一難去ってまた一難
南朱は、コールを繰り返しながらPCタブレットで現状を把握した。
いきなり倒産の危機になった理由が分かったわ。よりにも寄って機密文章をハッキングされ漏洩したら、信用はがた落ちね。後40%を食い止めなければ。
南朱は、PCタブレットを持ち大型モニターや複数のパソコンを使い『esperanza』《エスベランサ》に侵入してくるウィルスをそししながら復元と強化。そして、追跡を始めた。
スマホを持っている余裕もないためマイクつきイヤホンを着け、常にかけ直していた。
『はい。esperanza でございます。』
「平井社長に変わってくれる?」
『いま、平井は会議に出ているため変わることが出来ません。後程掛け直すように伝えておきますので、お名前をお教え下さい。』
「朱雀大路 南朱 です。対応を教えますので今すぐに変わってもらえる?」
『はっはい。ただいま。』
中々退いてくれないわね。暗号を直ぐに変換してくるわ。これでは、攻防戦が終わらないわ。
『申し訳ございません。朱雀大路様。この様な「今は、謝罪など要りません。」はい。』
「今から言うグループ以外全てコピーして電源を落としなさい。ハッキング対策科ラーナラピート だけで手伝いなさい。」
『はい。畏まりました』
「そして、けして深追いをしないように伝えて。それと今日は、終わり次第気をつけて帰りなさい。夜間は、こちらで見張ってるわ。何かあれば直ぐに掛けなさい。」
『わかりました。失礼します。』
さてとここからよ。例え偽の情報を60%先に入れていてもそれに気づかれては、情報を流した意味がないわ。腕の見せ所ね。
猛スピードで流れる数字や英語・暗号 を頭で整理し瞬時に打ち変えていく。
気の抜けない追い掛けっこが終了を向かえたのが深夜3時。
…………これでは、分からないわね。仕掛けようにも仕掛けられない。
示された場所は、アフリカ大陸 だった。
後もう少しで国までわかったって言うのに!
南朱は、暗号複式と強化をはかり誰もいないことを確認した。
そして、誰もいない所に向かって
「首謀者を見付け出してきなさい。」
真っ黒の服装をした彼らは南朱の影である月光。 別名「月光花」
「諾。」
そう言うと また、誰もいなくなった。
南朱は警報が鳴るように設定し浴槽に持っていける防水性PCタブレットを準備し浴槽に浸かった。
体を清め終わると牛乳ではなく、コーヒを飲み再び席についた。
その日は、再び襲撃が起こらず夜が明けていった。
南朱はふと思った。
私は、何をやっているんだろう?漫画の続が見たかったのにバリバリ仕事をしてどうするのよ!?前世と変わらないじゃない!
南朱は布団に潜り3時間ほどの睡眠を取ることにした。
◇◇◇◇◇
南朱が寝てから1時間後、静まり反った廊下に二人の男性が立っていた。
「おい。良いのか?入っても。」
「……なんのために作った鍵でだと思ってるの?」
「…流石にあいつでも疲れはてているだろう?それに寝ていたらどうする?」
「………それなら戻る?それでも良いけど。」
「………」
「……眠い。入るなら早くして。」
「……そうだな。入るぞ!」
合鍵を持っていた男性が鍵を開け、ノブを回し開けたとき後ろにいた眠そうな男性が
「伝えるの忘れてたけど「ぐはっ」……遅かった。」
扉を開けた男性の顔に回し蹴りが入った。
「起こしてごめん。」
◇◇◇◇◇
南朱は、廊下に人の気配を感じた。
ふぁ~眠い。あれから1時間しか寝てないのにその邪魔をしに来るなんて、非常識よ。絶対に懲らしめてやるんですからね。
ズボンを履き扉が開いたとたんに回し蹴りを見事に決めた。
「ぐはっ」
?聞き覚えのある声ね。
「起こしてごめん。」
この声って!?
「北翔様?」
「ふぁ~眠い。そうだよ。南朱さん。」
南朱は顔を青ざめながら
「さ 先程の声は……まさか東鵺?」
恐る恐る完全に伸びた東鵺をみた。
「わ 私は、何て事を!北翔様。東鵺をソファに運ぶのを手伝って下さいませ。」
「分かったよ。」
二人で東鵺をソファに運ぶと濡れタオルとシーツを掛けた。
南朱はぱっと服を着替えうっすらメイクをして、主部屋に戻ってきた。北翔に紅茶とお茶請けをだした。
「今は、このような物しか有りませんがお召し上がりください。」
「ありがとう。南朱さん」
北翔は、一休憩してから背筋をただし
「朝早くに来てしまい申し訳ございません。南朱嬢。esperanzaの倒産危機だと知り、東鵺と私が南朱嬢の手伝いになれればと思いできる限りは防ぎましたが防ぎきれませんでした。」
寝ていたはずの東鵺が
「申し訳なかった。俺が気づくのに遅れたせいだ。」
「いいえ。ご協力ありがとうございます。北翔様・東鵺様。私が気付いたとき40%のデーターが、無事に残っていたのはお二方の協力あって守れたもの。どうか、謝らないで下さいませ。」
南朱は東鵺の分の紅茶を淹れ
「それに、今回の事は私が招いた失体です。わざわざつけ入る隙を作ってしまったのですからね。」
と自嘲した。
「さてと、この話は終わりにして本当はどの様な用件で来たのかしら?」
二人の暗い表情で嫌な予感がした
「大雅が、誘拐されたかもしれない。」
声を荒げそうになるのを堪えながら
「東鵺、それはいつ頃の事ですか?」
「確か、2時過ぎだと思う。」
引き継ぐように北翔が
「南朱さんが、帰ってくると思い いつもより多くの使用人が起きていたらしいよ。見回りをしていた従者が大雅の部屋から音がした。と証言していたよ。そして中に入ると寝室のカーテンと窓が開いていた。」
「そして大雅の姿が消えていたらしいです。」
南朱は崩れ落ちそうな体に鞭を打ち堪えた。
「それで、追跡はどうなっていますか?」
「それが、全くの手がかりが浮かび上がってこないんだよ。」
「東鵺の方もお手上げですか?」
「悪い。どれだけ手配してもルートすら掴めてねぇ。」
「そうですか。」
一息ついてから
「お二人は、自室にお戻りください。1時間後他の方々へ協力依頼をしてきますわ。」
東鵺と北翔も顔を真っ青にし
「それは、駄目だ!」「危険ですよ。」
「大丈夫ですよ。切り札も用意してありますから。」
言葉を挟まれないように
「さぁ、お戻りくださいね。私は、一寝入りさせてもらいますわ。」
そう言って二人を追い出した。ベッドに潜るなり
一難去ってまた一難ですか。
荒れ狂う感情を抑え
「神月。」
「はい。何でしょうか?南朱嬢様。」
何処からか白のタキシードを着た南朱より2・3歳上の男性が表れた。
「私の弟である大雅を見つけ出して頂戴。そして首謀者を私の前に連れてきなさい。」
「その他の者はどういたしますか?」
「私が知っているものなら捕縛。知らない者は好きにすればいいわ。」
「了解しました。」
南朱は何事も無かったように布団に入り寝始めた。
男性は、南朱が寝たのを確認すると夜明の光に姿を眩ました。
いったい 神月 とは何者だったんでしょうか?




