでしょ?」

流石我が妹、的確に兄の性質を理解している。

師匠はどうやら二階にいるようだ、地味な見た目して存在感だけはすげぇんだよな師匠。



「まぁな、おっ今日の昼めしは鮭なんだな。」


「んー、ちょっと違うね、まぁ気にせず食べてよ。」


ん?この焼き魚は鮭ではないのか?

まぁうまいからいいか。


妹は無言で俺のことを見ている。

なんだか恥ずかしいがまぁ話しかけても行儀が悪いし気にしないでいいか。


「んー、旨かったぞ。」


「お兄ちゃんってすごく味音痴だよね。」

否定できないな、正直俺も焦げ焦げの焼き魚といい焼き加減の焼き魚を食べ比べた時になんも変わんないなとか思ってしまったことにびっくりした。



「ま、旨けりゃいいんだよ。ごっそさん」


「お兄ちゃんってなんでもおいしそうに食べるよね~。」



「そんなことはないぞ。ミミズを食べたときはすげぇまずくて吐いたぞ。」

妹がちょっと引いたが事実を話したまでなので気にしない。

ミミズ食うとか俺でも引くわ、食ったの俺だけど。



そんな微妙な雰囲気の中それを断ち切るようにインターホンが鳴った。

俺は「まぁほんと旨かったぞ。」と言いながら玄関に向かった。


ドアを開けてそのまま━━━

眠いです。


こういう日はワー〇ドト〇ガーを見るに限りますな。

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