モブの命がけの戦闘
昨日からpvが急激に上がりました! よくわかりませんがありがとうございます!
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俺が気絶から目を覚ます周りには虚ろな目をした人達がいて、おそらく俺が気絶してからあまり時間がたっていないのだろう。そしてなぜか大きな笑い声が響いていた。
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
言わずとも俺なのだが、そんな俺はこんなことを考えていた。
止まれ止まれ止まれ止まれーーーーーー!! それどころじゃねぇんだよーーーーー!!
俺は必死に笑いをこらえようとしていたが、笑い声が止まることはなかった。そんな俺を襲撃者達は見ていながら虚ろな目を変えることはなかった。そんな中口を最初に開いたのは先ほどまでは商人であった男であった。
「どうやら壊れてしまったようですね。まぁ、それもしょうがないことです。いきなりでしたからね」
そうだよ! いきなりだったよ! 言っとくけどお前らのことじゃねぇんだよ! 勘違いすんな! 俺の想定外はアイシアとミレアの料理だよ!
「アハハ……ハハ……はぁ……はぁ。や、やっと止まった……」
「どうやらやっと落ち着いたみたいですね。それでは今から実験を始めましょう」
実験だと? こいつ何をしようと……!
俺は実験について考えていると、それどころではないことに気付いた。
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 腹が、腹が超痛ぇ! 俺の胃が拒否反応を起こしているに違いない! うがぁぁぁぁ! 超痛ぇ!
俺は腹の痛みと吐き気を必死に抑えていると、男の話は知らぬ間にだいぶ進んでいた。
「つまり! あなた達は今回の彼らの強さを測るための実験動物でしかない! 光栄に思いなさい、あなた達程度の人間が私の役に立てることを!」
全くもってこの男の話を聞いていなかったが、どうやら彼らの強さを測るための測定器になれと言っているのだろう。普段の俺なら戦闘態勢に入るところだが、現在俺はそれどころではない。今すぐに俺の腹の中が破裂しそうなほど腹が痛い。
そこでどうやら一緒に落ちていたソルドが剣を構えて言った。
「俺達がそんな簡単に負けると思ってんのか?」
「ええ! あなたみたいなBランカーに彼らは負けませんよ、絶対にね……」
男がそう言うと同時にソルドは男に飛びかかった。しかしそこでものすごい速さでその間に入るものがいた。それは足が獣のようになっている一人の男だった。その男は大地を踏みしめると一瞬にしてソルドの顔面に蹴りを加えた。
「ぐはぁっ……」
「つ、使えねぇ……」
俺は思わず声に出してしまったがあの様子じゃ聞こえていないだろう。といっても今の俺が言える言葉ではないのも事実である。
「だから言ったでしょう? あなた達程度のレベルじゃ彼らには勝てないと。あくまで君たちは準備運動であって、私の狙いはAランカーと勝負させること。そのために上に何人か人を残したのですから」
すみません、ここにAランカーが実はいるんですよ……なんて言えば俺は間違いなく標的にされるな。これは黙っておくのが無難か……くっ! クソ、また腹の調子が……!
ソルドはもはや使い物にならない。他の冒険者達もそのソルドがやられたことにより、戦意が喪失していた。そしてAランカーの俺が戦える状態ではない。つまり、この状況はいわゆる詰みというものである。
「まぁ、君たちを今ここで殺すことで準備運動も終わり、そして君たちの死体が我が実験の材料となる。ああ! まさにこれこそ一石二鳥というものですね! イヒ、イヒヒヒヒヒヒヒヒ!」
その不気味な声に冒険者は顔を青くしていた。俺はとっくの前に顔が青かったが。
「そうです! この感じです! やっと調子を取り戻してきました! 私の頭の中がぐちゃぐちゃになるこの感じ! 最っ高です!」
「お、おい! こいつはマジでやばい! 逃げるぞ!」
「イヒヒヒヒヒヒ! させませんよ~~~!」
一人の冒険者の提案に男は動いた、いや動かした。男が指を鳴らすと敵は一斉に俺達を蹂躙するために動いた。
それからは一方的だった。逃げる者に対しては容赦なく後ろから攻撃していた。戦おうとする者にもソルドのように顔面を殴ったり蹴ったりして気絶させていた。ある者は肩を咬まれて、その肉を咀嚼されていた。しかし、ある一人の冒険者だけが逃亡を成功させた。だがそれは、成功させられたような感じであった。
「イヒヒヒヒヒヒ! あまりにも遅いので一人だけ逃がしてあげました。これで彼がAランカーを連れてくるはずです! イヒヒヒヒヒヒ! あなた達はそれまで保ってくれますかね~~~?」
そんなことを聞いているわけもなく、俺は腹痛を我慢しながら応戦していたが、なにぶん腹痛のせいで本来の力の一割ほどしか出せていなかった。本来の力を持っていたとしてもこの数の相手には苦戦するところだが、今はそれすらできない。さらに厄介なのが……
ぐわぁぁぁぁぁぁ! 腹が、腹が~~~!! 出る出る出る出る! 俺の肛門が限界だ~~~!!
俺が戦いに集中できていないことだ。そのせいでただでさえ力を出し切れていなくて、苦戦する相手一体にいらない傷を増やしていた。しかしその傷より腹の痛みの方が強いのはなぜだろうか。
そして、ほとんどの冒険者がやられて動けなくなり、かろうじて息がある者が数人となったところで俺は思わず言った。
「これは……マジで無理だ……」
この言葉は戦闘のことを言っているのではない。もちろん……
限界だ……。これ以上はもう出る……。
俺にとって今の優先順位は『便』>『戦闘』であった……。




