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誘拐!?

暫くしてランプが消え再び車が発進した。

しかしその運転は直哉にしては荒々しく、別の人物がしていることは一目瞭然だった。


直哉にしては、報告に来ないわね。それに彼はこんなに荒々しくしないわ。乗っ取られたのかしら?それじゃ奥の部屋に隠れていましょう。これが普通の令嬢なら慌てふためくでしょうけどね。


南朱は、先程の部屋のボタンを押し隠し部屋に入っていった。


朱雀大路家の車はからくり仕掛けで、逃げ道や隠れ場所、武器までほぼそろってある。良家ならば、何かしらの護身術1つ身につける。

しかし 南朱は 合気道・武術・少林寺拳法・薙刀 ・空手の5つを習得している。

弟の大雅は 剣道・空手 の2つを習得。


ちなみに 西雅は 剣道 北翔は 空手 東鵺は南朱に対抗しているのか 空手・柔道 の2つ


皆それぞれの少年少女部門で1位を取っている。また連日で行われた少年少女国際試合では、上位に君臨している。その為ゆとりを持って対処できる。


南朱はこっそりと折り畳みナイフを仕込ませ広々とした隠れスペースで、再び紅茶を机に置き課題をこなし始めた。


少し揺れがきついけど酔う程ではないわね。


課題が終わりスマホに電源をいれると73件のメールと21件の不在着信が入っていた。


現状報告に、バカンスの日程相談・・・後は、友達からのメールね。通知の方は……これまた、お父様・お母様・直哉・東鵺に北翔さんに それに西雅さん までも!誰からかければ良いのかしら?


その時丁度 東鵺から電話が掛かってきた。


『東鵺。どうしたのですか?』


『お前は大丈夫なのか!?何もされてないか!?』


『東鵺声が大きいです。』


『あぁ 悪い。』


『私は、何もされていませんよ。そんなに慌てて何かあったのですか?』


『先程、お前の執事 兼 運転手 の直哉から連絡あってお前を乗せた車をとられた と 連絡があった。』


『そう言う事だったのですね。私は、大丈夫ですよ。直哉は大丈夫でしたか?』



『どうにかな。命に別状はないそうだ。』


南朱の心の中に沸々と怒りのマグマが押し上げてきた


『そうでしたか。それは良かったです。』


私の大切な家族にここまでしたのだから、ただではすみませんよ。


『お前のGPSを送ってくれ。』


『分かりましたわ。その代わりお願いがあるのです。』


願いを伝えると渋々東鵺は了承した。

南朱はGPSを送る為通話を切り隠し部屋から、後部座席に戻り寝たふりをした。


◇◇◇◇◇


そのうち本格的に寝ていたらしくブレーキで目が覚めた。


本当に寝てしまうなんて、よっぽど疲れてたんだわ。


丁度扉が開1人の男性が入ってきた


《見つけましたよ。何も知らずにお眠りになられています。》


《その令嬢を丁寧にこちらの車に移せ。》


《諾。》


声的に始めの声の人が40代で 次の声の人は、私と同年代かしら?それに この言語は東の国ね。


始めの人に抱えられ日の当たる外に連れ出された

南朱は声の方を向き少し目をあけ確認するとやはり、40代前後の男性と南朱とそんなに変わらない男性がいた。


それにここは、『東町』 彼の指定した場所ね。と言うことは、この方が隣国の王子。外見も言葉もそっくりね。


王子の車に乗せられた南朱は寝返りをうち、少しでも情報が聞き取れるようにした。


《…………殿下。この者が本当に 朱雀大路 南朱 様なのでしょうか?》


《事前に調べたのだから、間違いないだろう。》


《しかし、武術に心得の有るものなら気配で察知するはずです。》


《……疲れで気づいていない可能性もある。それに、もし気づいていたなら次の行動に移してたはずだ。》


《確かにそうですが、何か引っ掛かってるのです。》


《あの日以降 一度も国際試合に出てなかったんだ。鈍っても仕方あるまい。》


《…………。そうですね。では、話を変えましょう。》



どうして7歳の頃に出場した国際試合の事を知っているの?あれは、放送もされなければ新聞にも掲載されない様に 根回しをされた試合だったのよ!観客すら出場者の家族以外立ち入り禁止だったのよ。

調べても私の名前があるはずがないわ!

