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過去編②

次の日から見せかけの笑みを浮かべて過ごした。


「ねえ、南朱さん。ちょっとついてきてくれる?」


「えぇ。いいよ 陽菜さん。」


何で!何も無かったかのように平気な顔で接してられるのよ!?私の婚約候補 である東鵺を奪ったくせに!!


どんなに苛立とうとも表情には出さず、陽菜について行った。


向かった先は園庭だった。その奥にある草木に隠された秘密の場所。東鵺と私が見つけた秘密の場所。


ど、どうして この場所を知っているの?

だ 大丈夫よ。誰だって歩けば見つけられるわ。それに鍵さえ持っていなければ、東鵺が彼女に教えたことにはならないもの。


彼女は、懐からカギを取り出すと鎖をほどいた。


…うっ 嘘よ!!東鵺が私を裏切るなんて。


彼女はそのまま奧へ入っていった。

私も震える足を動かしついていくと………。

いきなり陽菜さん押され転んでしまった


「憐れね。いつもいつもアイドルのように愛想を振り撒いているからみんなに騙されるのよ。」


起き上がろうとすると頭を踏まれた


「は 陽菜さん? 」


「ふふふ。その泣きそうな顔そそるわ。いっそうもっと泣かしてしまいましょうか?孤独と恐怖・痛みを感じながら泣き叫べばいいわ」


彼女は、何処からか持ち出した刃物で切傷をつけ始めた


「や っやめて! はっ はな っさん。」


痛みを堪えながら逃げようともがくがいつのまにか手足が縛られていた


「いい気みだわ。お父さんの会社を取り潰した癖に!!お前たちのせいで 母さんは死んだのよ! お前なんか死ねばいいんだ!同じ苦しみを知れ!!」


満身創痍で振り下ろされるナイフで死を覚悟したとき


「それはやりすぎですよ。私にもやられてくださいと言ったでは、有りませんか。」


「チッ。いいわ。勝手にしなさい。」


彼女が出て行くと男性は


「あぁ~こんなに傷つけられて!白い肌こそ私の手で赤く染めたかったのに!!」


「あ 貴方 誰なの!?」


先程よりも頭が逃げろと煩いくらい警告を鳴らしていた


「僕ですか~?酷いな~。同じクラスなのに忘れたんですか~。」


「……。」


こんな人いたかしら?


「思い出したら言ってくださいね~」


彼女が落としていったナイフを彼が取り刃物の先で絵を描くかのように滑らせていった。


「っつ」


痛さを堪えていると


「あぁ~。美味しそうな赤い血が出てきましたよ~」


その血を指につけ………舐めた


私が絶句しているとまるで人が変わったかのように


「ほら!何か言えよ!泣き叫べよ!!助けを求めろよ!」


と言うと頬をどついて髪の毛を引っ張られた。


「いっ 痛い!!や やめて!」


「ほらほらもっと泣き叫べ!」


助けて東鵺!!


「おい!なにやってる!」

「なんだ~お前か。褒美を貰ってるだけだよ~」

「手を出すなって言ったよな!」

「お前の言うことを聞くとは言ってないよ~」


東鵺?


上に乗っかっていた男性を引き離すなり彼に一撃を喰らわしこちらに戻ってきた。


ぃいや!恐い怖い怖い!近寄らないで


「南朱大丈夫か?」


東鵺が近づいてきてさわろうとしたとき


「いやーーーー!!来ないで近寄らないで!」


「南朱!?南朱!俺だ東鵺だ!落ち着け!!」


今度は避けられず触られ視界がシャットダウンした。


◇◇◇◇◇


どうやって家に帰ったのか分からないが、気づけば自室のベッドの上に寝ていた。


「お嬢様お目覚めに成られたのですね。当主様をお呼びしてきます。」


と言って侍女長が出ていき暫くしてお父様・お母様・お兄様 が入ってきた。


私は何故かとても怖くてベッドの端へいき布団のなかにまるこまった。


「南朱、大丈夫か?」


お父様が私を触ったときあの時と同じ恐怖を思いだし


「イヤーーーーーーー!!触らないで!!近寄らないで!!」


と言ってまた気を失ったそうだ。


それから私はどうにか男性恐怖症を克服するため日々訓練を繰り返した。

そのかいあっていつも通りの日常に戻れるようになったが、1つだけ心に恐怖を植え付けたままだった。


それは 大声で怒鳴られる 事だった。

(東鵺に怒鳴られると気を失うことがたたある。それはあの時の恐怖と重なってしまうから。)


東鵺は今もなおそれを植え付けたのが自分だと思っている。他の2家は東鵺がケアーの仕方を間違えたからだ とか 事前に防げなかった我々の責任だ と言う。



しかし あの事は私が招いた失態だと思うし、東鵺のせいではない。


何度伝えても東鵺は自分の事を責めるので、その話は二度としないことにした。


影で話していた内容は気になり、聞いてみたことがある。


『あぁ~そういや奴らが何か話してたな。それがどうした?』


『えぇ。そのとき東鵺の名前が出てきたから。』


『……』


『あの事か。それはな、東鵺がお前が酷い仕打ちに会わないように『これ以上言うな!』。』


珍しく顔を赤く染めた東鵺と余裕の笑みを浮かべている西雅さん。


意外と仲が良いのですね。

次回は話が進みます

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