大雅の居場所
30分だけ睡眠をとり、身支度をし始めた。
こんなストーリなんて無かったはず。それに、大雅がヒロインと出会うのは 中等部2年の春だったはず。異分子である私がいるせいだと思うけど、私は、見届けたいだけなのに!
備え付けのキッチンで料理をしながら
はぁ~私は、どこに行っても仕事をしないけないの?私は、まだ中学を卒業したところなのに!
テーブルに出来た食事を置き食べようとしていたら廊下から
「南朱!行くぞ!」
「東鵺、南朱さんが寝てから一時間も経ってないから。それに……声うるさいから。」
はぁ~いい加減にしてよ。ご飯ぐらい食べさせてよ
南朱は、扉を開け
「今、食事中なの。もう少し待っててくれるかしら?」
「………悪かった。」
「……ふぁ~。だから言ったでしょう。押し掛けてごめん。」
「いいえ。お気になさらず。どうぞお入りください。」
南朱は、二人を招き入れた
「邪魔するぞ。」「失礼します。」
二人の前に紅茶を置き、食事も提供した
「なっ!!」「……」
椅子に座ってから
「お二人ともお食事を取られていないかと思ったのですが……違いましたか?」
「あぁ。俺たちは車内で食べる手はずだったからな。」
「戴いてもいいですか?南朱さん」
「ええ。どうぞお召し上がりくださいな。」
こうして久々に3人での食事を楽しんだ。
さてと洗い物は、帰ってからやるとしてどう誤魔化すかだよね。『esperanza』に行ってからお父様と情報交換。それからね。
南朱は、寝室で白いスーツに着替え二人のもとへ行った
「お前、どこへ行くつもりだ?」
うわ~やっぱり東鵺は怒るよね
「南朱さん。先に、事後処理へ向かわれるのですか?」
うぅ~そんな冷たい目で見ないでよ!大雅の事は、すでに頼んであるからあまりに騒ぎにしたくないんだけど。それに、前世が仕事が優先だったから癖なんです!
「えぇ。大雅の事は、お父様に任せているわ。先に後処理をしてから加わるように言われたわ(嘘です。連絡すらまだ取っていません)」
「……確かにその方が良いだろうな。」
「そうですね。では、早速『esperanza』に参りましょう。」
東鵺と北翔さんに挟まれながらリムジンで向かった。
正面玄関口は、マスコミだらけで入ることもままならないため裏口へ向かうと一人の人物が立っていた
「止めて下さい。」
ドライバーに伝えるとすんなりと止めてくれた。
「おい、南朱どこに行くつもりだ?」
「ごめんなさい。先に行くわ 東鵺と北翔さんは、ゆっくりとしててくださいね。」
「まてって!」
東鵺の静止の声を無視し裏口付近で立っている人物に声をかけた。
「お疲れ様ですわ。」
「いいえ。こちらが招いた結果です。」
裏口から入り目的地まで情報交換が始まった
「まぁそれはどうでも良いけど、情報が流れるのが速すぎないかしら?」
「……ライバル社の者が一人紛れ込んでいました。」
「そう。その方は?」
「昨日行方を眩ました。その後探しても見つかりませんでした。」
「……私が確認する書類はどれくらい有るかしら?」
「18束です。」
「その書類は持って帰るわ。」
南朱は、社長室に入るなりパソコンを起動させ全機能の停止。そこから復元と相手が送ってきたウイルスを暗号化。そして解読と強化を行いダミー意外で流れた情報がないかを確認した。
………良かった。まだ第3までは行ってなかったようね。
南朱はこの作業を1時間と21分で終わらせた。
さてと、書類も貰ったことだし車内に戻りましょう。
「平井社長。いつも通り皆さんには出勤してもらって。マスコミは、こちらで排除しておくわ。くれぐれも気を付けるように、厳重注意よ。」
「…申し訳ありません。南朱様。今後この様な事が起きないように全力を尽くします。」
「えぇ。そうしてくださいね。」
南朱は、社長室から出て個室の休憩室に向かった。
「それで、何か分かったかしら?」
誰もいない空間から
「大雅坊っちゃんの居場所が分かりました。」
南朱は振り向かず紅茶を飲み
「それで、どこだったのかしら?」
「アイランド社会主義国 です。」
「また、遠いところね。それで月光花は、何て言ってたかしら?」
「4日ほど有れば連れ戻せるそうです。」
「………4日ね。」
「3日後にある大4家の集まりに間に合いませんね。」
「……そうね。」
どうしましょう。このままでは全国に跡継ぎ失踪または、誘拐 が知れ渡ってしまうわ。
「それにお嬢様の婚約者候補を3名に絞るそうですよ。」
どうすれば、時間内に連れて帰れるかしら?
「………そうね。って2名じゃなくて3名なの!?」
そんな話聞いてない!何で?
「そうですよ。」
西雅さんは、婚約者が出来たから2年前に下りているはずよね?
「でも、西雅さんは婚約者がいるはずよ。それで、下りたはず。」
「それは、私にも分かりません。」
また厄介なことになりそう。
「………なんだかとても疲れたわ。」
「では、抱き抱えて実家まで送りましょうか?」
どうしてこんなに彼はチャラいのよ!?
「しなくていいから!」
「………そう。おっしゃらずに。ね 南朱嬢」
そんな小犬のような目で見ないでよ!
「……大丈夫よ!それに彼らを待たせているわ。貴方はマスコミの処理と月光花に『3日後には必ず連れ戻せ』と伝えて。」
「相変わらず無茶をおっしゃいますね。」
「仕方ないでしょう?これ以上失態を重ねるわけには行かないわ。」
「では、確実を求めるなら私にご命令を」
毎回毎回私がピンチになれば、膝をつき右手の甲を差し出す。本当に嫌になっちゃうわ。
「……はぁ~。今回は、貴方に任すわ。月光花と大雅を頼んだわ。」
南朱は、彼の方に振り向き
「命令よ。大雅を月光花と共に取り戻してきなさい。大4家が集まるまでにね。」
南朱は彼の右手を軽く持ち上げ手の甲にキスをした。
「仰せのままに我が主。」
あぁ~この憎たらしい笑!いつ見ても腹立つわ
「早く行きなさい。」
「分かりましたよ。南朱様。」
「ふん!」
南朱が個室から外に出ると先程の気配が完全に消えた。
「本当、優秀過ぎて嫌になるわ」
誰もいない空間に南朱の声だけが響いた
◇◇◇◇◇
車内に戻った南朱は、東鵺がしつこく聞くので
「書類と強化してきただけですわ。」
「それだけのはずがない!お前から別の臭いがする。」
ねぇ。彼は犬なの?
「平井社長と会ってたからその香りが移ったのかも知れないわね。」
「いいや。そいつの臭いじゃあねぇ。」
あぁ。やっぱり犬なのね
「……東鵺。女性に失礼だろう。」
「……悪かった。」
あら?北翔さんが言ったら大人しくなるんだ。しつけられてるわね。
「東鵺も、悪気があった訳じゃ無いから。」
「えぇ。分かっていますわ。」
と言うことで、実家に向い始めた。




