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わがまま姫様と困った部下たち  作者: となえ
第一章
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限りある世界2

「カグヤ様、それは絶対に危険なんでやめてください。」

「あらあら、そうでしょうか?」

二十代前半の青年と年は18歳ぐらい、髪は長く腰にとどくぐらいある。目の色は青色で、町を歩けば確実に人が振りかえるであるぐらい美少女。髪の色は赤みがかかった金色。青年の方も有名な騎士団の軍服を着ていて、切れ長の鋭い目つきをしているが。彼も町を歩けば大概の女性は目奪われる事間違いなしのいい男である。そんな、二人が道のど真ん中で話しているのだ、ただでさえ、彼らは人の目をあつめるのに今回は更に輪をかけることになった。それは、彼らの足の下に16歳ぐらいの少年が行き倒れているのだ。

「ソウヤさん。私としては、見捨てるほうが人として間違っているような気がしますわ。」

 カグヤと呼ばれた少女はきょとんして答える。

「わかってください。貴方の身に万が一のことが、あれば、うっ」

  彼の言葉を詰まらせたのは、少女のうるうる攻撃だった。たとえるならア○フルのCMの犬のかわいさの10倍ぐらいあろう。とにかく彼は彼女のこの目に弱かった。この目をされるとソウヤが折れるしかないのだ。

(きっと、何を意っても、だめだろうし。それに・・・・・)

「お願いですわ。」

 止めの上目遣いでのお願い。その瞬間。

「わかりました・・・・・・・・」

結局、彼が折れることになった。いや、昔から彼女のこのお願いに弱い自分がいけないのだろうが、習慣というものか、これをだされると、何故かいい返事をしてしまうのだ。習慣とは、まったくにも、恐ろしい物だとつくづく思う。少しでも、彼女に悪意といものがあれば、冷静に言い返せるのではないかと思うが、これがまた悪意というものが、彼女にはない。天然でやっているのだ。それに、お願いをするときといえば、今みたいに、行き倒れている人たち、困っている人たちのためだけだしな。

「おい、生きてるか?生きてるなら返事しろ。」

俺は、しゃがんで、少年に声をかけてみる。見る限り擦り傷などはあるが致命的な傷などはないようだが。俺は、少年の顔たたいてみる。

「死んでるのかていうか死んでろ。しっかりしろ」

それでも、返事はない。俺は、どうしようか少し悩んでいると、カグヤが少年の体にてを当てる。彼女が目をつぶり集中する。すると彼女の手が優しい光で包まれる。すると少年の体にあった傷が癒えていく。

「うっぅ・・・・腹がへった。」

少年はそういうと、今度は眠りについた。

「あらあら」

「はあ~・・・・・・」

俺は、深いため息をついて、寝ている少年を肩にかつぎあげる。

(確かに、カグヤ様の護衛を嫌がる奴等の気持ちがわかるな・・・・)

俺は、心の中でもう一度ため息をついた。

カグヤはカグヤで、周りの集まった人たちに挨拶をしているし・・・・。

(いざとなれば、俺が守ればいいが疲れるな。これは・・・・)


「皇帝陛下に剣と命をかけておつかえします。命にかえてこの誓いを果たす所存でございます。我の命がつきるまで。」

 ソウヤは広大できらびやかな装飾された、皇帝陛下の御前で誓いをたてた時のことを思い出す。誓いをたてて、騎士となり、がむしゃらに手柄をたてて騎士団長まで昇りつめたまではよかった。

そう、騎士団長に任命される時までは。ソウヤは皇帝の御前でひざをおり、顔を伏せる。

「そなたを、紅龍聖騎士団の騎士団長に任命する。より一層の活躍をきたいする。」

「はい、剣と永遠の誓いにかけましてオリヴィエート帝国を守りぬく所存でございます。」

「顔をあげよ。ソウヤ。」

 ソウヤは皇帝の言われるまま伏せていた顔上げる。

「そなたに、頼みたいことがあるのじゃがいいかのう。」

「はい、どんな命に従います。」

 皇帝陛下の言うことは絶対であり、逆らうことは許されない。たとえ、どんなことがあっても従わなければならないが、一つだけ皇帝陛下でも、口出しできないことがある。それは、この国の官僚、兵士になるための試験だけには口だしはできない。

