弟の頼み
訂正しました。5/6
卒業際は、卒業式後に行う祝いの祭りです。OBや保護者も参加でき招待した方が有名であれば有るほど、中等部での個室の質が変わると言うジンクスがあるらしい。
うん~とても暖かくて安心する。ずっとこのままでいたい。
しかしその願いは叶わず
「………。」
「……け…………ぞ。」
「…あけ………たぞ。」
「南朱ついたぞ!」
「……う~ん。東鵺?」
「やっと目を覚ましたか。さっきは悪かったな。」
すまなそうな東鵺の声に眠気がなくなり目が覚めた。
私は、今の現状を確認するためキョリョキョリョと見渡すと私と東鵺を呆れた様子で見ている西雅さんと何故か東鵺を冷たい目で見ている北翔さんがいた。そして私の状況は、東鵺に膝枕をされていた。
………………えっ!?私は飛び起きてた。
どういう事なの?いつのまに私は寝ていたのかしら?
私の困惑に気づいた西雅さんが
「東鵺が怒鳴ったせいで気を失ってたんだよ。」
「………。」
顔が赤くなっていくのがわかった。
「西雅様・北翔様・東鵺様。お恥ずかしいお姿をお見せ致しまして申し訳ありません。東鵺様におかれましては、膝枕など烏滸がましい事を「その言い方をやめろ!」。」
東鵺が私の謝罪を途中で遮った。
私が青ざめていると
「あれは、東鵺が悪い。南朱さんに恐怖を植え付けた張本人が、大声で怒鳴ったのが悪いのだから南朱さんが畏まる必要はないよ。だからいつも通りで僕の名前を呼んで?南朱さん。」
と淡々と北翔が毒をはいた
それに反抗できない東鵺は黙りこんだ。
西雅さんが苦笑いをしながら話を変えた
「南朱は、あのまま進学をしたかったのか?」
「そうですね……。確かにあのまま進学をしようかと考えてもいました。」
何故か東鵺、西雅さん・北翔さんが暗い顔をしていた。
「?どうかいたしましたか。」
「い いや。南朱に………悪いことを……したと思ってな。」
と西雅さんが声を絞り出すように言った。私は意味がわからず
「何かしたのですか?」
今度は西雅さんの変わりに北翔さんが
「四峰神学園の進学のこと。」
そう言うと東鵺の方を北翔さんが見るので、つられて見ると
「それをお前の親父さんに頼んだのが俺なんだ。」
「………どうしてなのですか?」
彼は紅く染めながら
「………お前と、同じ学園に通いたかったからだ。」
と言った。
「………」
「……………。」
「……………」
「勝手なことをして悪かった。だが、後悔はしていない。」
………これって『お前が何するかわからないから、見張るためにした。』ってこと?私、信用さえしてもらえていないわけなの?私はただ物語の続きを知りたいだけなのに。
「………。」
「南朱。そんなに怒ることないだろう?俺が常に側にいてやるんだからな。」
「……」
今のは完璧に『常にお前を見張ってる』って言うことなんだ!
突然肩に手を置かれて声にならない悲鳴をあげた
『ヒィッ。!?』
そのまま東鵺にエスコートされながら家の中へ入った。私たちのあとに西雅さんと北翔さんも一緒に入り、2人はお母様にご挨拶をしに向い東鵺は私の自室がある方向に向かった。
「あ あの、東鵺?」
「なんだ?」
「一応聞きますけど、何処に向かっているのですか?」
「はぁ?お前の部屋に決まってるだろう。」
男性を女性に部屋に入れるなんてマナー違反なんだけど……。
そうしている間に、私の部屋にはいった。
壁紙は、うっすらピンクで白い家具が多い。寝室と談話室・生活部屋の3つに部屋が別れていて、生活部屋には軽く勉強道具やテレビ電話等がある。
寝室の奥には、クローゼットになっている部屋が3つある。東鵺が向かったのは私専用の談話室ではなく生活部屋の方だった。
「東鵺さん?何故、生活部屋なのですか?」
いつもと違う東鵺の行動に戸惑っていると
「あの部屋は常に監視されてるからこちらにした。」
えぇ確かにあの部屋には監視カメラがついておりますけど……今更何を考えているのでしょうか?
