遭遇
小説読んでたり、したらサボりすぎた・・自分も面白いのかけるように頑張らないと
(クソなぜにこんな目にあわなくてならんのだ。)
ソウヤ達は、帝国領と隣国であるローズウッド王国の国境を越えてすぐに謎の集団に襲われていた。
「カグラ様、大丈夫ですか?」
「ええ、私は大丈夫です。なので、くれぐれも民の方がたを傷つけては駄目ですよ」
「わかっております」
ソウヤ達は、周りに群がる農民達を見回した。今にも飛び掛ってきそうな目で見られていた。
(しかし、ここまで酷くなっているのか。)
眼で、ミヤビに合図するとアイアイさと軽く手をあげて馬車の屋根に飛び乗ると食料を惜しみもなく後ろに投げ始めた。
農民達は、目を輝かせそれに飛びつき争っていた。道が開き急いで走り出そうとしたが一人の少女が立ちはだかって道をふさいでいた。よく見ると汚れているが上等のおそらく高級絹で出来たドレスを着ていて寂れた村の娘にみえなかった。
「お嬢さん、すまないがそこをどいてもらえないか」
ソウヤが近づき声をかける。
「嫌です」
と言って、ソウヤの馬にしがみついた。
「手荒な事はしたくないんだ。離してくれ」
「お願いです!私も連れて行ってください」
なお一層力を強めて離してくれそうもなかった。困っていると、カグラが声をかけてきた。
「ソウヤ、その子も連れて行ってあげましょう」
「しかし、カグラ様何でもかんでも拾っていては危険です」
カグラとソウヤの押し問答がはじまる前に間に入ってきた。
「隊長、早くしないとそろそろ・・・・・」
と後ろを見る。村の人たちがもっと寄こせいわんばかりこっちを見始めた。
「馬車をだせ」
「了解です」
ミヤビが馬車の馬を強く叩いてスピードを上げて行く。それを見送ると、少女を乱暴に持ち上げて馬を蹴った。
「ちょっと、乱暴に持たないでくれる。私こう見えてもレディなんですから」
暴れだした少女にひと睨みして一言。
「おとなしくしないと落とすぞ」
「ひっ、本気なの」
蛇に睨まれた蛙のように固まって動かなくなった少女を片手で持ち問い詰める。
「目的はなんだ?」
「言ったでしょ。一緒に連れて行って欲しいって」
「惚ける気かならここで落とすまでだが」
「わっわかったわよ。まず確かめたい事があるのだけどいい?」
「なんだ?」
「カグラ様って帝国の皇女殿下でしょ・・・きゃ、危ないだからしっかり持ってよね」
少し驚いて手を放してしまいそうになったが、すぐに動揺を隠し何事もなかったように返す。
「何のことだ?私たちはこれから商売のために隣国のローズウッド王国行くんだが」
「惚けても無駄なんだから。私一回あなた達を帝国のパーティーで見たことがあるのよ。まだ惚ける気?」
勝ち誇った少女を尻目にソウヤは笑ってしまった。
「何を言うかと思ったら、帝国のパーティーで見ただって」
「あぁー疑ってる。絶対嘘だっておもってる」
「信じる根拠がないし、俺達はそんな所に行った事がない」
「これを見て嘘だとは言わせないから」
と少女は、服の中からペンダントを取り出すとソウヤに見えるように顔に近づけてきた。
ソウヤは、ペンダントに彫られた紋章をみて絶句する。
「どう、これを見て信じてくれた?」
ソウヤが言葉を失ってしまった理由は敵のはずのローズウッド王家の紋章だったからだ。
(敵か?罠か?どっちにしろ不味いな。カマをかけてみるか)
「君がそれをどこで拾ったか知らないが私たちが付き合う義理もない。ここでお別れだ」
少女は俯いて黙り込んでしまった。
(さあ、どう来る。仕掛けてくるか?)
