現状把握 ~人類史の全て 第3章3項 日本国編より抜粋~
感想などお待ちしております!
西暦2100年、太陽系の惑星の1つである地球では、ある転換期が起こっていた。七大陸上に存在する総勢は80億人もの人口を一挙に30分の1に減少させうる出来事が。
平穏無事な日常を嘲るように、安寧の終焉を告げるが如く、突如として勃発したそれは、後に《核大戦》と呼ばれることになる《第3次世界大戦》であった。
アメリカ合衆国、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(英国)、フランス、中華人民共和国、ロシア連邦、インド、パキスタン、核保有国が使用した原子爆弾、水素爆弾により世界は荒廃の一途を辿った。
その結果、顕現したのは当に世紀末。阿鼻叫喚の地獄がこの世に現出した。国家という国家は尽く消滅し、モラルは崩壊。犯罪の横行、金など只の紙切れ同然に成り下がり、ものをいうのは弱肉強食という野生の法則。蔓延するのは、力による支配。恐怖が世界を人々の胸中を陵辱していた。
辛うじて生き残った約2億6千万の人民たちは食料の確保も侭ならぬ明日とも知れぬ命。唯々、絶望に震え、この時代に生まれてきた己と地獄に染まった世界を呪うばかりだった。
そう、とある1組の男女が現れるまでは。
《救世主》と呼ばれたその男女は数々の《奇跡》を起した。難病を患った赤子を触れただけで回復させ、天に向かい呪を紡ぐと雨が降り始め、枯れ果てた大地は生命の息吹を取り戻した。数多の人々を困窮、貧困、絶望から救済した彼らは、こう告げた。
今後、この世に誕生する人類たちは、この《奇跡》を身に付けることができるだろうと。その全てはかつてこの世に現存した英霊の御心によるものである、と。彼らは最後まで自身の名を名乗らなかった。
只、自分の力を誇示することもせず、頼る者全てを拒まず余すことなく救済の手を差し伸べた。世界の各地を転々と渡り歩き多くの人々を救ったその《救世主》(メシア)は最後に立ち寄ったロシア連邦首都モスクワで二人共同日に没したと伝えられている。
彼らが自分たちの死期を悟っていたのだろうか。モスクワにて死する3日前、己の居に1本の樹の苗を植えた。
500年経って今ではその苗は千mを越える天を突かんばかりの巨樹となり《生命の樹》と呼ばれ、今もモスクワ郊外にそびえ立っている。
そして西暦3100年、32世紀。
時は流れこの世には、新種の生物が多数跋扈していた。地上には、未だ核の傷跡が根強く残っている。嘗ての動物に取って代わるように《魔獣》と呼ばれる生物が世界中いたる所を我が物顔で闊歩している。
そして、同時に人ならざる者《異族》と呼ばれる10種の新たな生命が誕生していた。彼らの中には人との共存を図ろうとする者もあれば、人を食料とし、支配下に置こうとする種も存在した。人類は各地に防壁を築き、その中で生活を営んでいた。
滅亡目前だった人類は約4億人にまで増加。《救世主》の予言通り旧世代の科学に取って代わらんばかりの勢いで台頭したのが、嘗て神代の時代に彼らが行使した《奇跡》と呼ばれる力だった。
それは千年という長い年月を経て《魔法》と呼ばれる物へと昇華され、さらに錬金術師や陰陽術などの様々な流派、組織を生むこととなる。彼ら《術》を行使する者たちは《術師》と呼ばれ、その《術師》の中から選ばれし者、英雄、偉人の名を受け継ぎ選ばれた存在である《授名者》が誕生した。
魔獣に敵対異族に対抗するため人は術師で軍隊を構成すると伴に妖精・龍族・小人族と同盟を組む。そして、今日も人類の存亡を賭けた闘いは続いている。
[現在の状況]
『人類と異族の関係(及び各種族の王名)』
同盟種族:妖精族(妖精王:オベロン)・龍族(龍皇:黄龍)・小人族(小人王:スプリガン)
敵対種族:吸血族(吸血王:ドラキュラ)・人狼族(人狼王:クラン・ルーガルー)・巨人族(巨人王:ユーミル)・妖族(妖王:鵺)
中立種族:魚人族(魚人王:マーマン)・闇人族(闇人女王:エンプーサ)・獣人族(獣人王:ナラシンハ)
『軍制について』
現在、各国は常時魔獣、異族の驚異に晒されている為、術師軍隊を持つものが大半である。
(通常の銃火器程度では魔獣・異族の討伐は困難)
現在、日本に既住する人間は500万人。その内、戦力に数えられる者は、国家に所属する一般の軍人約18万に加え、術師となり軍に所属する凡そ9万人と授名者の23人である。
また、世界の大半(陸・海・空)を魔獣、異族に侵略されているため各地域に巨大防壁を建設し、その内部で生活している。
人々の大半は各地(日本は北海道・新潟・東京・広島・鹿児島の5ヶ所)に巨大な円形城壁を構築し、その内部にて大部分の人々が生活している。
