物語通りに
東鵺が開ける前に南朱は物語通りの配置につき、高瀬さんが入ってきた
「東鵺君!!わたしぃ……怖くて会いに来ちゃったけど、迷惑だった?」
彼女はいきなり東鵺に抱きつくなり涙声で首を傾けた
……うわ~実際に見るとアザトすぎ!!
南朱は西雅さんと北翔さんの方をチラッと西雅さんは無表情で北翔さんは、獲物を見つけた笑みを浮かべたいた。心のなかで高瀬さんに手を合わせた
彼女自信が追い詰められるだけならまだしも……ね。でも北翔さんなら家計断絶のほかに迷惑料とか言って全てを取り上げそう
南朱は入り口で行われてるやり取りを見つめていると東鵺と目があった
はぁ~やっぱり物語通りに動かないと彼女に怪しまれるかな?
南朱はソファから立ち上がると悪役令嬢ヨロシクと言うように鬼の形相で二人のもとへ歩いていき
「そろそろ私の婚約者からその手を離して貰えるかしら?」
彼女は物語通りに東鵺の後ろに隠れると涙目で
「きゃ~! 南朱ちゃん………怖~いぃ」
楯にされている東鵺は眉間にしわをよせ怒鳴らずに言い聞かせるように
「南朱、せっかく彼女が心配して来てくれたんだから」
「ですが!東鵺は私の婚約者だと言うのに彼女に馴れ馴れしくくっつかれては、他の方たちに示しがつぎませんわ!」
「ここにいるのは、俺たちだけだ」
彼女は少し東鵺の背後から出ると
「東鵺く~~ん。かばってくれるの?だ~い好き」
とさらに東鵺にへばりつく彼女を冷めた目で見つめる3人と熱い視線を送る1人。堪える1人
「いい加減にしてくださいな!私たち大4家は見本となるべき行動を心がけるべき存在なのですよ。そうだと言うのにそのような誰にでも媚を売る女に!!」
南朱が手をあげようとすると背後から
「そこまでですよ。南朱嬢、少し落ち着いて下さい」
南朱は目を腫らしながら
「ですが!」
「分かってますから」
南朱の手首を掴んでいた西雅さんは手を離し
「東鵺、今ここで 朱雀大路嬢との婚約者から退くと誓え。そしてここから去れ!」
驚愕する東鵺と彼の袖を引っ張り促す高瀬
「……」
「…………」
「……西雅さん。東鵺も本気で彼女を好きになった訳では無いんだからさ」
北翔さんが西雅を窘めるが
「北翔、お前は黙っていろ。私たちは、大4家としての誇りと意地がある。それを全て投げ出す者など大4家には必要ない」
……彼女が転生者なら逆ハーレムも頑張れば出来るけど、まぁしない方がおすすめね。さてと、私も話し通りに行動しなくちゃね
南朱は西雅さんの前に行き懇願するように
「…ねぇ、東鵺。本当に私を嫌いになったのですか?私達はやっぱりただの政略的な婚約だったの?」
赤くなった目を見えないように下を向きながら東鵺の反応を待っていると
「………ああ!もう無理だ!!」
東鵺が物語以外の行動を取った事によりシリアス的な雰囲気が壊れた
彼の行動に困惑するヒロイン。東鵺に呆れた視線を送る3人
南朱は首を振り彼らに向かって
「東鵺が絶えられないみたいだからもう良いですわ」
「……はっ?」
女の子らしくない声が聞こえたがそれをスルーして
「高瀬 愛莉 さん。茶番劇はどうでしたか?」
南朱は青褪める彼女に令嬢らしく優雅に微笑むと今までの出来事がなかったかのように
「私達のフリースペースにようこそ高瀬さん。どうぞそこのソファにお掛けになってくださいな」
西雅さんに目配りさせると彼は東鵺と場所を変わり高瀬さんの手を取り、ソファにエスコートした。彼女が座ると南朱は
「新月。紅茶をお願い」
「畏まりました」
何処からか声がしたと思ったら丁寧な給食で紅茶とお茶請けを置いていった
