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襲撃

東鵺が碧色のタキシードで、北翔さんは黒のタキシード姿で現れた。


「お二人ともお似合いですわ。青龍の模様が入っている東鵺のブローチに、玄武が透かしで入っている北翔さんのブローチ。より一層2人を引き立たてていますわ。」


「南朱。その赤のドレス似合ってるぞ。」


「南朱さんも、スカーレット色のAラインフェミニンのドレスと黒レースのボレロに3連のパール。とても似合っているよ。」


えっ、そうなの?この色ただの赤色では、無かったの?それにしても北翔さんは、詳しいわね。


「お二人ともありがとうございます。」


社交辞令が終わり、今回の主催者についての確認を始めた。


「婆や、出席する舞踏会は誰が主催者なのかしら?」


婆やは、鞄からファイルを取り出し


「主催者は、アレサンドロ・ラジェル・ダウク・ウェールズ 公爵様。開催目的は、各国の大企業と親睦を深める事です。しかし本当の目的は、ウェールズ公爵様の息子の婚約者探しだと思われます。」


ウェールズ公爵と言えば、おもちゃブランドの大企業だよね。その息子って言ったらあの


「……アドリフ……。」


ぽつりと呟いた名前に3人の視線を浴び、婆やが驚いたように


「お嬢様、よくご存じでしたね。」


南朱は、嫌そうに


「……えぇ。大手おもちゃ企業で、ウェールズ家のアドリフ っていったら大勢の女性を侍られている男よね。」


「その通りでございます。」


待って!なにか嫌な予感がする。まさかね、そんなはずないわよね。


嫌な予感を払拭するため


「婆や。東鵺と北翔さん、そして私の招待状を見せてもらえるかしら?」


東鵺と北翔さんは、疑問を浮かべていたが南朱は説明する余裕が無かった。


「こちらでございます。」


お願い!この予感は外れて。


南朱は、恐る恐る中身を確認した。


「………」


南朱は、机にうつ伏せになった。


「おい!南朱どうした!?」


「ぅう。」


「南朱さん確認してもいい?」


「……どうぞ。」


北翔さんが確認すると、それを東鵺に渡した。


「何だ?」


「この3通を見比べたら分かるよ。」


北翔さんは、肘掛けに肘をつき頭を押さえた。


「はぁっ!どう言うことだ!?南朱だけ自筆が違う。」


「それだけならまだましだよ。この手紙を書いたのは、ウェールズ公爵出はなく彼の息子 アドリフ の直筆だと思う。」


嫌だ~何で嫌な予感ばかり当たってしまうのよ!!


「つまり」


北翔さんの言葉を遮るように


「彼が婚約者候補として、私を呼び出したのよ。」


「だが!お前は、おれたちの婚約候補だろう!」


南朱は、嫌そうに


「だから、『混ぜろ』って言ってきているのよ!どうして、よりにもよって逆ハーを狙っている奴に侍らなければ行けないのよ!」


3人が例外なしに驚き絶句しているなかに丁度運悪く、新多が戻ってきた。


「南朱お嬢様。買って参りましたよ~っと」


車内の妙な空気を感じ、荷物をしたに下ろし


「あれ?どうしたんですか、皆さんお嬢様の方を向いて固まっちゃって。」


「しん……じゃなくて。良いところに帰ってきたわ。新多!貴方に仕事を与えるわ。」


「なんかとても嫌な予感がするのですけど……断っても良いですか?」


南朱が微笑むが目が笑ってなかった


「そんなことはないわよ。ただこのリストに乗っている、バ こほん。令嬢とウェールズ公爵・その息子の弱 じゃなくて、調べてきて欲しいのよ。1時間以内にね。私達は、本日泊まる別荘にいるからよろしくね。」