少女の顔を覗きこむと泣いていた。
「お願い。私たちを、いいえローズウッド国を助けて」
「待て、どういうことだ?」
「私の名前はリリー・ローズウッドです。」
合点がいった。なぜ彼女が自分達の事を知っていたのか、彼女がローズウッド王国の王女であったからである。だが王女であった以上何かしらの罠だという可能性の方が高い。
(罠か?しかし、罠ならばもっと巧妙に仕掛けてくるだろうか・・・・・どっちだ?)
「あの~助けてくれる?」
「何のことだ?まあ、俺達は商売で王都ユラウッドに向かうからつれて行ってやるさ」
「本当にいいの?」
リリーは、眼を輝かせて喜びだした。
敵か味方かわからないのに傍に置いて置くのは危険かもしれないが彼女の考えが読めない以上ここで置いていくことも躊躇われた。
連れて行くことにしたのはいいのだが、罠の可能性を考慮して白を切ることにした。彼女が王女で顔を知られているからにはばれているだろうがここは明くまで知らない振りをしておくことにした。
(これが、スバルにばれたら殺されるだろうな。とりあえず釘を刺しておくか・・はぁ~)
「喜ぶのはいいが、あくまで連れて行くだけだからな」
「わかってるわよ。よろしくね」
明るく答えられて、気のせいか頭痛がしてきていた。頭を抑える。
少し時間をさかのぼる。
帝国との国境で、ソウヤ達は二手に分かれて行く事にした。その際、スバルには姫の代わりをしてもらうことになったのだが、一騒動あった。
「なんで、私が姫の代わりをしないといけないのですか」
怒って怒鳴りこんでくるスバルに、ソウヤは笑いをこらえながら返した。
「当たり前だろう。姫を守ることが我々の仕事なのだから」
「そんな事言っているのではありません」
ソウヤはスバルに詰め寄られてついに笑いをこらえられず噴出してしまった。
「くっはははは、スバル似合ってるぞ。いや、どこから見ても美少女だ」
どこから見ても美少女で通る姿をしたスバルは、体を怒りで震わせソウヤに詰め寄って行く。
「ふざけるのはよして下さい。何も私がやらなくても女性であるガレットがいるじゃありませんか」
ソウヤは、スバルの肩を叩きながら一言。
「姫の背格好、君の背格好どれをとってもぴったりなんだ。あきらめてくれ」
「納得いきません」
涙目になりながらよってくるスバル。その時、扉をノックする音が聞こえソウヤは入ってくるように言う。
「失礼します」
と姫をつれてミヤビが入ってきた。
二人は、スバルをみるなり「まぁ」、「うわ、美人がいる」とそれぞれに声をあげた。
ミヤビは、スバルに近づき手をとるとひざまづき手の甲にキスをした。
「お嬢さん、今から一緒に食事にでもいきませんか?」
スバルは詰め寄って来た時よりも激しく肩を震わせはじめ、それに、気がつかないミヤビはさらに甘い言葉で誘いはじめる姿を見てソウヤは頭を抑えた。
「恥ずかしくて声が出ないのかな。それにしても隊長もすみに置けないなぁ。こんな綺麗なお嬢さんをナ・・・・ぐっわああああ」
最後まで言いきる前に大きな声を上げて壁に叩きつけられた。
「まったく困った者です。私が誰かわからないのですか?」
壁に吹き飛ばされたミヤビは、目を白黒させてスバルをみていた。
「えっええええええーー。まさか、副隊長ですか?」
スバルは、星がついたロッドを呼びだしミヤビにつきつけた。
「今度、私をナンパしてみなさい。喋れなくしますからね」
「副隊長それだけは勘弁いてくださいよ」
「スバルそれぐらいにしておかないと美人が・・・・・・」
「はぁはぁ、何ですか隊長~~」
怒りで息が上がっているスバルは、顔は笑っていたが眼は全然笑っていなかった。これ以上ややこしくなるのは面倒なので手っ取り早く終わらせることにした。
