謎のメールと男性
案の定 新月は『何で俺が!!』と叫んでいたが、『1日休暇をあげる』といえば渋々頷いてくれた
あの出来事から1週間彼女は再開した学園に一切登校して来なかった。そのぶん表面上は和やかな日々を送っている大4家だったが、あの悲劇を起こした張本人が未だに判明していなかった
南朱は今日もいつも通り1時限目 数学 2時限目 音楽 3時限目 古典 4時限目 礼儀作法 とこなして行くはずだった
数学の授業が終わったから早めに移動しようとする南朱に1通のメールが届いた
誰かな?このメアド登録外からだけど一体だれから送られてきたのかな
南朱は念のためそのメール以外の情報を別の携帯に移しハッキング追跡を機能させた
そのメールに書かれていたのは1文だけだった
『放課後に貴女との思いでの場所で待ってます』
思いでの場所?私の思いでの場所なら湖だけど、送り主が分からない以上行きようがない気がするのだけど
送信場所を追跡したがこの学園に印がついていた
はぁ~でも物語通りに行動するなら私の思いでの場所は学園裏の花畑になるんだよね。………行きたくないけど行こうかな
南朱は、いつもなら楽しく行っていた音楽でさえも感情の入っていない見本の弾き方をしていた
「南朱、今日のお前は変だ!好きな科目でさえも上の空。あげくの果てに感情の入ってない機械のような弾き方。一体何があった?」
「……南朱さん」
東鵺だけでなく北翔さんまでもが南朱の横に座り問いかけてきた
南朱はため息を一つ着いてから送られて来たメールを彼らに見せ
「どう思う?発信者はこの学園にいる人の誰かで、この言い分だと私とどこかで会っているみたいだけどそんな人と会った記憶がないのよ。それに私の個人的なメアド知ってる人なんて極わずかよ」
「お前!何で言わなかった」
人が誰もいない教室なので南朱は怯えたそぶりも見せずに
「個人的なことにあなた達を巻き込んではいけないと思ったのだけど………結局巻き込んでしまいましたわ」
「お前個人の私情であろうと俺らは構わねぇんだよ!!だから───「東鵺そこまで。……南朱さん、場所に心当たりは?」
東鵺を制した北翔さんの問いに
「この人との思いでの場所は分からないけど、私の思いでの場所なら学園裏にある花畑ですわ」
「…では、僕らもそこに着いていきます。南朱さんに何かあったらそれこそ大事ですから」
有無を言わさない様に言葉を紡ぐ北翔さんに
「ご迷惑をおかけします」
と先に謝罪を入れ放課後共に学園裏の花畑へ向かうことにした
ありがたい事にいつもなら男女別々の教室で行われる礼儀作法の授業が全学年、ダンスのレッスン部屋で行われた
婚約者がいる女性は婚約者といないものはフリー同士で30人ペアで1曲踊っていた。この学園は、女性の割合が少ないため彼女達は複数回踊ってる人もチラチラいた。もちろん南朱も東鵺と北翔さんと踊っていた
南朱達が壁の方で休憩していると男性教師に呼ばれ、北翔さんは再びダンス広場に連れ戻された。残された東鵺と南朱も他の方々に囲まれていた
「もし良ければ、私と一曲─」
「いいえ、僕と踊って──」
「お前らは下手くそだろう!!俺と──」
「何だと!!お前、さっき他のやつに当りかけてただろう!!」
現実逃避に東鵺の方の話を聞くと
「青龍寺君!私と一曲─」
「いいえ、私と───」
あはは~東鵺ってモテモテなんだね
何て思っているといきなり手を引かれ
「お待たせ致しました。朱雀大路さんは私と踊る約束をしているので失礼します」
「ぇっ!?」
ここで違うと言えばまたあの渦に戻らさせると考え南朱は素直に応じた
ダンスフロアーの中央に連れていかれた南朱はきっちりホールドされ、誰もいないフロアーで踊り始めた
「南朱嬢は、ダンス上手ですね」
「あなた様のリードがお上手だからですわ」
南朱はさっきからどこかで会ったことのある様なこの男性を思い出そうとするが思い出せないジレンマと戦っていた
「貴女はあの頃と全く変わっていないね」
やっぱり彼とはどこかで会ったことがあるんだ
「貴方と何処かであったことがあるのかしら?私、幼いときの記憶がほとんど忘れてしまっているの」
彼は一瞬寂しそうな表情をしたが直ぐにさっきまでと同じ笑みを浮かべると
「えぇ、昔幼い頃に一度会ったことがあります」
南朱が『いつ?どこで?』と聞く前に曲が終わりをむかえ
「また、放課後にあの花畑で」
と言って離れていった
どう言うこと?『放課後にあの花畑で』って彼は一体だれなの?
呆然としていた南朱を北翔さんがエスコートしながらレッスン部屋を出た




