乱入!?
そして翌日進学先の高校を書いたプリントを職員室に出し2年半かけて仲良くなった友達とおしゃべりをしていた
「ねぇ?南朱はどこに進学するの?」
ショートヘアで長身の彩が切り出した
「私は、四峰神学園に入学することになったよ。」
「うそ!」「えっ!?」
と彩は驚きのあまり立上がり未来は、口元を手で隠しながら目をおもいっきり開けてた。私は苦笑いをしながら
「そう言う彩と未来はどこに進学するの?」
「うちは、このまま進学するよ。」
「エレベーター方式だからそれが普通だよね。未来は?」
「私は、海外に留学することになったの。」
背が低めの緩やかなカールのかかった未来がそう言った。
「えっ!それじゃ皆バラバラだね。」
「そう言えば、未来も南朱も二人ともお嬢様だったんだね。すっかり忘れてたよ。」
「南朱は、本格的なお嬢様だけど…私の家はただの平凡な家庭です!」
「未来も十分なお嬢様だよ。」
「いやいや。うちから見たら未来も南朱も十分お嬢様だし……。」
と話していたらいきなり回りが騒がしくなってきた。
「キャ!あの人超格好いい!!」
「何で男子が女子中に?」
「みたみた!?黒い高級車から降りてきてたよ!」
「みたみた!運転手つきで、きっとお金持ちの坊ちゃんよ絶対!!」
彩と未来・私は空いている窓からその人物を一目見ることにした。
なぜかしら?この胸騒ぎとても嫌な予感がしてきますわ。心が早く逃げて と言っている気がしますわ。
好奇心に負けそっとその人物を3階の教室から覗くと___。
漆黒の髪に吸い込ませそうなほどの深い黒目。とても凛々しく堂々としている。
その人と目があった瞬間頭が鈍器で殴られた感じがしたとたんまるで、パラパラ漫画のように画像が流れ込んできた。
ベッドで漫画を読んでいる少女に迫る黒い影。少女は間一髪で気づき3階の窓から飛び降りたが着地がて……………。
その少女が、読んでいた漫画に『四峰神学園』や『青龍寺 東鵺』『朱雀大路 南朱』の名前が書かれていた。
嘘でしょ!これって本当のことなの?私前世持ち?転生者ってこと?
「………け。……あけ!南朱!」
「…彩?未来?」
「そうです。どうしたのですか?いきなり座り込んでしまって。」
こんなこと言えないよね。
私はお得意の感情を隠しながら
「ううん。大丈夫だよ彩・未来。心配かけてごめんなさい。少し目眩がしたのでももう大丈夫よ。」
「そう?それなら良いんだけどね。」
二人ともこれ以上追求してこなかった。
そして程なくして担任の先生が入ってきた
珍しく緊張しておられるわね。何かあったのかしら?それとも先ほどの人が何かしら関わりがあるのかしら?
「み 皆さん。この女子中学に、とあるお方が視察にこられています。く くれぐれも粗相がないように。くれぐれも粗相がないようにお願いしますね。それでは、紹介します。どうぞお入りください。」
今、繰り返したよね?
入ってきた人物に回りから黄色い声が一斉に上がった。担任の先生は顔を青くしながら端の方に立っていた。先生の立っている場所を確認しながらラノベを読んでいたら
「皆様、初めまして。」
声を聞いてから初めて顔をあげた
冗談ではないわ!何で彼がこの中学に!?彼は四峰神学園の中等部に通っているはずなのに嘘でしょう!
