表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブヒーロー ~モブで視る英雄譚~  作者: 甲田ソーダ
最終章 ~最後もモブです~
115/149

カタリヌの心

俺とカタリヌが馬車で【バドルガ要塞】に向かっているとカタリヌから俺に話しかけてきた。


「なぁ―――」

「断る」


はい、会話終了。

だってコイツが俺に話すことは大抵決まっているんだもん。ジンのことしかないんだぜ、コイツ。


「……話くらいはいいだろ」

「嫌だ。どうせジンのことなんだろ?」

「……なぜわかった」


コイツ……、もう少し隠そうとする気はないのか。小説だったら今の流れで


『今回はその話じゃない』


とか言う場面だっただろ……。コイツの頭の中ジンしかないじゃん。バカなの? いや、お前はバカだ。


「勘違いしているかもしれないから一応言っておくが、ジンのことでもいつものことではないぞ」

「それなら……、聞いてやってもいいが」


なるほど、コイツはたぶん最近のジンの活躍についてどう思うかとでも聞きたいのだろう。確かに最近のジンは俺の想像以上に強くなっているからな。


「最近ジンが強すぎてかっこいいのだ!」

「変わってねぇ!」


何がいつものことじゃない、だ。結局ジンがかっこいいって話じゃねぇか。


「最後まで話を聞け。私が言いたいのはな……」


……あれか? ジンを諦めようとかそんなところか? まぁ、コイツに関しては人をオとすことなんて百年かかっても無理だしな。


「アピール方法を変えようと思っているのだが何か案はないか?」

「……」


うん、コイツと話そうとした俺がバカでした。ごめんなさい。もう話しません。


「おい!? 人を無視するな!」


おい待て、ゴラ。人を無視するなって、俺今までどんだけ人に無視されたと思ってんだよ。【アーマーマン】のときもそうだが、起死回生の一手となった火柱の功績すらなかったことになってんだぞ。

わかるか、お前に俺の気持ちが! 人は俺を無視するのに俺は人を無視してはいけないとはどういうことだ!?


と思うだけで口には出さない。だが顔に出ていたのだろう。俺を見ていたカタリヌは恐怖で俺と距離を取っていた。馬車の中だから距離なんてそんなに取れないけど。


しばらくまた移動していると今度は俺の方から話を振った。


「そういや、お前の宿敵はいないんだよな。全面戦争に入ったときお前はどうすんだ?」

「(……ふん)」

「なんだ今のむかつく無視の言い方は」


無視するのを口で言う奴とか現実で初めて見たわ。しかもすっげぇ小さい声で言ったしよ……。ちょっと可愛い声だったから一瞬誰かとは思ったけど。


「さっき貴様も無視したからそのお返しだ」

「子どもか! やることがホント子どもだな! やめろ! 今のでどや顔されると怒りどころか呆れしか出て来ねぇわ!」


わかった。コイツはそうだ。考えることがすべて子どもと同じなんだ。だから、パフェを頼むだけでその先をしてくれないんだ。


「わかった。俺が悪かった。それで―――」

「そうかそうか! やっぱり自分もやられてみないと人の気持ちはわからないよな! 許してやる」

「……はい」


思わず面倒くせぇとか言いそうになったけどなんとか堪えれました。ホントにどうにかならないもんですかね、このガキ。


「それで何の話だった? 今ので忘れてしまった」

「このガキ……!」

「うん? 崖?」

「なんでもない。だから『蒼い烏』と全面戦争になったときお前はどうすんのかって聞いているんだ」

「そうだな。特に私は誰かに狙われているわけでもないからな。皆の補助に回ろうかと」

「だからそれを具体的に」


補助に入るのは誰でも同じだよ。むしろ入らねぇやつは戦争に参加してねぇだろ。だからどんな補助をするか聞いてんだよ、ガキ。


「戦闘の助太刀とか医療、負傷者を医療テントまで運ぶとかあるだろ」

「特に何も考えていないが?」

「……そうですか」


ダメだ。コイツはミレアと違う意味で話が通じねぇ。コイツは俺達の会話の次元に入れていない。ざっくりしすぎている。こんな奴と話していても時間の無駄だわ。









それからまた馬車に揺られているとやっと目的地の【バドルガ要塞】へとたどり着いた。要塞の中からは煙が上がっいて、想像以上に危険な状態に入っていた。


「なかなか犯罪者達もやるもんだな~」

「何を感心しておる! さっさと片付けるぞ!」


そう言ってカタリヌは要塞の中にいる奴らを殲滅しに行き、俺は外の奴らを任せられた。

犯罪者達は武器を持っていてなかなか強そうだったが、強そうに見えるだけで実際はそんなこともなかった。

まず五人ほどで俺に飛びかかってきたのを俺は自身の足下を爆発させ空中で切り刻んだ。その際、途中で空間に亀裂をいれそこから爆発を起こすことで地面にいた十人くらいを無力化した。


「な、なんだこいつ!? 顔は冴えねぇのに強ぇ!」


ブチッ


「どいつもこいつも俺を馬鹿にしすぎだろうがぁぁぁぁぁっっっ!!」


あまりに腹が立ったので俺は【アーマーソルジャー】約五十体を倒した大爆発を起こした。


「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」」


『ぎゃぁ』なんて言えるだけまだ感謝しやがれ。今ので普通は全員死んでるっつうの。


外のゴミを片付けたことで俺はカタリヌの方がどうなったか見に中に入っていった。

すると心はガキでも身体はAランカーなだけあってあらかた終了していた。

しばらく待っているとカタリヌが戻ってきた。


「む、なかなか早いようだったがこちらの方が敵の数は多かったのだからな!」

「なんで勝負みたいになってんだよ……」


心もAランカーになってほしいと切実に思う今日この頃です。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