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比較的最近更新した短編のまとめ場所

国民ランク

作者: リィズ・ブランディシュカ



「親切な国民」


 俺の生まれ育った国には国民ランクと言うものがある。


 ランクがあって、ゴールド、シルバー、ブロンズ、クリアがある。


 ランク(位)を上げる方法はいくつかある。


 善行を積むか、力の強いやつに目をつけること。


 力の強い奴を弱い奴が倒したら、そいつの位を奪う事ができるんだ。


 



 殺伐としてるって?


 まあ、確かにな。


 でもメリットは多い。


 位があれば、便利だぞ。色々な事ができる。


 公共のサービスを受けられるし、何か研究する時は補助金だって貰える。


 生活が困窮したら、生活資金をもらえるし。


 病気になった時は、薬だって処方してもらえるし、最新の医療を受ける事も出来る。。


 そのかわり、国が困った時には、力を貸してやらなくちゃならないって誓約があるけど。


 断ったらどうなるかって?


 さあ、どうなるかな?


 もしかしたら、処分されたり、何かの実験施設に連れていかれたりしてな。







 国の内部の様子はどうだって?


 別に殺伐となんかしてねぇよ。


 今の所、疫病もはやってないし、豊作だし、戦はないし。


 皆、親切だし。


 国も俺達を助けてくれるし。


 だから、お前さんもこの国に定住してみたらどうだ?


 あてもなく各地を放浪する旅人なんて、大変だろう?


 そうそう。


 この国に住めば、いいことたくさん。


 俺の紹介で住民票を申請してやるよ。


 いいってことよ。


 こまった時はお互い様だろう。


 さあ、いこうぜ。









「移住を決めた旅人」


 俺は旅人だ。


 気ままに各地を放浪する日々が気に入っていた。


 けれど、持病の悪化で中断を余儀なくされてしまった。


 そんな時に、その国にたどりついた。


 最初は怪しく思えたが、国の中は特に治安が乱れているわけでもないし、と定住する事を決めた。


 住民票とか国民の申請とか色々やった後、住居を与えらえた。


 俺のランクはクリアだそうだ。


 一番下のランクだけど、特に困った事は起きていない。


 この分なら何事もなく平穏に過ごせそうだ。


 そう思っていたけれど。








 数か月後。


 国の非常事態が起きた。


 大規模な災害が起きて、その国に住めなくなってしまった。


 空から隕石が落ちてきて、土地が駄目になるなんて、誰が考えるんだよ。


 俺達国民は、他の国に移住する事になったけど、この国は国民が多すぎる。


 全部は受け入れられないだろう。


 だから国王は、泣く泣く決断した。


 ランクが低い人間は見捨てます。


 と。





 一番低いクリアの俺達は住めなくなった国に置き去りにされる事になった。








「三十年前に国王へアドバイスした占い師」


 この国はもうすぐ未曽有の危機に見舞われます。


 しかしここは人が多すぎる。


 だから、いざという時に切り捨てるべき人達を選別しておくべきでしょう。


 どうされますか? 国王様。




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