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罪と罰

南朱は昨日の大雅の様子が気になりつつも物語を進めようとしていた


さてと、今度は食堂で貶せば良かったのよね


南朱は授業終了し教科書を鞄にしまっていたら何処からかざわついた声が聞こえた。視線を廊下へ向けるとヒロインと中山 駮が扉から入ってくるところだった


あれ?ヒロインはともかく中山君ってこのクラスにいなかったよね?じゃあ、あの時この教室に入ってきたのは何かの間違えだったのかも


南朱はいつの間にか側に来ていた東鵺を見上げ


「彼女 東鵺を向かえに来たのではないの?」


東鵺は眉間にしわを寄せ


「なに言ってんだ?ただ教室に送っただけで今日も来るわけねぇよ。それよりも食堂に行くぞ!」


東鵺に手を引かれて後ろの扉から出ようとすると


「東鵺君!!一緒にご飯食べよう!」


南朱にまるで気づいていないかのように体当たりしてきた


「っ!………」


体感軸が鍛えられているお陰か無様な姿をさらさずにすんだ


なんなの?東鵺と食堂で起こる内容と変わってきてる?


唖然としていたら左側から


「怪我はないか?」


「……えっえぇ大丈夫ですわ」


一瞬彼女に絡まれてる東鵺と目があった気がしたけど気のせいね


思い直し気を使ってくれた男性の顔を見るため視線をあげると


………あっ!中山君だったっけ


「朱雀大路さん良ければご一緒にお食事はいかがですか?」


チラッと見ると東鵺の腕に彼女の腕が絡み付き体を押し付けるようにしている姿が見えた。


……落ち着かなきゃ彼らは私の婚約候補者なのだから他の男の人と大勢の面々があっても食事を共にしてははしたないわ


「ごめんなさい、東鵺とお食事をすると約束をしていたの」


「それなら彼らもご一緒なら大丈夫でしょう」


「えぇ、まぁそうね」


なにをどう話をつけたのか中山君は東鵺と高瀬さんの許可を取って共に食堂へ向かった


4人が選んだのは個室になっている部屋だった。次々運ばれてくる料理を上品に食べている向かい側で


「東鵺~君。はい、あ~して?」


フォークを東鵺の口元へ持っていっては


「高瀬さん、その様なことは彼氏さんにしてあげてください」


東鵺にいなされてプク~っと膨れると


「や~だ!愛莉って呼んでくれないとみんなの前で言っちゃうぞ!東鵺君はあたしの事が……「高瀬さん!いい加減にしてください」」


「だって~」


なんだろうね?この二人のやり取りを見ていると無性に苛立つのだけど?


「高瀬さん。人目があるところでおかしな行動派慎んでくださいな」


「何でそんなこと言うのですか~?あたしと東鵺君は友達なんです~!」


南朱は一度ため息をついてから


「東鵺様、私これで失礼させていただきます。」


南朱は揺ったりとした完璧な動作で椅子から立ち上がり部屋を出る前に振り返り


「あっそうでしたわ。東鵺様、私が幼い頃から言い続けたこと覚えていらっしゃりますか?」


きょとんととした東鵺に笑顔で


「再度通達を出しますので、お気になさらずに。では、失礼いたしますわ」


「南朱!?どこに行くんだ」


南朱は冷たい笑顔を東鵺に見せついてくる中山君さえも気にせずに校舎を出た


ドライバーが時間を潰すために作られたカフェコーナーにいる自分のドライバーである新月を呼び出し後部座席に乗り込むと、今まで一言も話していなかった中山君が


「不快な思いをさせて申し訳ない」


「いいえ、お気になさらず。それに私の失態もございますので、また明日学園でお会いいたしましょう」


話が終わったのを見計らい新月が車を発進させた


「……それで?」


南朱か話しかけると新月はタブレットを南朱に差し出すと


「大雅様が行おうとしたところの写真とそれまでの行動を記録した画像です」


南朱の胸騒ぎは現実に起こってしまった


中等部で買われていたウサギが突然死にその二時間後に一匹の鳥が殺されていた。そこの付近には大雅が必ず側にいたと言うことが月光花から報告が上がっていた


「……そう。新月、大雅は今どこにいるのかしら?」


「中等部の学園長の指示で全員生徒は帰らしたそうです。大雅様は植物園におられるとの事です」


「分かったわ。大雅が戻り次第私の部屋に来るように伝えて。その間私はこの後処理を行うわ」


「………畏まりました」


南朱は帰宅後直ぐ月光花を呼び出し使ったとされる毒物の把握と解毒薬を精製し亡くなった動物に流し込み自然死に見せかけた


一通りの証拠隠滅を行ったあと、夕刻になった頃に大雅が部屋に訪れた


ソファに大雅を座らせハーブティーとクッキーを渡すと何事もなかったかのように


「今日は早く授業が終わったから植物園に行ってたんだ。姉さんが早く帰ってくる日なら一緒に行けたら良かったのに」


大雅、私の無邪気で可愛い弟。あんな事実さえ見なかったら今度は一緒に行こうね。って言えたのに


南朱は複雑な心境で大雅のたわいもない話を聞き、いつ切り出すかを計りながら全てが嘘であって欲しいと願わずにわいられなかった


「ねぇ、大雅」


「どうしたの姉さん?そんな怖い顔をして」


「………今日、中等部で動物の不審死が相次いで起こったって聞いたのだけど」


大雅はなにを言ってるか分かっていないかのように首を傾け


「姉さん、そんなこと誰から聞いたの?」


「学園の先生方が変な病気かもしれないって騒いでたわ」


「そうなんだね?僕、全然知らなかったよ」


「あくまでも知らなかったと言い張るつもり?」


怪訝そうに大雅が南朱をみて


「僕が殺したって言いたいの?」


「………」


南朱は否定も肯定もしなかった


「姉さん、信じて?僕は何も殺ってないよ!!」


南朱はコッソリと撮られていた写真を大雅に無言で見せると


「ちっ違うよ!違うんだよ姉さん!!これは誰かが偽装した写真だよ」


南朱が見せた写真には大雅が毒を仕込んでいる最中のものとそれを食べさせている写真だった


「これはね、貴方の様子が可笑しいから年のために護衛としてつけさせた人が撮って帰ってきたの。偽装なんかしない信頼のできる人からよ」


南朱は大雅の隣に腰を掛けると彼は肩を震わせ


「………姉さんのためにやろうとしたんだ。姉さんは父さんに責められ母さんに無視されているだろう?だから僕の大切な姉さんを守るためにあの毒物を作ったんだ………」


「分かったわ。貴方は、自分が起こした罪を認め悔い改めなさい。今回の事は、私の責任でもあるからお父様に報告し私が罰を受けます」


「それじゃ!!姉さんが他国へ追い出されるよ!!」


「それは仕方ないことよ。私が責任をもって貴方を見ていなかった証拠ですもの。それにお父様もお母様も私を嫌ってなんかいないのよ」


「そんなの嘘だ!」


泣きじゃくる大雅を抱きしめながら


「いいえ、本当よ。お父様は女の身でありながら茨の道を歩かしたことに後悔しているだけなの。お母様はそれを止められなかったから自分を傷つけ無いようにしているだけよ」


「…………」


「…さぁ泣き止んだらお父様のもとへ行くわよ」


頷く大雅を連れお父様の部屋へ行くとすべての内容を把握していたのか大雅への罪は殺した動物のお墓を作り毎日花を手向け、自分のしでかした事を悔やむことになった


南朱の罰は、表向きは軟禁に近かったが裏では大雅の見張りをしていた



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