「ちょっと!流石にそれはキツイって!!」


「それぐらい出来るわよね?」


「は はい。」


新多が圧に負けて再び車から降り、車が発進した。


北翔さんは、南朱と新多の会話の途中で硬直が溶け優雅に本を読んでいた。最後まで硬直していた東鵺が


「お お前、性格変わってないか?」


南朱は、婆やに新多が買ってきた物を片付けるように頼んでから


「そんなことないですわ。それより今夜、カジノに行きませんか?」


「夜にカジノですか?」


「えぇ。一度夜に行ってみたかったのよ。」


「しかし、ここの近くにカジノなんかありませんよね。」


「いいえ。会員制のカジノが夜に行われるのですよ。」


「まさか!南朱、そのカジノの会員になっているのか!?どうしたら会員になれるか分からない会員にか!?」


南朱は、不敵に微笑み


「えぇ。ちょつしたつてがあってね、会員になれたのよ。会員は5人まで一緒に入ることができるのよ。だから行かない?」


東鵺は躊躇いながら


「俺たち、そんな大金持ってきてないぞ。それに親の金を使えるわけがねぇよ。」


北翔さんも少し考えてから


「確かに魅力的な誘いだけど、今回はやめておく。」


「分かったわ。よく考えてみれば、そうよね。」


ホッコリした空気になったとたん


『ドカーン』


と音がしたかと思いきや次は銃声と悲鳴が聞こえた。


待って!ここは安全地域のはずよ。それなのに何故銃声が聞こえるの。


「皆様、伏せてください。」


婆やの指示で床に伏せ運転手が


「強行突破します。ご注意ください。」


と言うアナウンスが聞こえた。


その間も銃弾は、防御ガラスにぶつかり少しずつひびが入り始めた。


ヤバイ!どうすれば!!


焦り始めたとき北翔さんが何処からか拳銃を取り出した。


…………っは?何でそんなもの持っているわけ?えっ?北翔さんって拳銃習ってたっけ。そんな設定有ったっけ?


北翔さんは壊れた窓から拳銃を撃った。


えっ?嘘!!なんで?


戸惑い東鵺に視線をやると悔しそうな表情をしていた。


「ね、ねぇ東鵺?北翔さんって拳銃の扱いなんで知っているの?」


「南朱知らなかったのか?彼奴、天才だぞ。なんでも完璧にこなす、そのぶんいつも怠けてる不利をしている。」


「う 嘘!?」


「北翔は、完璧に慎玄武家の血を継いでいる」


ついに南朱は、現実逃避をすることにした。


大雅何処に居るんだろうな~集まりまでに帰れるかな?



そうこうしているうちに、別荘につきいつの間にか南朱は自分の部屋で寛いでいた。


現実に引き戻したのは


南朱の肩に誰が触れた時だった。


南朱は、相手の手を掴みそのまま投げ飛ばした。


「うわっ!」


『ドタン』


そして拘束しようと顔を見た瞬間


「……えっ!新月?ごめんなさい!完全に気づかなかったわ。」


新月は背中を擦りながら床に座ると


「らしくないな南朱嬢。いつもなら、俺に気づくはずなのに気づかない。そんなにショックだったのか?」


苦笑いを浮かべながら


「ショックって言うよりも、彼のことをなにも知らなかったんだと思うと…ね。」


「こっそりやられてたことに気づけねぇのは、仕方ねぇだろう。」


「……そうですよね。でも納得行かないって言うかね。」


「次は、返り討ちにすればいいだろう!」


「…そうよね。ってえっ!?新月何の話をしてるのよ」


「はあ?お前らを襲った奴等についてだろう?お前こそ、誰の話をしているんだ?」


「なんで襲われた事知っているのよ!?それに私は、北翔さんの事について話していたつもりなのだけど」


妙に噛み合っていないことに今更気がついた二人だった。


「それより、どうだったのかしら?」


「奴に侍っている女性たちは、何かしら弱味を握られていた。そして、真実は確かめられてねぇがハッキングしたのは彼奴の可能性が高い。」


「………そう。舞踏会は、勝負の幕開けってことね。」


南朱は、密かに気を引き閉めた。

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