「ああー、これは命令だから拒否なしな」
と言って静観していた姫を連れて部屋を後にした。
部屋の中から、ミヤビの断末魔のような悲鳴が聞こえたような気がしたがあえて無視することにしたのだった。
そして、次の日スバルとガレットは姫の影武者として別れていった。
「隊長、聞いていますか?」
呼ばれてハッと我に返る。
「ああ、すまない」
「こらーそこの冷血漢。縄をほどきなさいよ」
「とりあえず君を連れて行くが信用したわけじゃないからな」
ソウヤはまったく取り合う気がなかった。それがわかったのかリリーはミヤビに向き直り甘えはじめた。
「そっちの優しそうなお兄さん縄をはずしてよ。お願い」
「ごめんね。いくらカワイ子ちゃんの頼みでもきけないだ。その代わり俺がたっぷりサービスするからさ許してよ」
と、言ってミヤビはリリーの顎を持ちキスが出来そう距離まで顔を近づけていた。
「きゃーー変態近づかないでよ」
「ミヤビ、からかうのもその辺にしておけ」
「へぃ~」
からかって遊んでいるミヤビに一睨みして腰の剣を抜き彼女に近づく。
「ちょっと待ってよ。私なんにしてないじゃない。きゃーー」
一閃、彼女のは縄はバラバラにほどけていた。
「何を勘違いしている」
「え、あれ、生きてるなんで?」
「殺すんだったら始めからつれてこない」
「あ、うんそうだね」
納得してないようだが無視をして続ける。
「勘違いするな。信用したわけじゃないからなうるさくされると迷惑になるし、それに聞きたいことがあるからな、喋る気がないなら縛り直すまでだ」
「何?信用してもらえるなら話すわ」
「君はローズウッド王国の王女と名乗ったが王宮の中は大変なことになってると聞いたが仮にも君が王女ならばどうやって抜け出してきたんだ?」
[それは、リンスさんって方がお城から抜け出すのを助けてくれたの]
「何、リンスだって」
リリーはソウヤの剣幕に怯えながら続ける。
「それで、ソウヤって人を頼よれって教えてくれたの。一度だけ貴方の顔見たことがあったからよかったわ」
「事情はわかったが、まだ信用したわけじゃないからな。とりあえずこの部屋をやるからおとなしくしてろ」
「あー、伝言があったんだ」
「なんだ?」
「うーんとね。色んなお店につけがあるから支払いよろしくだって」
ソウヤは大きな音をたてて扉に頭をぶつけてしゃがみこんだ。
(痛て。あの人に事だから絶対俺に厄介ごとは押し付けるだ)
リリーの最後の一言が信用してもいいだろうと思わせるソウヤの師匠であるリンスを恨みたくなった。
「ねぇ、すごい音がしたけど大丈夫?」
しゃがみこんでしばらく動かないソウヤを心配していた。
「大丈夫だ」
ノックの音がしたと思うと、立ち上がろうといていたソウヤに追い打ちをかけるように扉が開きもう一撃。
さっきよりも大きな音をたて頭をうった。
「あらあら、ごめんなさい。そんな所にいるとは思わなかったの大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫です。それよりカグラ様どうしたんですか?」
「えーっと、今日一緒になった子がどんな子かなと思いまして・・・あったら駄目?」
「いえ、駄目ということはありませんが・・」
「大丈夫ですわ。だってリンスが助けた子でしょう」
「そうですが・・てっ、姫立ち聞きしていたのですか?はしたないですよ」
「はしたない事わかってますが、うるさい婆やいないですし、それに気になりましたの」
「隊長・・何言っても駄目ですよ」
