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梅の花茶会 後編

1つの品種改良された大樹は、白い花と赤い花をバランスよく咲かせていた。その大樹の下に

墨を薄めたようなやや薄い灰色の薄墨色(うすずみいろ)のコートを羽織った西雅さん

白茶色に近い色の白橡(しろつるばみ)のコートを羽織った東鵺

重なり合った紅い梅の花のような明るい紅赤べにあか色の梅重(うめがさね)を羽織ってる主催者側の北翔さん

3人が梅の木を背にして集まっていた


南朱は、大雅にエスコートされ彼らの前に向かった


南朱は、北翔さんの前に立つなり定例文を述べた


「北翔様、本日はこの様な素晴らしい会にお招き頂きありがとうございます」


こちらも定例文で


「南朱嬢、大雅君 こちらこそ本日はようこそお越しくださりました。精一杯おもてなしをさせて頂きますので、心行くまでお楽しみください」


お互いの挨拶が終わると一歩前に出てきた西雅さんと東鵺に視線を向け定例文を述べようとしたが先に西雅さんが口を開いた


「さてと、定例文を主催者側と招待客が述べたところで2グループに分かれますよ」


どういう事?西雅さんが有無を言わせないように圧をかけてくるなんて、何かあるのかな?


私の疑問を大雅が問い掛けた


「西雅さん、何故2グループに分けるのですか」


西雅さんが大雅に視線を向けると優しげに


「俺は、南朱嬢との()()()()()を解きたいからだよ。そして、東鵺も南朱嬢に失礼な事を行ったからそれについての話し合いをしなければならないからだよ。その間、大雅は北翔と遊んでいてほしい」


「………ふ~ん、姉さんが()()をね」


大雅が南朱に流し目を送ってきた

それにたいして軽く頬笑み


「あら、私 何か誤解していますの?小耳にはさんだ噂の真相は、調べてみたので誤解をしていないと思いますわ」


涼しい顔をしながら西雅さんは


「その噂事態が嘘なんです」


相変わらず感情が読めない。いったい何を考えてこの様な話を流したのかな


()()そう言うことにしておきますわ」


南朱は大雅と北翔さんに視線を向け


「北翔さん。大雅をよろしくお願い致しますわ。大雅、困らせないようにね」


主催者側からいつもの北翔さんに戻り


「……分かった、でも早めに話を終えてね。こんな小春日和だと…眠くて……ふぁ~」


大雅はムッとした表情を浮かべ


「この年にもなって、迷惑をかけないよ!」


二人に手を振り西雅さんと東鵺と共にせせらぎがあるところへ向かった


木蔭に三人で座りただボーっと小川で泳いでる小さな魚がを見ていた。時々、太陽の光に当たり鱗が輝いている姿が美しかった


「………南朱嬢、俺が貴女の婚約候補を降りると何処から聞いたのですか?」


左に座っていた東鵺が南朱を挟んで右に座っている西雅さんの方を目を丸くしながら見た

その東鵺の顔が面白く くすりと笑ってから


()() っと言うことはお教えできませんが、私にとって信頼のおける人物からですわ」


西雅さんと東鵺の視線を感じながらも南朱は、小川を見ていたが次の言葉で彼の方を向いた


「あの、西崎 彩 という分家の令嬢ですか?」


何で彩が出てくるの?


「いいえ。彩とは卒業してから一切会ってませんわ それに、西雅さんは()()()()()()()()()()()()?」


感情が読めない表情を浮かべたまま


()()()()()()()()し、貴女の婚約候補を降りたつもりもありません。異国の地で無理矢理よって来る者も居りましたが、丁寧にお断りしています。ですので、誤解を解いて貰いませんか?」


