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誘拐先は私の自室がある場所の1階下!?

それから暫くして車が止まり


「着きましたよ。」


ファーリスが扉を開けルイスにエスコートされて降りると目の前にあるのは、南東にある高級ホテルだった。そこは、朱雀大路家等大4家が最上階を買い取っている所で、そこの4部屋を南朱・西雅・東鵺・北翔 が個人で稼いだお金で買っている場所だった。


「あの、ここですか?」


南朱は見上げるなり、うちポケットに入っている合鍵をこっそり外から握った。


「そうです。この国には何回か来ているので、その時に購入されました。」


「最上階の部屋は買えなかったけどな。」


当たり前でしょう!そもそも ここにビジネス用高級ホテルは、大4家が仕事で使うために作られたものなんだから。


南朱は、まるで始めてきたかのように


「うわ~私達が住んでいる地域では見られない高さね。この頃来ていなかったので、これほど高級感あふれる建物を間近に見たのはいつ以来かしら?」


ルイスは自慢げに


「まぁ 俺ほどになると、この程度の値段はいつものように使ってるな。」


「凄いですわ!ルイス様のお国には、この様な豪華なホテルがいくつも有るのですね。」


「まぁな。今度見に来るか?」


さらっと連れて行こうとするなんて、チャライのかしら?


「残念ながら ルイス様の自国 コーニング 国には参れませんわ。」


「今すぐに来い とは、言わない。夏休みで構わないから来てほしい。見せたい光景があるからな。」


「……時間が空きましたら、連休で行かせて貰いますわ。その代わり、何時になるかは私にも分かりませんのでそこは ご了承下さい。」


「構わない!お前が来てくれるのならな!」


ルイスは、南朱の手を引きながらズイズイ中へ入っていった。


何故そこまで喜ぶのでしょうか?


入り口前にいる警備の方もフロント係りも困惑していたが表情を瞬時に戻したのは流石といえる。


フロント係りからキーをもらったファーリスが申し訳なさそうに


「朱雀大路嬢。構わないのですか?」


「はい。構いませんわ。視野を広げる良い機会ですもの。」


ファーリスは、南朱しか分からない言語を使い


【お優しいですね。それに、貴女は彼の王位やお金目的でもない。それに、媚びることもない。私達にとっては、一番安心出来ます。】


【そう言って貰えるとは、光栄ですわ。私には候補者が大勢いるらしいので、お父様やお母様が選ばれた中から卒業までに決めなければいけませんからね。】


南朱は少し哀しそうな表情をしていたことに気づいていなかった。


【朱雀大路嬢は、強いんですね。逃げ出さずに、必死に前を向いて走り続けているのですね。】


【いいえ。振り返るのが怖いだけですわ。】


【自分の心に正直になった方が………。いいえ。何でもありません。そろそろ着きますよ。】


【?えぇ。分かりましたわ。】


いきなりルイスが立ち止まり危うく南朱はその背中にぶつかりかけた。


「何か有りましたか?」


《………だ!》


「?」


南朱は、こっそりルイスの背後から前を覗き硬直した。そのとき再び


《お前達は何者だ!》


《南朱を帰してくれませんか?ルイス・ファンテザ・シャルク王子様》


ファーリスはルイスを後ろに庇い


《お下がりください殿下・朱雀大路嬢》


よりにも寄ってこんな所にきているの!?

あれほど下がるように言ったのに、誰一人まともに話を聞いていなかったのかしら?


南朱は、彼等の前に出るなり


わたくしは、下がるように言いましたわよね?どうして貴殿方が居られるのでしょうか?ご説明願いますわ。白虎鳶寺様・お父様・優華様・慎玄武様。」


《なっ!》《そうでしたか。》


「南朱。誤解を説かせて欲しい。」


「お父様、誤解ですか?言い訳ではなくて?」


大4家の方々は視線を泳がし、南朱の後ろにいる二人は驚きから立ち直れていなかった。


「……誤解ですわ。私達は、ここで た・ま・た・ま 仕事の打ち合わせをしていたのですわ。そして、偶・然 この階で降りる方がいて止まってしまったのよ。そこで、南朱嬢を見つけただけよ。」


南朱は珍しく引き下がらずに


「そうでしたか。」


「そうよ!」


「では、その方はどちらの方へ行かれたのですか?」


「うらの外階段の方よ。」


「では、最後に訊きますわ。」


「何でも聞いてちょうだいな」


「その手にしている 私のGPS察知機を 何故お持ちなのですか?また、どの様な仕事内容でしたか?」


「………」


《おい!そんな事を教えて貰える訳がないだろう!》


【ファーリスさん。ルイス様を別のルートでお部屋まで連れていってくださいな。後程そちらに謝罪に伺わせて貰いますわ。】


【謝罪は要りません。その代わり、お茶をしてくださればそれで十分です。】


【感謝致します。】


《お前達さっきから何二人ではなしてんだ!》


《ささ殿下、お部屋に戻りましょう。朱雀大路嬢は後程 来られるそうなので。》


《おい!話を聞け!》


ファーリスに連れていかれるルイスを見送り


「答えられないのなら私が変わりにお答えしますわ。その、手元にもっているGPS察知機は私の行動を見張り車がここへ向かうのを察知したから。そして、仕事と言う名の情報管理をしていた。間違えありませんね。」


「……はぁ、南朱嬢は何処まで気づいているんだか。その通りだ。」


南朱は責めるような視線から真面目な表情に戻し


「それで何かありましたの?大4家が一人ずつ出て私を待っていたようですが。」


「別にそれほどの事では無いのよ。ただね………。」


「何か有ったのですね。優華様、何なりと仰ってください。今更どの様な事があっても、さほど驚く事は有りませんわ。」


「……南朱嬢は、平井 純 と言う少年を知っているか?」


慎玄武家 当主 水也 様 が言った言葉に南朱は暫く考え込んだ。


「聞き覚えはないかな?大雅君の同級生らしいんだ。」


白虎鳶寺様 の言葉で


「!! 思い出しましたわ。それでその方がどうされましたか?」


4人が顔を見合わせお父様が


「朱雀大路家の傘下に入ってる 今では大手貿易会社『esperanza』《エスベランサ》が倒産の危機に陥った。彼等の事は南朱に託したから、お前の意見が聞きたくてな。」


南朱はすぐさま仕事用のスマホを取りだし電話をかけた。コール中に最上階にある自室に駆け込みPCタブレットを起動させた。


もちろん南朱の周りには、お父様や白虎鳶寺様・優華様・慎玄武様 が紅茶を淹れソファで寛いでいた。



次回は、南朱が前世で身につけた技術を披露します!


恋愛話はもう少し先になりそうです(*ToT)

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