表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

天使とアモーレ

 先日、夏帆と歌が参加した飲み会のメンバーにイタリア人がいた。

 そして、今日は芽依も参加しての飲み会。

 間も無く日が暮れる中、三人は相手先が待っている店舗へと向かう三人。

「今日の集まりは、文化研究会っていうサークルなの~」

 何か、すごく健全な集まりに聴こえる。

 無論、学業を学ぶべき大学内の集まりなのだから当然ではあるが、その中に話題のイタリア人がいる。

「イタリア人とか言ったって、普通の留学生でしょ?。言葉が違うだけで、やる事は日本人と変わらない気がする」

 海外から日本という環境が変わった分、日常が割り増しになった程度にしか思えない。

 と、今さらながら、芽依は思ったりもするが、

「そんなのだったら、いちいち教えに来ないでしょ!」

 言うまでもない言葉が夏帆から返ってくる。

 今日の趣旨は華の大学生活を楽しくしてくれる人を探すなのだから、日常を逸脱してくれる人がいてくれなけばならない。

 と、言う訳で、

「それは、そうなんだけどね!」

 と、語尾が跳ねるほどの返事。 

 よほど、今日の集まりに期待をしているのだろう。

「ちなみに、歌はイタリアの人を知っているの?」

 と、今日の主催者に聞く。

「え~、知らない。この前の集まりは日本の男の子と話していただけだし~」

 随分とのんびりしている主催者た。

「あはは、私は見ていたよ。芽依には教えてあるから、これから遭遇するであろう相手の事を聞いておきな」

「えっ、私が?」

 と、芽依が言うが、夏帆の返す返事は、

「私はイタリア人に興味は無いけど芽依は違うだろ。変にはまっちゃたら不味いし。それに歌が一番ヤバい気がするからね」

 今日の目的は男子との交流ではなく、あくまでもイタリア人を知るためだ。

 そして、それに付随するものがあると思えば、事前の準備は必要で、芽依自らが、聞いたことを口にすれば、注意すべき事を認識出来ると言うのが夏帆の意見。

「う~ん」

 悩むような雰囲気をかもしながら、芽依は聞いた事を頭に思い浮かべる。

 別に、口説き文句に優劣がある訳ではないが、より効果的な物言いをする事で、一層の免疫がつくと思うのかも知れない。

 そして、、少しの合間を取った後に、芽依は口を開く。

「君は天使?」

 などと、歌へ問い掛けてみる。

「えっ、誰が?」

 話が唐突過ぎて、混乱する歌。

「違う、違う。それは口説き文句の始まりだ」

「そう、こんな感じで話し掛けてくるんだって」

 そして、続くセリフを口にする。

「僕の瞳の中に天使が降りてきたのかな?」

「ふんふん、天使って私の事か~」

 かなり、嬉しげな歌の反応。

「それも違う。私達だけに言っている訳じゃあないぞ、奴らの対象は、女ども全てだ」

 浮かれた気持ちに釘を差すような夏帆が頼もしい。

「そうか~」

 少しだけ冷静に戻る歌。

 まだ許容の範囲らしい。

「他には、(アモーレ!。君と一緒にアモーレ出来たら幸せだっ)とか言うみたい」

「アモーレって何?」

「それも調べてきた。アモーレってのは、愛とか愛する人って意味らしい」

「なんか普通な気がする。女の子を愛するのは普通でしょ~?」

 確かに、その通りだ。

 しかし、聞き慣れない言葉と高めのテンションは不信感しか感じない。

 余談ではあるが、(アモーレ)という言葉は、口説き文句においては特別な意味があるらしいが、ここでは書かない事にする。

 このように、唐突な口説き文句と、一見して普通の口説き。

 何か、緩急を付けているのは分かる。

 であれば、最後のトドメがあるはず。

 そして、それは、

「銀行口座を教えて欲しい。今夜、君が出てくる夢を思えば出演料を払いたいんだ」

 もはや、言い回しのこだわり過ぎて、口説き文句と振り込め詐欺の違いが分からない。

「怖っ、そんな夢に誰が出るんだよっ」

 と、夏帆が言うほど、強めな口説き。

 流石に、歌も過剰な反応を見せる。

「凄っ~~!」

 と、驚きを短い言葉で表すしかなく、語尾が伸びるだけ伸びた。

 しかし、それは誰か聞いても、同じだろう。

 ただ、歌特有のしゃべり方は、分かりやすいので大助かりだ。

「そうでしょ。何回聞いても、歯が浮きそうな言葉なの。その言葉を路上で口にするらしいのよ」

 しかし、それは日本国内で暮らす多くの人々が、生涯聴くことの無いような言葉の羅列である。

「私達が知ってる男の子達とは比べるほうが、間違っている気がする~」

 それは、そうだろう。

 そのような言葉が日本全国で聴こえれば、芽依の楽しみが悪い意味で尽きることは無いだろう。

 と、言うが予備知識を仕入れる事は出来た。

 そして、ある程度の免疫は付いた。

 しかし、未だ実物には遭遇していない。

 その分、多少の不安はあるが、未知との遭遇への準備はOKだ。

「いい?、今日の集まりは、イタリア人の観察が目的何だから、口説き落とされちゃあダメよ」

 と、夏帆から最後の忠告が言い渡される。

「大丈夫だよ~。そんな感じって分かっているのに、落ちる子なんかいないでしよ~」

 と、一番落とされそうな歌が言っているのだから、まずは安心出来るのかも知れない。

 そして、店に到着。

 中を覗き込めば、早々に面子が揃っている。

 そして、いよいよの飲み会は始まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