向い合わせでソファに座るとメイドが紅茶とショートブレッドを置いて退室した。
うん。ショートブレッドは、クッキーみたいで美味しいわね。
紅茶とお菓子を堪能していたら東鵺が立ち上がり私の前に膝まづいた。
目を丸くしている私を放置し
「……これをお前にやる。」
といって私の左手をとるなり指に何かをはめそれに口づけをして立ち上がり。
「悪い虫が着かぬようにつけておけ。」
へっ?どう言うこと悪い虫?ってまだそんな季節じゃ無いけど?それに虫除けなら指輪ではなく、ブレスレット系でしょう。それなのに何故指輪なのかしら?
「東鵺おわった?」
と扉の向こうから北翔さんの声が聞こえた
「ああ。待たせて悪かった。」
「いいや。それよりちゃんと渡せたなら良かったよ。」
と西雅さんの声が聞こえた。
「あの、お二人ともお入りください。」
「いや、俺らは談話室の方にいるから出てきてくれるか?」
「東鵺もいるのですから、こちらに来てもらった方が平等だと思いますわ。」
「お前らは来るな!俺らがそっちに行く。」
東鵺に手を引かれて談話室に向かうことになった。席はテーブルを囲むように扉の近くが北翔さんその左が西雅さん。北翔さんの右が私で私の右が東鵺。
「私は、構いませんのに。」
と呟くと
「そう簡単に男性を部屋に招くな!」
「東鵺が勝手に入ってきたのでしょう?それにお父様からみな平等にと言われているので、東鵺だけを部屋に入れて西雅さんや北翔さんを入れないなんて不公平でしょう?」
東鵺はため息をつくなり
「俺は、お前の両親に許可されてるからな。俺以外の男を招き入れるなよいいな?」
「それは、無理でございますわ。弟が入ってくるので約束は出来ませんわ。」
「家族以外の男性を入れるなよ。そう言えば大雅は、どうしてる」
「……大雅ならそろそろ帰ってくる時刻ですわ。」
私はツンとした表情をしながら優雅に紅茶をのみ
「西雅さん、お久しぶりですわね。とても凛々しく次期当主らしくなられましたね。」
「いやいや。14でローゼと言われている南朱には、まだまだ及ばないよ。」
「お上手ですこと」
「これは、本心ですけど。」
と苦笑いする西雅さんから北翔さんに話をふった
「北翔さんは、高等部3年になられるのですわね。」
「はい。南朱さんの入学を楽しみにしてました。」
「ありがとうございます。1年間だけですが北翔さんと同じ学園に通えることになりとても嬉しく思いますわ。」
「僕の方こそ、社交界の薔薇と異名を持つ貴女と通えることを嬉しく思います。」
とお互いに社交界の場に出る者としての挨拶を終え
「さて、ご挨拶はそこまでにして西雅さん、北翔さん『ローゼ』『社交界の薔薇』ってどういうことですか?」
「南朱は、知らなかったのか?南朱と大雅2人を2輪の大輪の薔薇と言われてる。」
「そんなとこを聞いたことはありませんわ。」
「ローゼ は、3年前の舞踏会で言われ始めた。姿が薔薇の女神のようだと誰かが言ってから広まった。」
二人の説明を聞いて私は、頭を抱えてしまった。
そうだった!朱雀大路 南朱は赤いドレスで踊ることが多く、4年前はテーマが神 だったから赤のドレスをアレンジしたのを着てたんだった。そのせいでこの異名がつくはめになったのを忘れてた!そして大雅は白いタキシード姿でボタンが赤薔薇の模様をしていたのを着ていたんだった。
うぅ~恥ずかしい。
ノックオンがし
「大雅です。入ってもよろしいでしょうか?」
3人に確認をすると頷いたので
「えぇ。入ってらっしゃい。」
「失礼します。」
「ただいま帰りました。お姉様。お久しぶりです。東鵺様。」
「ああ。」
「お初にお目にかかります。私朱雀大路 南朱の弟 大雅と申します以後お見知りおきを。」
と紳士らしく礼をすると
二人とも立ち上がり
「これは、ご丁寧にありがとうございます大雅さん。私は、白虎鳶寺 西雅 と申します。お隣は」
「慎玄武 北翔 と申します。」
