一件落着?
遅くなりました!
なかなか話が思い浮かばず大変でした……
俺達『蒼い烏』討伐部隊は事件終結の三日後城に呼び出された。
「今回の『蒼い烏』の討伐ご苦労だった。ここに皆の者を呼び出した理由はそれについての説明だ」
ダメ王が手を叩くと上からメイドが落ちてきた。
相変わらず無駄にパフォーマンスを入れてくるな……。だからお前はダメ王なんだ!
それでは事後報告します!
今回王国に攻めてきた『蒼い烏』は四人。ゾルバ、フルーエン、キュルトス、ゴーギャンでした。前回の戦闘では全員エルフの方々と戦っていて、基本的には今回も同じ相手でした。唯一違ったのがゴーギャンをジンさんとミーシャさんが倒したことです。
それ以外はエルフの皆さんが倒したということで……
「ちょっと待った」
メイドの言葉を遮ったのはキュルトスと戦ったベルンハルドだった。
「俺はキュルトスと戦いはしたが、決着が付く前に逃げられたぞ」
ベルンハルドがそう言うと、周りがざわつきだした。しかし、そこでさらに手を挙げる者がいた。
「キュルトスなら僕が倒しておきました」
そう言ったのはレギンだった。
「いつ倒したんだよ……」
「君を先に王国に入れた後」
「なぜ俺に言わなかったんだよ……」
そんな俺って頼りないっすか。これでも同じAランカーなのにな……。
「なんだ、俺がアイツを倒さなくても良くなったんならそれでいいや。俺はアイツ嫌いだし」
俺も何回かキュルトスに会ったことがあったけど、俺もアイツは苦手だ。とことん俺とベルンハルドは気が合う。嫌いな者まで一緒だとは。
「これで後は約二十五人でいいのか」
俺がそう言うと、レギンはウインクをした。馬鹿にされている気がしてイラッとした。いや、レギンは先ほどのこともあり、俺を絶対見下していると思う。
「実は、僕達が飛ばされた後、僕達は三人ほど倒したんだよ」
「それは真ですか!?」
メイドが驚きながら聞くと、転移させられた人達は頷いた。どうやら真実のようだ。
「よくやった! これで後の戦いも楽になるな!」
いやいや、クソ王。お前は戦わないから気楽でいいけどな、こっちは楽になるとか考えられないんだよ。
そこでジンは何か思い出したようでありオルウェンに尋ねた。
「そういえば今回俺とミーシャが戦ったゴーギャンは本来リーランと戦うはずと言っていましたが、リーランはどこにいるんですか?」
そのことは俺も気にはなっていた。オルウェンはリーランのことを狩りに行ったと言ってはいたがそれにしては遅すぎると思っていた。
そこでオルウェンは言うのをためらった。
まさか、リーランはもう……
「リーランは捕まりました」
「「「「「!?」」」」」
「早く助けに行かないと!」
ジンがそう言うのをオルウェンは必死な顔で止めた。
「ダメです! 絶対ダメです!」
「何言っているんですか!? 仲間を見捨てるつもりですか!」
「はい!」
オルウェンの言葉にこの場の者は驚きを隠せなかった。レギンに限っては戦闘態勢に入っていた。オルウェンがスパイとでも思っているのだろうか。
「オルウェン、君らしくないな。何があった?」
「私がそうするべきだと判断しました」
「そうか……。それなら……」
そのときオルウェンとレギンの間に入る者がいた。
「チョット待テ」
「どいてください、ヘイゲルさん」
ヘイゲルはレギンの言葉を無視して俺の方を見た。その意味が最初はわからなかったが、すぐ知ることになる。
「オルウェン、説明不足ダ。モット詳シク言ワナイトダメダ」
「そ、そうでした……」
どうやらヘイゲルだけがリーランがいない理由を知っているようだ。捕まっているとはどういうことだろうか。
「リーランは現在あるところにいます」
「「「「「……」」」」」
皆は息を飲んだ。
「留置所です」
「「「「「! ……? え?」」」」」
皆は驚いてからすぐに疑問の意を見せた。
だが俺は……
そういうことか……。そうか、ついに捕まったのか……。
「リーランが私をストーキングしていたので私は通報しました」
「ス、ストーキング……?」
さすがのレギンも困っているようだったがそれも仕方ないことだった。誰が『蒼い烏』討伐部隊が留置所に入れられると思うだろうか。
「オ、オルウェン……。そ、それだけかい?」
「それだけで済まさないでください!」
「オ、オルウェン……?」
「毎日毎日ストーキングされる苦痛がわかりますか!? 朝、目が覚めたとき馬乗りになっているんですよ! か、考えただけで……!」
ん? あれ~、それ俺も経験があるな。しかも眠気を吸い取られたし……。
「リーランは通報されたのですか。まだまだですね」
出った。出ましたよ、また。いい加減俺の行く先に現れないでほしいです。
「俺も今通報してもいいかな?」
「その時は隠密行動で逃げます」
これが本当にできそうだから怖い。現に今だって誰にも気付かれずに俺のところまで来たわけだし。
「もう嫌なんです! あんなの! あんなの! う、うわぁぁぁぁぁ!」
まさかの発狂……。あの冷静が取り柄のオルウェンが発狂するとはなかなか珍しい。というかそんなオルウェンが発狂する以上の経験をしている俺はなぜ発狂しない?
「愛の力ですね」
「それは絶対ない」
そんなこんなで『蒼い烏』王国襲撃事件はオルウェンの発狂で幕を閉じた。
俺の功績はもちろんなかったことになりました。
だってそれ知っているのはオルウェンとベルンハルドだけだしね。




