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モブヒーロー ~モブで視る英雄譚~  作者: 甲田ソーダ
第五章 ~モブの危機~
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モブの仕返し

それから俺達は門を抜け、子ども達から距離を取って歩いていた。俺の場合は毒舌少年によってハブられたと言っても間違いではないが。


「デ、ドウスンダ? エリクガ食ベルトイウコトデイイノカ?」

「何言ってんの? ダメに決まっているだろ。それにすべて食べる前に俺が気絶してるっつうの」


マジで俺だけに食べさせるつもりだったのか……。なんかお前らのこと誤解してたよ。もっと俺のこと大事にしていたと思っていたよ。


そこで、リンが俺のところに寄ってきた。リンは鼻歌を歌っていた。俺はつい癖で頭を撫でようとしたが、その前に少年二人に睨みつけられてできなかった。


いや、片方はどうでもいいんだけど、あの毒舌少年がな……。そういえばあいつらの名前知らねぇな。


「リン、あのいつも一緒にいるあの二人の名前はなんだ?」


その問いに答えたのはヘイゲルだった。


「体育会系ノ方ガ『ブンジン』、オ前ト仲ガイイ方ガ『フレイン』ダ」


俺が誰と仲がいいって……? 加害者と被害者の関係の間違いじゃないですか? もちろん俺が被害者だ。俺はあのガキが嫌いです。


「えりくと初めてのお出かけ~♪ えりくえりく! えりくはどうして今日来てくれたの!? やっぱり……////!!」


リンの顔がいきなり真っ赤になると、リンの体温が急に上がった。俺は急いで水を渡して言った。


「そりゃ、リンのことが心配になって来たんだよ。リンに危険があったらいけないからな」

「間違っていないけど、そういうことを言ってしまうところが君らしいね」


オルウェンがそう言ったが俺は一瞬何のことかわからなかった。するとフレインが俺をものすごい目つきで見てきた。そこでやっと俺はオルウェンの言っている意味に気付いた。


「ち、違うんだ……! 俺はロリコ……!」

「……!」


リンが俺を泣きそうな目で見てきた。俺はその目で口の動きが止まった。


ロリコ……、ロリコ……


「お、俺はロリコという人が好きなんだよ!」


誰だよそいつ……。そんなの聞いたこともねぇよ……。


「「ブッ!! ~~~!!」」


オルウェンとヘイゲルはツボに入ったらしく、笑いを隠すために後ろを向いた。フレインも前で必死に笑いをこらえていた。超殴りてぇ……。


「えりく……、その人誰……」


リンを見るとさらに泣きそうな顔で俺を見てきた。よくわからないが俺は適当にごまかすことにした。


「ほ、ほら、あいつだよ! あれ言ったことなかったっけ!? あいつだよあいつ……ハハ……」


無理に決まってんだろ! これをどうやってごまかせと!? もう自分自身何を言いたいのかもわからねぇよ……


俺の言葉にオルウェン達はまた笑いをこらえようとしていたが、もはや声がところどころ出ていた。そこで俺はさすがに苛立ってきたので皆に聞こえるように叫んだ。


「ヘイゲル、お前ついに彼女ができたのか! おめでとう!」

「……ハ?」


その声にリンの友達の確かビアンカだったはずだ。その子がヘイゲルを見て、泣き出した。ヘイゲルはそれに慌て始めた。オルウェンはやっと何かを察知したようだがもう遅い。


「オルウェン! お前まさかカタリヌのことが好きだったのか! 大変だと思うが俺は応援―――!」

「ままま、待ってくれ! 悪かった! エリク、ここは少し話し―――!」

「……オルウェン」

「ひっ!」


オルウェンの肩をリーランが掴むとそこからメキメキという音がした。明らかに人の肉の音ではない。何か防具でも入れていたのだろうが、音を聞く限りもう使い物にはならないだろう。ざまぁみろ。


「あんた達うるさいわよ……。こんなにうるさいなら帰っていいのよ」


アイシアのその言葉は願ってもいないことだが、ここで帰るわけにはいかない。こんなの余興みたいなもんだ。本番はこれからなのだから。


「っと、そうだ。リン、安心しろ。ロリコという人物はフレインが憧れにしている架空の人であって存在しない。フレインは実は妄想と現実がわからない残念な子なんだ。でもちゃんと彼を嫌ってはいけないよ」

「……っな!」

「そうなの? うん、わかった!」


リンは元気よく俺に言った。フレインは周りから笑われていて顔を真っ赤にしていた。


へっ! 人をバカにするのも大概にしとけよ。俺はやるときはやる人間だぞ。


俺が一通り仕返しをして気分が晴れたところでアイシアはゴミを見るかのように言ってきた。


「……最低」


……すいません。やりすぎました……。
















俺達はその後アイシアにこってりと怒られていると目的地に着いた。


「「「「「うわぁ……!!」」」」」


子ども達はその光景に目を奪われていた。フレインもここに来るまで俺を睨みつけていたが、その光景に感動していた。そして俺達はまた三人で作戦会議を始めた。


「結局どうすんだ? 何も決まらないままここまで来てしまったぞ……」

「もうさすがに覚悟を決めましょう。私達で子ども達が食べる前に処理してしまいましょう」

「ソウ……ダナ……」


俺達はお互いの顔を見ると、三人とも顔を真っ青にしていた。アイシアは草原の上に大きな敷物を広げるとそこに大きな風呂敷に包まれた危険物・・・を置いた。


……ゴクッ


三段弁当を一個ずつばらしていくと俺達は目を疑った。


そこには見た目は普通の料理達があった。


……どれがハズレの料理だ?


俺達はお互いの顔を見て本格的に焦り始めた。



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