ぽんぽんとミヤビに肩をたたかれ、やっぱり姫には頭が上がらないことを思い知らされるのだった。
仕方がないので、あたることにした。
「ミヤビ、姫の無茶な行動をしっかりとめろよ」
「隊長、無茶なこと言わないくださいよ」
「それでも、とめるのが仕事だろう」
「なら、隊長ならとめれるですが!」
などとやりとりをしているうちにカグラとリリーは親密になっていた。
「ソウヤは隠してましたけど、私は貴女を信じるわ」
「信用してくれるの」
「はい、だから貴女も隠さないで教えてね。あらあら自己紹介してませんでしたね。私は、
カグラ・オリヴィエート、名前からわかりますけど皇族なの。でも、様とかいりませんわ、カグラって呼んでくださいね」
「ありがとう。ソウヤって言う人は信じてくれなかったからもう駄目かとおもった」
リリーはカグラにすがりつくと泣き出した。カグラは、そんな彼女を優しく抱きしめる。
「彼を許してあげて下さいね。彼も私を守るためにきつく当たるしかなかったのだから」
「はい。でも何でカグラ様は信じてくれるの?」
「そうね、人を皆疑っていたらきりがないでしょう。どうせなら皆と仲良くしたいのです」
「でも、もし私が悪い奴でカグラ様に危害を加える奴だったらどうするのですか」
「あらあら、仮にそうだとしても私は貴女を信じていますから大丈夫でしょうねきっと」
不思議と大丈夫と言い切るカグラに疑問が浮かんだが女神のような優しさに今は甘えていたかった。
「今は、ゆっくり休みを取ってくださいと言いたいのですが・・・・ソウヤ、ミヤビ」
「わかっています」
剣を抜きカグラとリリーを背にしていた。
「隊長、敵は6人ほどで全員武器を持ってますよ。て言うか来ますね」
ミヤビが扉から離れると間一髪いれずに扉が開きごつい男達が入ってきた。
「お前たちが、反逆者リリーをかばっているのは知っている。おとなしく消えてもらう」
「隊長、俺が行っていいすっか?」
「ああ、かまわない行け。ほどほどにな」
「了解!」
剣を鞘におさめると敵のど真ん中に飛び込んだ。
「馬鹿野郎、わざわざ袋叩きになりにきたぜ」
ミヤビ目掛けて侵入者は一斉に剣を振り落とすが、そこにはミヤビの姿はなく男達の後ろに回りこみ当身を食らわしていく。
当身を食らった男達は、屈強な体格をしていたが全員一撃で気を失っていった。
「終わったか」
「いいえ、まだっす」
と言って剣を抜き天井に向かって投げつけた。剣は勢いよく天井に突き刺さり、
「ぐっお・・」
男が天井裏から落ちてきた。
「おわりっす」
「すごく強い~でも、カグラ様もどうしてわかったの?」
「人の心を感じたからでしょうか。途中からすごく殺気がありましたから」
「ミヤビ、カグラ様達を安全な部屋へ連れっててくれ」
「了解です。隊長は・・・・」
床に倒れた男達を見て、ミヤビはカグラ達の背中を押すように連れて出て行く
「さてと、聞かせてもらおうか」
足から血を流して蹲っている男に蹴りをいれ転がす。
「うぅぅっ・・・貴様達は、うがっ」
質問をしてこようとした男にさらに蹴りをいれた。
「勘違いするな。君には質問権はない。誰の指示で動いているんだ?今吐くなら命だけは助けてやる」
「ふっ馬鹿にするなよ。いくら落ちぶれようと依頼者の事を吐く馬鹿はいまい。」
「そうか、なら死ね」
本気だと悟ると男は態度を急変させた。
「わかった。喋るから命だけはたすけてくれ」
「誰に頼まれた?」
「俺らはあの少女を連れて来いといわれただけなんだ」
「どんな奴だった?」
「いやわかんねぇ。ただ、依頼主の代理人という奴がきて依頼していっただけだからな。身なりは金持ちそうな格好していたがな。俺にわかるのそんだけだ、なあ、命だけはたすけてくれよ」