まぁ、真相はお父様にでも聞けば良いことだし表面上は誤解が解けた事にしておきましょう


「そうでしたか。あらぬ誤解してしまい申し訳ございませんわ」


「いえ、こちらこそその様な噂がたつ火種を作ってしまったのでお互い様です」


次は東鵺が南朱の目の前に移動してくると


「心配かけたな。親父は、過労で倒れただけだった。今日は、大人しく母さんの側にいる」


「大事ではなくて良かったですわ」


東鵺は言い辛そうに言葉を濁しながら


「……あーその、あれだ。舞踏会の時は悪かった」


舞踏会?……………あぁ~あのウェールズ公爵のバカ息子の婚約者探しのパーティーの事ね。それで、東鵺は何を謝っているのかな


「あの、東鵺 貴方は何にたいして謝っているのですか?」


更に東鵺は困惑した顔になり


「だ、だから ……あのとき…お、お前の秘密を……暴こうとしてしまった事だ」


………そう言えば、何か私の事を話ていた様な?あの時、大雅の救出の事しか考えていなかったから冷たく突き放しきも


「いいえ、私の方こそ感情を押さえきれず冷たく突き放してしまい申し訳ございませんわ」


「あと南朱、今日の武芸出るのか?」


「えぇ、お母様は卒倒すると思いますがお父様からは許可を頂いていますもの」


「南朱嬢、出番順は分かりますか?」


「えぇ、もちろん入手しておきましたわ」


南朱は懐から一枚のトーナメント用紙をとりだした


「流石、南朱嬢ですね。情報収集が速くていつも助かります」


「いいえ、西雅さんの分析力のお陰で私も助かっていますので」


大雅VS北翔さん

その勝った方VS南朱

東鵺VS西雅さん

勝った方VS南朱


「それにしてもお前の出番多くないか?」


「習っているわけでもない武芸で最低2回も出場しなければならないとは、何か()()()()()()()()?」


南朱は首を横に振ってから


()()()トーナメントを仕組んだのは私で《・》()ないのです。私が、こちらに帰ってきたときには出来上がっていたのです」


「と言うことは、俺たち以外の誰かに仕組まれた と言うことですね」


「南朱、体力は持つのか?」


南朱にしては珍しく苦笑いを浮かべ


「大丈夫ですわ………と言いたいところですけど、正直ギリギリですわ。それに嫌な予感がするので、もしもの時は対応出来ませんわ」


「まぁ、今回は誰が勝手もいいからな!全力で打ち負かせてやる!西雅も南朱も覚悟しておけ」


西雅さんと南朱は意気込む東鵺を微笑ましく見つめた



会場となる広場に戻ると両親たちの宴会が始まっていた


あらら、これからこっちは武芸で争わなければならないと言うのに呑気な大人たちね


それを余所に武芸大会が開催された

剣道と言われていたが、ただの木刀での試合になっていた


腰を下し上段の構えをする大雅と北翔さん。大雅は開始の合図と共に駆け出し上から振り下ろす………と見せかけて北翔さんが受けに入った瞬間払いに変えた。それすら想定内のようで、北翔さんは危なげなく避け距離を置く


「流石に本気は出してもらえないか」


「……ふぅ。大雅君は、感情が出やすいみたいだね」


話ながらも剣を交える二人


「そうだよっ!だけどこれは、流石に分からないでしょっ!」


ジャストに梅の花びらが二人の間に降り注いだ。これを気に大雅は、北翔さんの背後に回り剣を下ろした


『カランカラン』


と木刀が落ちる音と共に梅風吹が止み勝者の姿を見せた


「勝者、慎玄武 北翔」


二人はもとの位置に戻り一礼し大雅と南朱が入れ替わる直前に


「母上から余力を残すようにと。姉さん、絶対勝って」


「了解よ」


お互いにハイタッチして交代した



「北翔さん、お手柔らかに」


「こちらこそ、お手柔らかに」


開始の合図がなったが、お互いにその場から動かず下段の構えでお互いに隙を伺っていた


「あら、北翔さん。珍しく利き手で持っていますわね」


「そう言う、南朱さんも利き手で持っているよ」


「可愛い弟に勝つように言われたのですわ」


「そう。じゃぁこっちも本気で行くよっ!」


行きなり八相の構えにし歩み寄ってきた


長期戦を行うつもりかしら?


南朱は目をつぶり相手の呼吸、足音・血液の流れまで聞き取り振り下ろされる剣を左ステップで避けはらう。も一度構え直し斜め下から上がってくる剣をいなし手首を狙う。……が避けられ剣に込めた体重分が多く体勢が崩れたそれを北翔さんは好奇とばかりに決着をつけに来た。


当たる直前に無理矢理受身を取り北翔さんの剣を避け、左に回り次の剣を受け右に一歩踏み出し後ろに下がる。まるで舞っているような可憐な姿で回りを魅了し、相手を翻弄させる。自分の手に落ちてきた瞬間剣を弾き落し、背後に回り両肩を押え首もとに木刀を当てた。これで終


「………しょ、勝者 朱雀大路 南朱」


南朱と北翔さんは、開始位置に戻り一礼した。


「あ~あ、今回こそ貰ったと思ったのに………これだけ鍛えても勝てないなんて、南朱さん強すぎ」


「ふふふ。今回は、さすがの私でも負けると思いましたわ」


西雅さん、東鵺と入れ替わると大雅が抱きついてきた


「姉さん!!さっきのどうやったのさ!?まるで踊っているように見えた。始めはあんなに北翔兄さんに押されていたと言うのに後半戦は姉さんの独擅場に見えたんだけど、僕にも教えてくれる!?」


南朱は呆れたように


「こら、抱きついてこないの。ここは、他の人もいるのだから離れなさい」


「…あっ。興奮し過ぎて忘れてた」


大雅は、大人しく離れ今度は西雅さんと東鵺の試合に興味が行ったようだった


二人の試合を見ていると北翔さんが


「……嫌な雲行きだ」


同じ様に空を見上げ


「……えぇ。それに纏わり着くような風まで吹いてきましたわ」


南朱は、腰をあげ


「少し、回りを見てきますので大雅とここにいる人たちをお願い致しますわ」


「……気をつけて」


微笑みを残して木々の間に消えていった


警備に当たっている人達の目に写らないようなところで



「新月・月光花(マーンリヒトブルーム)