・・・・・いいえ。出場者なら知っているわ。彼は私が出場した試合のどれかにいたのだわ。


《殿下の初恋は、まだ終わらせていないのですか?》


《!?はあ!!いきなり何を言い出す。》


そうよ!何を言い出しているのよ!危なく突っ込みを入れるところだったじゃない!


《まだ、彼女を思ってらっしゃるのですか?》


《・・別に あれは過去の思いでの一部だ》


《それなら この話を続けても良いですね。》


《・・・・止めろって言っても続けるのだろう!勝手にしろ!》


なんだろう?40前後の男性は、まるで私に聞かせるように言ってる気がする。それにとても暖かい見守る様な眼差しだわ。

それに比べてこの人は、私を見張っているかのようにずっと見られてるわ。


《殿下の初恋は、7歳の頃でしたね。》


《俺は何も知らなかったんだ!》


《国際試合の前日にあった少年部門では、見事1位をお取りになられましたね。》


《あれは、本気を出すまでも無かったからな》


《 少年少女部門では、惜しくも2位。それでも強者の中で2位は素晴らしいことですよ。》


《…………俺は、女の子に負けたんだ。それだけじゃない。彼女開催された俺の国の言語で会話してたんだ!屈辱だったよ。》


《上位3名が急遽国際試合に参加することになりましたね。本当に驚きましたよ!》


《あれは、8~15歳の少年少女が出る国際試合に出る者が事故で来れなくなったりしたらしい。それで、一年早いが枠を埋めるために参加することになった。》


《あれだけの人数で12位に入ったのは流石でした。》


《彼女はそれでも トップ 7 の中に入ったけどな。》


《さすがに予想外でしたよ。力の差でトップ10は、男性で埋まると思っていたのですが まさかあそこに彼女が入るとは思ってもいませんでしたよ。》


《…………そうだな。まさに彼女は規格外で、誰よりも強さに貪欲だったよ。そんな彼女と戦うのがどんなに楽しかったか。》


…………あれ?私その時何位だったかな?まぁいっか。私と関係無さそうだし。


《その後 殿下は、彼女に手紙を送りましたよね。》


《あぁ。たしか 〈明日お前にあって話がしたい。〉だったかな?》



そう言えば私にも手紙が来てたな~〈明日、お前と決闘する〉って言う手紙が。確りと白の手袋まで入ってたしね。


《それに贈り物まで、されてましたね》


《……あぁ。白で手の甲に薄っすらと蝶の絵が浮かんでいる手袋をな。》


《しかし、彼女は待ち合わせのところに来なかった。》


《後から確認したら、手紙を送った夜に自国に帰ったららしい。》



……………私も帰ったね。その時手紙が怖くて、お父様にせがんでその日のうちに帰宅したわね。


《その後が大変でしたね。国の権力を使い必死に彼女の身元を探させましたね。》


《~~仕方ないだろ!初恋だったのだから!》


《月日が流れようやく知った情報は複雑だった。彼女はその国に居なければならない存在だった。そして、大勢の婚約候補者に囲まれた状態だった。》


《あれは、やり過ぎだと思うぞ。逃げ道を全て崩されていたのだから。》


《彼女は、そのなかでも 徐々に開花し始めた。》


《誰も気づいていないだろうがな。》


《殿下は、彼女の知恵が欲しいのですか?》


《ふざけるな!!》


「きゃっ!」


南朱は怒鳴り声で反射に声を出して怯えてしまった。視線が南朱に注がれるのに気づいたがプチパニック状態に陥った


《はぁー申し上げましたよね。怒鳴ってはいけないと。》


彼は南朱の国の言語で、背中を撫でながら


「驚かせて悪かった。もう、怒鳴らないから怯えないでほしい。」


40代の男性も


「お嬢様。驚かせてしまい申し訳ございません。」


程なくして南朱は落ち着きを戻すなり、普通の令嬢と同じ様に


「……あ あの?この車は、我が家の物では有りませんよね?それに 私専属の運転手は、どこにいるのです?」


40代の男性が


「彼なら体調を崩したので、自宅に帰しました。その為 彼の友人の私が お送りさせていただくことに成りました。丁度、お坊ちゃんと同じ所に向かうと聞いたので。」


南朱は、困ったように


「……そうでしたの。」


「どうかされましたか?」