彼女を見ながら南朱は
「落ち着いたところ申し訳ないのですが、何故貴女が一般の人が知り得ない事を知っているのですか?」
彼女はこれが逃げ道とばかりに微笑むと
「あはは!貴方達に関して知らないことはないよ~。南朱ちゃんは昔のトラウマで大声が苦手。東鵺君は、何でもこなす南朱ちゃんを嫌ってる。北翔くんは幼い頃に拐われたことから内気になった。西雅さんは、北翔くんのトラウマは自分のせいだと思ってる。ほらね?あたし何でも知ってるんだもん!!」
あら?やっぱり彼女も私と同じって事は知られたら面倒になる予感
4人とも引きつりそうになった表情を引き締め西雅さんが
「申し訳ないが、貴女が言った事が分からないのですが」
「ふふん~隠さなくてもいいんだよ?だって西雅さんが8歳の頃だから何も出来なくて当たり前なんだからね!」
「えっ?」
「はぁ?」
「………」
「………」
東鵺、西雅さん・北翔さん・南朱の反応はそれぞれだった。とくに南朱は頭を抱えそうになっていた
「あの高瀬さん。それは誰の話をしているのですか?」
彼女はキョトンとしながら
「えっ?誰って…嫌だな~忘れたんですか?西雅さんのことですよ」
西雅さんは不思議そうに見ながら
「残念ながらそんなこと起こったこと事態ありませんよ。東鵺は南朱嬢にトラウマを植え付けたと後悔はしていますが、実際には彼女はトラウマ事態植えついてはいないのですよ。そもそも貴女が言っている事全てが起こっていないことです」
高瀬さんは東鵺を見つめ
「………うそ!強がりなんでしょ?」
東鵺は今までの演技が嘘のように冷たい視線を彼女に送り
「本当だ。俺は一度とも自分の身を犠牲にしてまでも他の人を救う南朱を尊敬することはあっても嫌いになったことはない」
高瀬さんは、北翔さんに今度は目を向けた
「北翔くんは、実際に拐われたよね?」
彼は目は笑っていないが微笑むと
「ええ、確かに僕は誘拐されましたよ」
「じゃあ!」
「ですが、南朱さんの手回しのお陰で5分後には救出されましたよ」
「じゃ…じゃあ!南朱ちゃんが怒鳴り声で悲鳴上げてたり気絶してたのは!?」
南朱は幼い子に言い聞かせるように
「それは、ただの演技なのよ。お父様から『弱点がなければ敵は近寄らない』って言われたから演じただけなのよ」
「………はぁあ!?そんな物語なんて書かれてなかっ………?まさかあたしが死んだあとに?いやでも数ヶ月連載停止って………」
彼女が呟いている言葉を聞きながら南朱に東鵺たちが話しかけてきた
「ほら、また意味不明な言葉を言ってるだろう?」
まぁ、確かに知らない人からしたら意味不明だよね
「頭が壊れてるんじゃないのか?」
西雅さんの苛烈な言葉に苦笑いを浮かべた
「さすがにそれは、言い過ぎです。彼女もいろいろと思うことがあったのよ」
「物語 って言ってる時点で、何かの小説に影響でもされてるのじゃないのか?」
東鵺の辛口コメントに西雅さんが
「一度医師に見せた方がいいのかも知れませんね」
「いいえ、医師に見せても分からないと思いますわ」
一応同じ転生者と確定出来たので、哀れに思いホローを入れた
「……うん、南朱さん。何故そんなに彼女を庇うのです?」
今まで黙っていた北翔さんが会話に参加してきた
「庇ったつもりはありませんわ。ただ苦労をなされて、性格が片寄った様に思ったのです」
北翔さんが無言でこちらを見てくるが南朱は何時ものごとく感情を制御して見つめ返した
「そっか。ところでこの子どうするの?」
「そうですね……新多に送るように言っておきます」
はぁ、新月怒るだろうなぁ~