南朱の前には誰もいなかったはずが、呼んだ瞬間 膝まづく

上下共に真っ黒な軽装で各袖の所に白にほんのうっすらと青が混じった『月白(げっぱく)』色をしている男性と同じ上下真っ黒の軽装で各袖の色が『青白磁(せいはくじ)』の男性がいた


「「はっ」」


いつも優しげな作り笑顔でもなく能面に近く上に立ち命令することになれている風格を醸し出していた


「嫌な予感がするのです月光花は、周囲の警戒を強めなさい。新月は、もしもの時に対応出来るように側にいるように」


「「諾。我主が申させるままに」」


「行きなさい」


「御前失礼します」


一人が姿を消すともう一人が膝まづいたまま


「お嬢」


「何かしら?」


「参加されるのですか」


「そうね、必要とあらば………でも、正直ギリギリになるでしょうから頼んだわ」


「諾」



周囲を歩いて戻ってくると丁度西雅さんと東鵺の試合が終わったところだった


「勝者、白虎鳶寺 西雅

昼食をはさみ14時から決勝戦を開始します。白虎鳶寺 西雅 様 朱雀大路 南朱 様は13時50分にはこちらへ戻ってきてください」


梅の木の下でお花見を始めたとき()()()()()()()()()()が側に現れ、南朱の耳元で


『月光花から連絡 敵侵入確認何びきか通らせてしまったと』


南朱は、扇子開け新月と南朱のみが分かる言葉で


『分かった。あれは何処に有るのかしら?』


『ここです』


朱の柄に黒の鞘に納められた双剣を受け取ったそれをコートの中に隠すと頷き


大雅達を残し新月と南朱は、敵の進行具合を聞き出し駐車場へ駆けた。彼はいつもの黒服・袖には月白の服装に戻し彼女は純白のドレス姿に『青白磁』と『月白』の二重線を引いている服装に着替え小川方面へ向かった


ここなら彼らに見られなくてすむよね?

さてさて、彼らが逃してしまった敵はどんなものかな


辺りを見渡し襲撃されても対抗できる位置で、皆に見られない場所を陣取った


『来ます』


『了解よ』


次々小川を挟んで現れる敵を不適に微笑み


「1・2・3…………合計でざっと12と言うところかしら?」


木から下りてきた新月が


「悠長に構えないでください。俺のやる気が削がれます」


「だって、予想より少く思ってしまったのよ。この量なら貴方に任せて、昼食でも頂いてこようかしら?」


「………高みの見物でもなされますか?」


「う~ん、そうね『ピーーー』はぁ、西の方も侵入されたようね。 あの笛の音なら4・5人でしょうし 、新月行ってきなさい」


「了解~」


新月がそばを離れて暫くしてから林の中から出てきたボロボロの紺色の上下に目もと以外は布で隠されている


まるで、時代劇に出てくる暗殺を企み決行している人か忍の落ちこぼれの様に見えるわね


「そこの小娘、お前は大4家の朱雀大路 南朱 か?」


………丁寧に訊いてくる奴が居るのは驚きね それに、大4家の花の会に来ておいて他の人が紛れて入ってこれるとでも思っているの?答える必要もなさそうね


「はぁー処理させてもらいますわ」


「処理だと?ヒラヒラレースのドレスを着飾った小娘ごときが、俺らに勝てるとでも」


彼らは嘲笑いながら小川を渡って彼女を囲った


「………」


南朱は、目をつぶり相手の呼吸、足音、血流、心情まで適切に読取りすべての動きが見るよりもよく分かった


1が動いて殺れば終るが反撃を食らわすと7・2が同時に動く その次は6・3・11が時間差で動くと。丁度円上に並んでいるのなら一気に仕留めた方が楽よね


12の位置に立っている大将らしき人から順に12、6、1、7、2、8、3、9、4、10、5、11の位置に居るものを鮮やかな花を咲かすように双剣で急所を確実に貫いていった


ふぅー 惨めな者達ですこと 手を出さなければ殺られることもなく過ごせたでしょうに痛みや恐怖を感じないうちに終わらせることが唯一の恩情ですわ


5・6分ほどして新月が戻ってきた


「相変わらず真赤ね」


「12人を一人で殺った人が何で純白のままなんですか!?」


こて っと首をかしげ


「双剣だからスピード勝負しただけよ。それよりも 外の警備係達は大丈夫だったかしら?」


「皆無事だ。さっき大4家に知らせに走ってたぞ」


「と言うことは、梅の花茶会は終了ね。新月、月光花に労いの言葉と誰の差し金か調べるように指示を出してきて それが終わり次第私たちは、自宅に戻り彼らの身元確認を行うわよ」


「…………了解」



広場に戻るとやはり、茶会は終了ということになり自宅に戻ることになった。大雅は、お母様やお父様の側にいき 西雅さんと北翔さん、東鵺は何か訊きたそうな視線を送ってきたが 無視を突き通した結果 行きと同じ………ではなく車内には視線を送ってきた彼らが


『もしもの事があってはいけないから』

『お前が狙われてる可能性があるからな』

『一人で、帰らすのは紳士の嗜みに………』


と訳の分からない事を言い出し南朱のリムジンに乗り込まれたのだった


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