1 入学式のスピーチでリア充爆発しろ
登場人物 シャルロット・ノヴァ:最弱主人公
アンナ:巨乳メイド
以下リア充共
俺、佐藤光男には好きな人がいる。学院でも屈指の美女、ピッチピチのHで美人なギャル先輩こと美和子さんだ。誰だって一度は憧れるだろう。だって美人だぞ。美和子先輩は陽キャで陰キャな俺とは程遠い存在ではあるけれども美和子先輩に恋に落ちてしまうのはしょうがないのだ。もう一度言うが美和子先輩は美人だからな。あと、体つきも凸凹のシルエットが出るくらい色々...豊満だしな。何をとは言わないが。俺は覚悟を決め遂に美和子先輩に告白した。
「あ、あの美和子先輩」
「どしたん?」
「好きです付き合ってください」
「いいけど」
「へ?」
こうして、あっさりと俺の人生一大告白をokしてくれた。なのに、どうやら俺は死んでしまったらしい。幸せ過ぎて...これ以上恥ずかしいものはないと思う。巻き込んだ美和子先輩ごめん。ただ気にかかったことは今年で中学生になる妹の存在かな。妹よ、すまん。兄はちょいとお天道様の方に行くようじゃ...。頭がぼやけて、脳がシャットダウンした。これが俺の黒歴史こと前世だ。なのにどうやら俺は転生してしまったらしい。俺が一番嫌いなタイプの可愛い系美少女に。例えるならアン〇ンマンのコキンちゃんみたいな存在だな。まず転生したと気づいたのは9才の時だ。体に違和感があったから、寧ろそれまでよく気が付かなかった程である。金玉を失った代わりにこの美少女ボディを手に入れたがそこまで俺はショックではなかった。だってメイドさんが巨乳なんだぞ、Dカップくらいの巨乳だぞ。そりゃ悲しみより喜びが勝つだろう。だがこの美少女ボディ、欠点がもう一つあった。それは超がつくほど弱いのだ。まるで美貌にステータスを全振りしたようなこの使いにくいボディ。流石にこれには切れた。巨乳よりも怒りが勝つのは当然である。それで俺は何もできず出来ることと言えば部屋でのんびりする以外ないのだ。終わってるだろ。でもそんな俺にも嬉しい知らせが来た。何と、学院に通わせてくれるらしい!しかもエリート校。これで俺の青春ラブコメ時代突入だ!と思い俺は今、学院に行くため馬車に揺られてる。
「アンナ、学院が見えてきたわ!」
「お嬢様お座りください」
立ち上がって興奮する俺を巨乳メイドことアンナが宥める。いやまあ、ねぇ。誰だって十年ぶりの外出には興奮するだろ。今まで散歩すら体が弱いから許されてなかったんだぞ。ガタンと馬車が大きな門の前で止まる。エリート校、左翼学院。右翼学院と姉妹校でまるで王城のようだ。馬車のドアが開くとアンナがエスコートして出してくれる。巨乳が手にあたって幸せ...ではなくて。
「すごいわ!アンナ!!!大きくてとてもステキだわ!!!!!!」
「お嬢様、あまりはしゃぎすぎるとまた咳が出てしまいますからお気を付けを」
「もうわかったわよ」
アンナから水筒をもらい一口飲んで喉に栄養を与える。ぶっちゃけ一言発しただけで喉が痛いんだよなぁ。美少女も美少女で不便なんだよ。異世界厳しすぎるだろ、サバイバルゲームの世界に俺はいるのかな?そうこうしているうちに寮に案内してもらい急いで制服に着替え入学式のスピーチの準備をする。
「だるいわぁ...」
「仕方ないでしょう、お嬢様。主席を取ったからには頑張れとも奥方様も言っていらしたではありませんか」
「だよねぇ...」
もう少し歩いただけでプルプルと足が震えているが最初の頃よりはマシだ。転生したてのホヤホヤの時なんて歩くことさえ無理だったからな。入学式が開かれる舞台に入るとブワァと熱気が俺を包む。舞台裏で椅子に座り待機していると同じくスピーチをするらしい仲間が隣に座った。
「隣、借りるね」
胡散臭い笑顔を張り付かせた銀髪の男だった。よく見ると表情筋がボロボロだ。可哀そうに、俺と同じ感じだな。
『一年主席 シャルロット・ルヴァさん、お願いします』
アナウンスで呼ばれ舞台裏から舞台へ移動する。すると数多の視線が俺を襲った。怖い、すごく怖い。でもこれだけは言いたかった。ここにいる大半のリア充に向けて
「ご機嫌よう、皆様。一年主席のシャルロット・ノヴァと申しますわ。以後お見知りおきを。わたしは皆様に一つ、伝えたいことがありますの」
すぅ、と息を大きく吸い込む。そしてマイクに向かって大声で言い放つ
「リア充爆発しろ」
キーンと音が響きざわざわしていた会場が沈黙に包まれる。チラリと周りを見ると教員すらも困惑してた。だが俺はそこで辞めずに更に声を放つ
「わたしは別に、リア充が嫌いではございませんの。ただ、その行動が少し、ほんの少しイラつくだけで。だから皆様、リア充が集まるこの場がすごくすごくイラつきまして、取り敢えず...静かにしろ」
最後の声をワントーン低くして、俺はリア充どもを見る
リア充爆発しろ