剣を鞘にしまうと、呪文を唱え始める。
「なあ、命だけは・・・・」
男は言葉を最後まで言い切らずに大きないびきをたてて眠りだした。
「殺しはしないがしばらく寝ていてもらう」
「おやおや、失敗ですか」
どこからともなく声がしてソウヤはあたりを見渡すが気配すら感じられなかった。常に警戒をしていたが、声が聞こえるまでわからなかったのは不覚だった。
「ぐっお」
「ぐっは」
小さく声を上げて周りに寝ていた男達が絶命して行く。
ソウヤは気を集中させあたりを探っていく。ここで姿を捉えられないということは、死につながるというである。そして、ソウヤは素早く剣を抜き窓に向かって切りつけた。
そこには、何もなかったがソウヤが切りつけた瞬間に黒いマントを頭から足の先まですっぽりと覆われた人間が姿を現した。
「危ないですね。いきなりそんな物騒なもので切りつけるとは」
「おもしろい事を言う客人だな。簡単に人を殺す奴の言葉とはおもえないがな」
「しかし、よく私の場所がわかりましたね。結構自身があったのですがね」
「ふっ、あんた魔族だろう」
「おやよくお分かりですね。どうやら油断できない相手みたいです」
「ああ、あんた達魔族の匂いは嫌いなんでね」
先手必勝、ソウヤは魔族に向かって一閃するがそれはむなしく空振り空を切った。
「あぶないですね」
「ああ、めんどくさい奴が来たもんだ。精神体の魔族だっただな」
そう、ソウヤの攻撃は魔族に一撃を与えたのだが煙を切るように抜けたのだった。
(道理で気配を感じさせずに近づいてきたんだな。先に姫を達を連れて行ってよかった。しかし、さっさと片付けないとあぶねぇなあ)
「さてと、あんたにはさっさと消えてもらおうか」
「何を血迷ったことおっしゃるのです。逆に貴方に消えてもらって、あなたのお連れさん達にも消えてもらいますよ」
「ほぉ、かなり自信があるみたいだな」
「貴方には関係ないことです。お喋りは終わりです死になさい」
容赦なく胸を心臓目掛けて攻撃を仕掛けてきたが、軽く往なした。
「おや、やりますね。しかし、いつまで続きますかね」
敵はさらに素早い動きでソウヤの急所目掛けて攻撃を加えてきたが、それを呪文を唱えながら悉くよけていく。
「何の呪文を唱えているかわかりませんが、私達魔族には、物理攻撃、魔法攻撃は効きませんよ」
無視して呪文を唱え続ける。
「無視ですか。気に入りませんね。止まりなさい」
魔族はソウヤに向かって黒い球を放った。
ソウヤは軽くよけ魔族から二、三歩間合いをとった。球はというと壁に当たり壁は粉々に砕け散った。
「その内なる心を砕く力となれ。精神打撃」
一瞬激しい光が起こり光は魔族を飲み込んだ。やがて、光は収まり魔族が姿をあらわ知った。
魔族の見た目は無傷だった。当たり前だ。名の通り精神にショックを与えるだけだ。人間に使ってもせいぜいしばらくの間呆然自失になるぐらいだ。呪文も長くてあまり使えない道がない魔法だ。
精神体の魔族にどんな効果があるかわからない。一度、精神体である人間の霊に使ったときは、退く事は出来たのだが果たして魔族に効いたのか。
「なんですか・・・・・今の・・は・・・・?」
呆然自失状態になっているが、効いたのかわからない。
「隊長~大丈夫ですか?」
ミヤビが走ってやってくる。それに続いてカグラもリリーも来ていた。
「馬鹿、今来るな」
「おや、馬鹿ですね。獲物が自ら飛び込んできてくれましたよ」
呆然自失だった魔族が立ち直っていた。
効果は、あまりなかったようだ。
「ふう、貴方は人間にしてできますね。リリーを渡していただけたらこの場はひかせてもらってもいいのですよ?どうします?」