「いきないこの事で驚かえれていると思います。私は、《青龍寺 東鵺》と申します。本日から皆さんが卒業される残り2週間程こちらでお世話になります。よろしくお願いします。」
彼の挨拶に拍手が響くように鳴り響く中体温が一気に下がり生きた心地がしなかった。
目が再びあった瞬間ウインクさせた。
更に黄色い悲鳴は大きくなった。
「み 皆さん。お静かに!お静かにお願いします。何方か青龍寺様をご案内してくれる人はいるか?」
私と未来・彩以外の全員が手を上げた。
一人の生徒が立ち上がり
「私が、ご案内います。このクラスの代議員で委員長を務めておりますのでそれが筋だと思います。」
先生が汗を拭きながら
「で では、山………」「朱雀大路さん。お願いできますか?」
先生の話を遮り東鵺が私を指名した。
彼女に睨まれたがそれどころではなかった。震えや恐怖を表に出さないようにしながら立上がり
「申し訳ございません。私は、あまり分かりませんの。ですので私では役得不足だと存じ上げますわ。」
あまりの驚きで学校での言葉遣いではなく、普段のお嬢様言葉に戻っていたのに気づいたが後の祭りだった。
友達を除いて全員が驚愕の表情をしていた。右横に座っている彩は頭を抑え
「あちゃー」
といっていた。
東鵺は悪巧みをしている表情を浮かべ私のそばに来ると
「これはこれは、お久しぶりですね。朱雀大路 南朱様。この様な所でお会いできて光栄の極みでございます。」
と言って片膝をつき私の右手をとりその指先にキスをした。まるで騎士の誓いのように。
クラス中と他クラスから覗きに来ていた生徒・女性教師からも黄色い悲鳴が上った。
公の場と同じ様に感情を隠し、恐怖や震え・怒り 全てを愛想笑いに変え手で制服のスカート軽く持ち上げ膝を少し折りながら綺麗な挨拶をした。
「本当にお久しぶりですわね。青龍寺 東鵺様。まさかこの様な淑女のみが集い学ぶ場にお足をお運びになられるとは、とても驚きましたわ。」
東鵺は眉間に皺をよせた。
ヒィっ!こわい怖い恐い。でも堪えるのよ私。大丈夫大丈夫大丈夫。
と自分に言い聞かせながら彼の次の言葉を待った。
「ただ、事業改革にここが選ばれただけです。なにぶんそれなりの財力を持って居られる方がどの様な場所でお過ごしなのかを確認するようにと仰せつかりましただけですので。」
うわ~嫌みだ!貴方が恐いからこの学校に来たなんて言えないよね
「そうなのですね。しかし青龍寺様。貴方様もご学校に通わなくてもよろしいのですかしら?確かあちらもまだ終っていなかったと存じておりますが、この様なところにおられても大丈夫なのですか?」
彼は不適笑みを浮かべ今までの紳士さがなくなり
「これは校外学習の一環として俺は来てる。だから、欠席もつかない。南朱、お前が案ずることなどない。」
今度は別の意味でざわざわし始めた
「あら?公での言葉遣いはお止めになれるのですか?青龍寺様。」
今度は眉を寄せ
「お前がその話し方で俺を呼ぶのはやめろ寒気がする。大体何故 四峰神学園 中等部に入らなかった!そのおかげで俺がここまで足を運んでやったというのに目が合えば、剃らすわ隠れるわなんなんだよ。」
「あれは、隠れた訳ではありませんわ。目眩がしたので座っただけです。先程のは、剃らしたのではなく驚いてしまっただけですわ。」
「はぁーもういい分かった。それよりお嬢様言葉やめてくれないか?今までの様にしてくれ。」
視界の端で先生方がおろおろしているのが見えた。
「分かりましたわ 東鵺。話は学校が終わってからしてくれる?流石にこれ以上卒業論文の書く時間を無駄にしてはいけないわ。」
東鵺は渋しぶ承諾してくれた
授業が始まるなり
何処からか運ばれてきたクッション性の良い椅子に座り
「南朱は書き終わったのか?その 卒業論文とやらは。」
「?えぇ。提出も終わってますが?」
「それなら、この学校にいる必要がないだろう?俺の通ってる学校に行くぞ!」
「いや!ちょっと待って東鵺。こっちは、出席単位も有るしいきなり出てしまったら欠席になってしまうわ。」
「…そうだった。」
どうにか説得することができた。
勿論 東鵺の案内役は私がするように言われた。
東鵺によって、私は、罠にはめられたのであった。