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「いっちゃん」と彼女はそう僕を呼ぶ。今日も彼女はそう僕を呼び、厄介なことを言ってきた。
「ここから飛び降りてみたくない?」
彼女は3階の窓から下を見下ろしたあとそう言った。
可愛く小首を傾げながら言っても内容が内容である。まったくもって可愛くない。そして正直引いてしまった。
「いっちゃん、いっちゃん。登りきれないから抱えて」
彼女は何を言っているんだろう。まさか本気なのだろうか……いや、彼女ならあり得る。今までの経験からしてこのまま放っておくのはマズいだろう。
『止めなさい。飛び降りてもいいこと何もないよ』
「えぇーどうなるか気になる」
こらっ物欲しそうな目で窓から下を覗き見ない
彼女は諦めきれないのかチラチラと視線をこちらに向けてくる。
どうしろというのだろう。彼女の自殺まがいな行為の手伝いをするわけにもいかない。
という訳で彼女を納得させる事ができ、且つ満足させる事ができる解決策を考えなければならなくなってしまった。