「さて挨拶がすんだのだから方苦しい言い方をやめましょう?」
「分かったよ。姉さん」
「それで?私か東鵺に何か頼み事?」
「えへへ。ばれてた?」
「えぇ。貴方がこう言うときに来るのって大概頼み事か何かを仕出かしたときが多いからね。」
「姉さん珍しいね。」
「なにが?」
「家族以外言葉を崩さないのにいまは、思いっきり崩してるよ。」
はっとなり3人を見ると驚いた表情をしていた。
あっちゃ~記憶が戻ってから?気を抜けば言葉を崩してしまうのを忘れてた。もう今更だからいっか
「それで、頼み事はなに?」
「明日、初等部の卒業際があるのは知ってる?」
「えぇ。それは、しっているけど。」
「そこでお願いなんだけど、サプライズ ゲストとして来てくれる?」
「それは、東鵺と私?」
「そう!姉さんの友達も連れてきても良いからさお願い!弟を助けると思って。」
「はぁ~絶対何か言ってくると思って予定開けといて良かったわ。」
「それじゃ来てくれるの!」
「えぇ。私は参加してもいいわ可愛い弟の頼みですからね。」
「!!ありがとう姉さん!東鵺兄さんも参加してくれるよね?姉さんが参加するのに東鵺兄さんが参加しないなんてね?」
何故かしら?大雅から黒いもやが見えるわ。
「当たり前だ!南朱が行くのに俺が行かないわけがないだろう!」
「さすが東鵺兄さん。そうだ!西雅様と北翔様も参加してくれますか?」
「僕は、午後からなら参加できる。」
「俺も参加できる。」
「本当に良いのですか!?」
「うん。」「あぁ。」
「やった!ありがとうございます‼これからは北翔兄さん西雅兄さんと呼ばせてもらいます!」
「西雅さん。北翔さん。 弟の頼みを聞いてくださってありがとうございます。」
「別に、時間が空いていただけ。」
「そうだな。それより俺たちの願いを聞いてくれるか南朱?」
「えぇ。もちろんですわ。」
「敬語止めて普通に話して。東鵺のように呼び捨てでいい。」
「わかりま……分かったわ。西雅……さん」
「西雅。」
「うっ。西雅。北翔」
「うん。」「あぁ。」
西雅と北翔が喜んでいたが側にいる東鵺が何かぶつぶつ呟いていた
「東鵺?どうしたのですか?」
「明日、8時に迎えに来る。西雅・北翔帰るぞ!」
「はいはい。また明日南朱。」
「また明日。」
「えぇ。」
3人がいなくなり静かになった。大雅を連れて自室に戻ると
「それで、今度は何を企んでいるのかしら?」
「ね 姉さん。怖いよ。べ 別に何も企んでなんか……。」
「そうかしら?今のうちに白状すれば手伝ってあげない事はないのだけどね。」
「うっ。……分かった 分かったよ!
学園のやつらが姉さんや東鵺兄さんを侮辱するんだ。」
「それだけではないわね?」
「………。はぁ~姉さんには敵わないよ。3年前の舞踏会以外に社交場に僕たち行っていないだろう?」
「そうね。お互いに忙しかったからね。」
「それで、お前らの家は没落したんだ!とか名ばかり・僕が養子だからとか社交場から消えたんだ。って言われて」
泣き始めた大雅を抱きしめ聞かせるように
「大雅、貴方は養子ではなく本家。お父様とお母様の血を継いでいるわ。貴方が産まれた時私は、見ていたもの。それにこの家は没落なんかしていないわ。今も4大家として回りから見られている立場だわ。けして名ばかりでもないから安心してちょうだい。」
「ぐす。姉……ちゃん。」
「明日、皆を驚かせましょうね?」
うふふ。そんなことを言う子達には力を見せなくてはね?
しばらく大雅が泣き止むまでそのままでいた。
そして大雅が落ち着くと
「姉さん。何か怖いんだけど?」
と言って部屋に戻っていった。
私は着替えるなり、誰も部屋に入らないように頼みあるところにテレビ電話を繋げた。
皆朱の弟 大雅 は初等部…小学校を卒業し 中等部……中学生 になります。
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