「ふん、誰がはい、そうですかと言ってわたすか。逆に退くなら今のうちだぞ」
「交渉決裂ですね。非常に残念です」
「ああ、残念だな。ミヤビ頼んだ」
「了解っす」
「さてと、呼びかけに応えてその姿を現せ風奏霊」
部屋の中に風が吹き込みミヤビの前に死神が持つような大鎌が現れる。
「どこからでも来な」
「納得がいきましたよ。通りで強いはずです。皇帝陛下の直属部隊なのですから」
「あんたが、ここで手を引いて二度依頼主の所に戻らないというなら見逃ぜ。女の子前で精神体とは言え無駄な殺生はしたくないからね」
「退きたいのですがそうも行かないのですよ」
「なら、来な」
「いざ、勝負」
お互いに一線して交える。
「さすが、神器の持ち主です。私の負けですよ」
「まて、一つ聞きたい事がある」
「依頼主の事ならばいえませんよ。私が言えるのはローズウッド城に行けばわかりますよ」
「そうか・・・ありがとう」
魔族は段々姿が薄くなっていく。
ソウヤは、魔族に背を向けた。
「いいえ、死んでは駄目です」
カグラが消え逝く魔族に近づいていく。
「カグラ様駄目です。それにもう無理です」
「そうっす。人間で言うなら虫の息ですから無理っす」
二人は止めよとカグラの前に出て通れなくしようとするがカグラの方が早く魔族に近づく。
リリーは元から後ろから見守っていたが、今のカグラにはソウヤ達も見守ることしか出来なかった。
「娘よ。二人が言うように無駄ですよ」
「いいえ、やってみなくてわかりません。それに、無駄にしていい命などないのです」
魔族に、手をかざすと温かな光が魔族をつつんだ。
「不思議な光ですね。何故か生きる気力が湧いてきますよ」
「がんばって、貴方が生きる気力持たないと駄目なのですから」
光が強くなるにつれ魔族も強く実体を取り戻していた。
「もう、大丈夫ですね・・・・・」
カグラはその言葉を言い終えると糸が切れるよに倒れてしまったが、床にぶつかる前に抱きとめ抱き上げた。
「魔族、あんた名前はあるのか?」
魔族はカグラをしばらく見つめると
「そうですね。私は命を助けてもらったのですね。私の真名は、ゼロスロットです」
「あんた真名を教えていいのか。たしか魔族は真名を知られた人間に服従することになるんだぞ」
「愚問ですね。私は一度死んだのです。真名を知られて縛られても貴方たちならば信用できますしね」
「ふん、奇特な奴だな」
「隊長いいじゃないですか。カグラ様の優しさをわかってくれる奴だっただから」
「奇特と言えば、その娘の方が奇特じゃないのですか。敵を助けるなんて」
「カグラ様、どんな生き物だって同じ命、それを誰も奪っていいものじゃない。たとえそれがどんな悪党はいえな」
「さずが、聖者の癒し姫と呼ばれる方ですね。感服いたしましたよ、私も行き方を改めるとしましょう。そうしなければ、今まで奪ってきた者たちのためにも・・・・・」
「ああそうしろ。それが、カグラ様の願いだからな」
「さてと、私は行かせてもらいます」
「待って、今、お城はどんな状態なの?父は・・・」
「私は、裏切ったとは言え契約の元、城の情報を喋る事はできませんがリリー姫、それでよければ話しましょう」
うなずくリリー。
「まず、王は正気を失っておいでです。いえ、操られているのでしょう私の雇い主が黒幕だと思ったのですがその後ろに強大な力の気配を感じました。あれは、魔族の力ですね。帝国と戦争が起こるのは時間の問題でしょう。気をつけない城はもう魔物の棲家です。私が言えるのはここまでです」
ちょっと、明日から本気だす・・あっこれダメなフラグだ・・・1日1話更新できるようにしたいです!