オリヴィエート帝国の国力は巨大で、民は富み栄え、兵は勇敢で名をしられ、大陸最大最強で確固たる繁栄築いていた。

帝国の軍隊は、4軍団、1騎士団によって構成されている。

青龍北方方面軍、朱雀南方方面軍、白虎東方方面軍、玄武西方方面軍、そして中央に紅龍聖騎士団が帝国軍の大まかな全容だ。1軍団だけでも、ほかの国々と戦争ができるほどの戦力を有しており、その中心にある、紅龍聖騎士団は、帝国軍最大かつ最強の精鋭部隊であった。そのため、騎士団長は帝国全軍を司る大将軍となる。

一方、国政は、五つの勢力によって統治運営されている。

宮廷魔術師団、軍部、外務省、内務省、財務省の五つの勢力だ。

オリヴィエート帝国は、官僚制を布いており、貴族だからと国政に参加することができない。国政に参加するには、貴族・国民とわずに、官僚試験を合格するしかないのだ。

この様に、官僚制による実力主義をとっている帝国であるが、合格後も実力主義をとっているのは、宮廷魔術師団、軍部、内務省の3つである。

宮廷魔術師団は、純粋に魔力と知力を求められる傾向があり、賢くても魔力が低ければ魔術師としては役に立たない。ただ賢いのだけなら内務省などに行ったほうが出世できるだろう。

一方、内務省は国の情勢を動かしていくのだ。無能の人間がその任つけば国はあれていくし、野心がある貴族などがつけば、その貴族の親族が繁栄していくことになる。そういったことを防ぐために官僚制ひいたのだが、外務省は、外の王族などと交渉するために、爵位を持たないものだと、侮られたことがあり、貴族であることを重視される傾向が強い。これは、職務上しかたないことなのだ。

財務省は、宮内省をも、かねており、皇族のまわりのことを管理するということがあるので貴族のほうが良くわかるという理由により貴族が占めている。

軍部は言わずと知れており、実力がない者は戦場で生き残れないという理由で実力主義になっている。軍に入れば貴族社会の爵位も意味がなくなり、軍の中で階級がものをいう。

だから、完璧の実力主義社会なのだ。

 将軍、宰相、各省長官、宮廷魔術師団長には、一代限りの大貴族の称号を与えられる。これは、貴族にも気兼ねなく命令をできるようにという配慮であった。

 オリヴィエート帝国は貴族制と官僚制という二つの制度でもって統治されていて、その上に絶対権力者として皇帝が鎮座する形を執っている。

 貴族制と官僚制、皇帝の絶対権力を背景とした微妙なバランスでなりたっているのだ。それ故に、皇帝の命令は絶対だった。そうでなければ国家のバランスそのものが崩壊してしまう。

「で、そちに頼みたいというのな。」

 ソウヤは一瞬ニャトした皇帝の顔をみたようなきがした。それは、子供が悪巧みを考えているような顔だった。

 ソウヤの頭にいやな予感が過ぎる。

「近衛隊に所属して、余の孫娘カグヤの護衛をしてほしいのだが駄目かのう。そちは、公爵家の息子でカグヤとは昔から面識あろう。」

 そう、ソウヤの家は皇族に近い続柄で皇族家とは家族のような付き合いしてきたのである。勿論、皇帝陛下ともあったので、たぶん、陛下のことだから、遊んでいるのだろうということがわかった。しかし、皇帝は公私混同される方ではない。なのに、公式の場でこんなことを言われるということは、何かあってのことだろう。

(断ることは不可能だし、しょうがないか。)

「喜んで、拝命いたします。」

「うむ。よろしくたのむよ。」 

 皇帝陛下は心なしうれしそうなのが印象に残った。






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