軍制は全18階級:元帥》大将》中将》少将》大佐》中佐》少佐》准佐》大尉》中尉》少尉》曹長》軍曹》伍長》兵長》上等兵》1等兵》2等兵
『術師について』
魔術師を基とする多数の術師(錬金術師、陰陽師、祓魔師、法師、eta・・・)が存在する。術師には先天的な素養が関係し、術師になれる者の人数は大凡50人に1人である。(後天的人体改造を除く) 原則としてある術派を使用する術師は他派の術式を重ねて行使する事は出来ない。(詰まり魔術師に錬金術師は使用不可であり使用しても何も起こらない)
術師となった者は国家へ帰属し、各国の術師部隊に配置される《国家術師》の他、個人主義を貫くフリーランスの術師や大手術師組織に所属している。
『授名者について』
授名者とは術師の中でも《選ばれた存在》と呼ばれる者達であり、本名とは別に過去に存在した人類の偉人、又は人間種の英雄の名(霊名)を授けされた者のことである。詳しい情報は不明だが、彼らの強さは当に一騎当千であるため人類戦力の要とも言える。が、中にはその力を悪用、誇示する者も少数ながら存在するため授名者は、畏敬、揶揄を込めて人々から《兵器》と称される。また、原則として自身が生まれ育った国の英傑の名を受け継ぐ。
現在、地球上の総人口は4億人、その内術師は800万人である。授名者はその8千分の一である千名程度である。更に稀有な存在として、二つの霊名を有する二重授名者も数名存在する。
正式に授名者を記載、呼称する時には、苗字と名前の間に霊名のイニシャルを表記する。
例として各国術師軍の頂点に君臨する《七賢者》と称される授名者達を挙げる。
『七賢者』「異名・本名と霊名」
《狡猾なる奇術師》:リザ・M・マクシミリア
所属:イタリア
《英雄の王》:オペンズ・G・シェル
所属:イラク
《試練を潜りし者》:ガイル・H・フォレスター
所属:ギリシア
《七海の覇王》:オティエノ・S・バーティン
所属:エジプト
《湖の騎士》:アドリア・L・クルトゥホーン
所属:英国
《極東の鬼神》:孫・K(軒轅)・公邦
所属:中国
《万象の錬金術師》:ネリウス・N・グレゴリー
所属:スイス
『魔導具について』
魔導具とは、それ自体が魔力と呼ばれる神秘の力を帯びた物品である。魔導具と称される物は、《霊装》と《神具》の2種類に分別できる。
霊装と宝具の相違点は、人工的に生成、複製された魔導具を霊装と呼び、三種の神器、聖遺物のように人工的に完全複製品が生成不可能であり、この世に元々ただ1つしか既存しない原型の魔導具を神具と呼ぶ。
著名な神具はその所有者及び関係が深いとされる人物の名を継いだ授名者が所有することが多い。例として、ブリテン騎士王アーサー・ペンドラゴンの所有していたとされる魔導具として有名な〝選定の王剣″は現在、アーサー王の授名者が所有している。
『魔獣について』
新たに台頭した〝魔獣″と称される生物は現在確認されている種類だけでも(亜種・変種・混合種を含めると)3千種類を越える。その名には聖書や神話、叙事詩などから抜粋されたものが多い。
例:バハムート、リバイアサン、ジャバウォック、eta・・・
また、魔獣にはそれぞれ討伐の難しさに応じて討伐難易度という基準が存在している。難易度は、G級からS級までの8段階に別れる。
『魔術関連施設・組織一覧』「国名:主要組織名:術体系(使用者)」
日本:陰陽寮・忍隠れ里・三大神宮(伊勢神宮、出雲大社、宇佐八幡宮)・二大寺院(高野山金剛峰寺・比叡山延暦寺):修験道(修験者)・密教(法師)・神道(巫女)・忍術(忍)・陰陽術(陰陽師)
中国:煉道会・仙呪院:方術(方術師)・仙術(仙人)・煉丹術(道士)・奇門遁甲(遁甲家)・蠱術(蟲術師)・呪禁術(呪禁師)・宿曜道(天文師)
ロシア:東方正教会(露西亜正教会):聖霊術(聖霊術師)
英国:バベルの塔(魔術師養成機関)・理想郷に集いし円卓の十二騎士・鉄騎兵・魔術協会(銀の星・暁の星・テレマ僧院(エイワス教団)・黄金の夜明け団・東方聖堂騎士団・神智学協会・薔薇十字団):魔術(魔術師)・聖霊術(聖霊術師)
フランス:騎士十二衆・五大騎士団:魔術(魔術師)・聖霊術(聖霊術師)
イタリア:教会(十三使徒)・騎士修道会(十字軍・十六騎士団):聖霊術(聖霊術師)
スイス:封魔院(祓魔師養成機関):魔術(魔術師)・聖霊術(聖霊術師)
イラン:暗殺者教団・アルケミー:魔術(魔術師)・占星術(占星術師) ・錬金術(錬金術師)
イラク:ギルド:魔術(魔術師)・占星術(占星術師)
その他の組織:エデンの園(詳細不明)・海賊(各地に出没)
基本的には、二日で一話更新を目指します!