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モブヒーロー ~モブで視る英雄譚~  作者: 甲田ソーダ
第六章 ~モブの出番が少ないです~
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モブの救助

今日ユーザー名を変えました!

『小館豆腐』から『甲田拓秀こうだたくひで』です!

王国に着いた後、俺は国の中を走り回った。誰か俺のことを待ってくれている奴がいるかもしれないだろ?


「私がここにいますよ」

「俺はお前を追う気はない」


そこで俺はまず、ギルドに向かった。ギルドは他の家と同じく崩壊していた。


「ミレア、ここの職員や冒険者はどこにいるかわかるか?」

「全員はわかりませんが、大体はオルウェン様の張った障壁の中にいるのではないでしょうか?」


まぁ、それしかないよな。だが、避難場所がオルウェンの障壁だけとは考えられない。だから、俺の予想では……


俺は崩壊したギルドの瓦礫を燃やした。念のため俺のように埋まっているかもしれないので、気を付けて燃やしました。

俺が燃やすとギルドの下から階段が出てきた。


「エリク様、これは?」

「なんだ、これを知らないのか?」

「エリク様に関係ないので」


さいですか……。でも、自分の仕事場のことは覚えるべきだと思うぞ。


「ここは闘技場だよ」

「そんなのもあるんですね」


滅多に使わないが。つい最近使ったのはソルドとカタリヌの決闘のときである。そういえば今回もソルドの出番がなかったな。カタリヌは……、うん、がんばれ……。


俺達がその階段を降りると俺の予想通り人が集まっていた。


「エリクさん! よかった……、無事だったんですね……!」

「やっぱりここにいたか、シルヴィ」

「遅イz……ッ!」


ヘイゲルがいたのでとりあえず殴り飛ばした。ヘイゲルはきれいにぶっ飛びました。


「何スルンダ!?」

「お前こそ何してんの!? お前も『蒼い烏』討伐部隊だろうが! なんで他の奴らと一緒に避難してんだよ!」


てっきりお前もどっかに飛ばされてたと思っていたのにこれだ。なんで飛ばされてないの? 尻尾切って逃げろよ。


「貴様、マタ言ッタナ……」


なぜかヘイゲルの様子がおかしかった。いつもならこういうことを言えばガチギレするのだが、今回はなぜか反省の意を見せていた。


「どうした? いつもの覇気がないぞ」

「俺ダッテナ、今回ノ件ニツイテ反省ハシテイルンダ。ダガナ……」


ヘイゲルが後ろを振り返り、俺がそこを見るとアイシアをはじめとした孤児院の子ども達がいた。もちろんその中にはリンもいる。


はぁ……、つまりあれか。ヘイゲルはこいつらを守るためにここにいたわけか。たくっ、相変わらずカッけぇことやってんじゃねぇか。


「俺が悪いみてぇじゃねぇか……」


俺はため息をつくと、階段をまた登った。そこでリンに裾を掴まれた。


「もう行くの?」

「サボった分働かないといけないからな」


俺はそう言って笑った。


「今のところエリク様、火柱を出しただけですしね」


お前に言われたくねぇ……。そもそもと言えばお前が出した料理がな……!


俺が階段を登った後、王国ではまだ戦闘が続いていた。そこでレギンがやって来た。


「今は増援を送ることより避難できていない人達の救助に行きましょう。私達の戦闘だけで国民は被害を受けていますから」

「わかっている」

「俺モ行クゾ」


そう言って後ろから現れたのはヘイゲルだった。


「オルウェンがいればここを封鎖するのだが、あいつは今ジンの増援に行っている。お前はここに残っておけ」

「シカシ……!」

「エリクの言うとおりだ。ヘイゲルさんはここに残ってほしい」


レギンに言われてはヘイゲルにはどうすることもできない。ヘイゲルは少しつらそうな顔をしたがすぐに従った。


「それじゃ、エリク。僕はあっちの方を探す。君はそっちを」

「了解」


俺はそう言って、人命救助に行った。
















「よいしょっと……。ここにも特にはいないか」


あれから三十分俺は人を探していたが、未だに一人も見つけていなかった。そこ、せっかくのかっこいいシーンが台無しとか言わない。これは俺が悪いわけではないだろ。

そんなとき俺の周りの瓦礫が急に浮かんだ。俺は上を見るとベルンハルドがいた。


「ベルンハルド、お前戦っていたんじゃなかったっけ?」

「逃げられた。それに俺だけじゃなくほとんどの戦闘はもう終わっている。あとはジンとミーシャだけ」

「? オルウェンは?」


たしかオルウェンはジンの援護に向かったはず、まさかやられたとかじゃ……。


「オルウェンなら避難地を作っていたぞ」

「あれ? だって俺はオルウェンがジンの方に行ったのを見てたぞ」

「そっちに行ったからってジンの援護に行ったとは考えられないだろ」


えぇ~……。まさかの俺の勘違い……。しかもあのゴーギャン相手にここまで保ってんのかよ、ジン達は。あいつらの成長速度パネェ……。


俺が驚いているとベルンハルドがピクリと動いた。


「どうした?」

「ジン達が勝ったぞ」

「……」


ねぇ、これって本格的にマズいんじゃない? ギルド最強の名が奪われた気がするんだけど……。しかも俺って……


「今回の戦闘には参加していませんね」

「ミレア、俺の心だけじゃなくその先を読むのもやめようか」


俺がショックを受けているとベルンハルドが俺の肩を掴んだ。


「お前のおかげで俺は助かった。あの円柱があったからこその勝利だ」

「だよな! 俺のおかげだよな!」


やはり俺だって活躍したんだ! 戦闘も人命救助もできなかったが俺にだって功績が……


「まぁ、表向きの功績はないことになると思うが……」

「……もういいよ」


俺は肩を落としながら人命救助にあたった。

結局誰一人見つけられなかったが……。


「俺、今回掃除と火柱を上げたことしかしてねぇな……」

「……あとで【ホーンラビット】食いに行こうな」

「………………………………………………………………………………………うん」



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