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モブヒーロー ~モブで視る英雄譚~  作者: 甲田ソーダ
最終章 ~最後もモブです~
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モブの苦手な相手

「いや、あのときはホントひどい目に遭ったからな~」

「本当にすいません……」

「いやいや。別に怒っていたわけじゃないから」


あれから俺とシルヴィは一緒にギルドに行き、そこで初めてシルヴィが次の日からギルドの受付嬢になることを知ったわけで。


確か最初の相手も俺で、受付の仕事をなぜか俺が教えたんだっけ?


一通り昔話を思い出したところで俺はシルヴィに提案した。


「そうだ。今日はこれから暇か? よかったら……」

「ぜひ!」

「え、お、おう……」


なぜか内容を言う前に許可をもらった。いや、暇だからこれから一緒に適当に王国を歩かないかと提案するだけだったからいいんだけどさ。もしだよ。仮に、俺がやましいことを考えていたらどうすんの? 俺にそんな根性ないと思った奴、間違ってないから安心しろ。


ということで俺達は男達から逃げている間に二人で楽しむことになった。

……なんかそういうと卑猥に聞こえますね、はい。


まず俺達が向かったのは意外なことに城下ギルドだった。俺が提案したのではない。シルヴィが一度行ってみたいと言ったのだ。


「でもなんで城下ギルドに行きたいんだ?」

「あそこは私達のギルドと大きく違いますからね。受付の人達も違うんじゃないかと思って。見習いたいんです。この際に」

「今まで来たことなかったのか?」

「はい。一人はやっぱり……」


まあ、シルヴィ一人でここは難しいだろうな。俺でも無理だし。


俺達がギルドの入ると同時に俺達に目線が集まった。やはり俺達門前ギルドより冒険者のレベルが高い。強者達が集まる空気をしていた。


「むっ! 貴様達っ、どうしてここにいるのだ!?」

「ああ? ってカタリヌ。なんだいたのか。はぁ」

「なぜそこでため息をついた!?」


お前を見る度に俺の体力が問答無用と言わんばかりに自動的に削られてくるからだよ。


「ちょうどよかった。貴様に訊きたいことがあって……」

「だから無理だ」

「即答だと!?」


ほらな。やっぱ疲れるんだ。コイツの相手は。


俺が適当にカタリヌの相手をしている間にシルヴィはいろんな冒険者達に声をかけられそうになっていた。

そこで俺はカタリヌとの会話を切り上げ、シルヴィの手を引っ張って受付のところまで行った。そのとき冒険者達から疑惑の目を向けられたが無視した。いつものことだ。


「えっと、あなた達は冒険者希望ですか? それとも……」

「あ、あの……! すいません。そのどちらでもなくて」

「? それなら一体?」

「受付ってどういうことに気を付けていますか!?」

「え?」


いきなりの問いに受付の相手は驚きを隠せなかった。


「……あっ」


そこでシルヴィは慌てて鞄の中から名刺を出した。


「私、門前ギルドの受付をやっていますが、あまり人と話すのが得意ではなくて……」

「はあ……」


相手はそれを聞いて困惑していた。それはそうだろう。初対面の相手にいきなり質問されて戸惑うのも無理はない。しかも今は勤務中。今すぐ話すのは無理があるだろう。

そしてそこで助け船を出したのは意外でもない・・・・人物だった。


「チュルマ、どうせそろそろ終わりだろう。少し教えてやったらどうだ?」

「カタリヌさん……。わかりました。えっと、こちらでお待ちください」

「は、はい……」


シルヴィはその受付の人に連れられてカウンターの奥へと入った。俺もそれについていこうとしたところで、カタリヌに袖を掴まれた。


「何? お前がそんな仕草をしても全然萌えないからな」

「貴様に惚れられても困る」


(いや、困るなよ。ジンが本当に好きならすぐに断れるだろ)


「で、なんだ?」

「少し時間ができたんだ。いいか?」

「面倒くさいからやだ」

「貴様に拒否権はない」

「なら聞くなよ……」


俺はカタリヌに連れられ、人気のない場所へと移動させられた。何、もしかして今からいじめられるの? やだ怖い! 誰か助けて!


「貴様またくだらないことを考えているな……。いつもそうだが」

「えっ、最後のいらなくない? 俺だってたま・・にはちゃんとしたことを考えているぞ」


あっ、だったら間違ってないな。いつもはくだらないこと考えてるし。


するといきなりカタリヌが剣を抜いた。


は!? なんで!? マジで殺されるのか!? まさかこいつ『蒼い烏』なんじゃ!?


「決闘をしよう!」

「……」

「どうした? 決闘だ。デュエルだ」

「……手札に五枚のカードが揃ったことで俺の勝ちだ」

「貴様は何の話をしているんだ……」


それは俺が言いたいよ……。いきなり決闘とか何?


そこで俺の肩がいきなり叩かれた。すぐに戦闘態勢入って後ろを振り向くと、後ろの人物がバックステップで俺と距離を取った。


「……お前かよ」

「やあ。さっきぶりだね」


そこにはレギンがいた。レギンは軽く笑って戦闘態勢を解くように命じた。


「レギンさん、どうしてここに?」

「ここを歩いていたら君達を見つけてね」

「で、何? マジで俺を殺す気なの?」

「む? 何のことだ?」


カタリヌが首を傾げた。


え、違うの? それじゃ、さっきの決闘って……


俺は今の状況を理解していないのだがなぜかレギンは状況を理解していた。コイツ、マジなんなの?


「エリク、たぶんカタリヌは君と模擬戦をしたいんだと思うよ?」


は? 模擬戦? 俺とコイツが? 決闘ってそういう意味?


「むしろそれ以外なにがあるのだ?」


コイツは人とのコミュニケーションが下手すぎる。

だからジンとの関係が一向に良くならないんだ。


「やっぱお前の相手は疲れるな……」

「?」



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