「えぇ。パーティーの最中に抜け出したので、皆様にご迷惑をお掛けしていると思うと心苦しくて。」


「それならば、ご連絡をお入れ致しましょうか?」


「えぇ!お願いしますわ。〈東町を越えて他の所を見に行くわ〉そう伝えてくれるかしら?」


「畏まりました。後程お掛け致します。」


「頼みましたわ。」


殿下と呼ばれていた男性が


「お名前をお聞きしても?」


南朱は、懐から扇子を取り出し社交界同様に口元を隠し


「あら?相手に名を聞くのならまずは、ご自分がお名乗り下さいませ。それが礼儀ですわ紳士様。」


「それは、そうですね。失礼致しました。私の名は≪ルイス・ファンテザ・シャルク≫と申します。ご令嬢の名を教えては貰えませんか?」


えっ!嘘でしょう?偽名じゃなく実名を名乗った!?誤魔化す気がないの?


あまりの事に南朱は絶句したまま40代の男性と名を明かしたルイス王子を交互に見て、最上級の礼をした。そして、隣国のシャルク国の言語で


《数々のご無礼をお許しください。私の名は 朱雀大路 家 の 長女 朱雀大路 南朱 と申します。》


《面を上げて下さい。朱雀大路嬢。拐うような真似をしてしまいこちらこそ申し訳ない。》


《寛大なお心に感謝いたします。》


今度は執事と思われる40代の男性が南朱がすんでいる国やシャルク国の使用言語ではなく、別の言語で


【流石でしたよ 朱雀大路 南朱 嬢。あの様に狸寝入りを完璧に決め込まれては、私でも中々気づけませんでしたよ。】


彼の言葉に再び絶句した。


【あなた様は……。】


彼は微笑みながら


【ルイス王子の執事 兼 護衛 をしております。≪ライアン・ファーリス≫と申します。これでも一応騎士の称号を戴いてます。】


ファーリスって名前何処かで……


【………そうでしたの。ファーリス様は、国際試合に出られ事があるのですか?】


国際試合の時に聞いたような?


【主催は、我が家でしたので何度かは。】


そうだわ!!ファーリスって 主催者として数々の武道を国際的に開催されている家系だわ!それなら………


【では、あの連続記録はファーリス様のですか?】



【お恥ずかしい。】


やはりそうだったんだわ!憧れの人物に逢えるなんて!?


【まぁ!!こんな所でお会いできるとは光栄ですわ!一度手合わせをお願い出来るでしょうか?】


弱味を握られたことをすっぽり頭から消え興奮状態の南朱に、冷たい棘が遮った。


《ライ!さっきから何の話をしてるんだ!。俺にも分かる言葉で話せ。それに、朱雀大路嬢も男性に近づきすぎです。》


《そう拗ねなさるな。国際試合の事をお話していただけですよ。殿下。》


《申し訳ございません。今後気を付けますわ ルイス・ファンテザ・シャルク 様》


ルイス王子は不貞腐れ


《フルネームで呼ぶな。ルイスと呼べ。》


《………………ルイス様。》


《……今はそれでいい。お前の事も南朱 と呼ぶか良いな?》


《それは、構いません。それよりも電話をかけてもよろしいですか?》


二人は顔を見合せルイス様が


《この場で、我らの言語で会話するならいいぞ。》


《では、失礼します。》


南朱はポケットから外国使用のスマホを取り出しかけ始めた


『姉さん!!誰に伝えたらいい?父さん?母さん?東鵺兄さん?西雅兄さん?北翔兄さん?』


『《西雅さんに代わって。》』


『西雅兄さんだね。直ぐに繋ぐよ。』


『《ありがとう。》』


『《待たせたね南朱。今変わったよ。》』


『《彼等に下がるように伝えて欲しいのです。あの方々では、勝ち目が有りません。》』


『《例の件は私達でいいかな?》』


『《えぇ。お願い致しますわ。》』


『《では、また会おうね。南朱》』


『《はい。お元気で。》』


通話を切るなりファーリス様が


《素晴らしいですね。流石時代の先端を行く方々だ。とても綺麗な発音でしたよ。》


《お褒めいただき光栄ですわ。》


《先程の男が俺と交換留学する白虎鳶寺 西雅 と言う男か?》


《そうですわ。もう旅立ったみたいですわね。それで、何処に向かっているのですか?》


《それは、着いてからのお楽しみだ。》


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