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第5回 2人の科学者

喜一と千夏は謎の老人・赤木と出会う。

白い建物の裏口に案内される喜一と千夏。


扉があり、開けると地下へ通じる階段があった。


「ね、ねぇ。なんかやばそうじゃない?」


小声で喜一に話す喜一。


「でもここまで来ちゃったし・・・。なんかあったら逃げ出せば良いさ。」


「どうかしましたかな。」


振り返る赤木。


「い、いえ。それよりこれは、地下室への階段ですかな?」


「そうです。どうぞお入り下さい。足元に気をつけて・・・。」


赤木は高揚に乏しい物静かな口調で喋る。


「お、おじゃまします。」


2人は警戒しながら、赤木の後を進む。



やがてまた扉にぶつかる。


鍵を開けて扉を開くと、異様な部屋にたどり着いた。


千夏「こ、ここは」


喜一「何です?」


蝋燭が並び、奇妙な絵や彫刻がある。


中央には大きな絵が奉る様に飾られている。


絵は黒装束にフードの人物が手を天に掲げていた。


顔はフードの陰に隠れて見えない。



「驚いたかね。これぞ私の崇拝する神『ドゥ・ヴォール』」


「あ、あのぉ、もしかして貴方は宗教関係の。」


「いかにも。私はドゥ・ヴォール教を信仰している。普段は科学者をやっているがね。」


「あ、あの、私達時間が無いのでこれで・・・。」


帰ろうとする千夏を赤木はすぐさま引きとめた。


「待ちなさい。用があるからここへ来たのだろう?」


「いやぁ単なる見物でございまして・・・。長居してはご迷惑ですので、おいとまさせていただきます。」


喜一も早くこの場から離れたかった。


「迷惑などとんでもない。どうかね君達。ドゥ・ヴォール神に信仰する気は。」


「無い無い無い無い!私達、そうゆうの興味ありませんから!帰りましょう!喜一君!」


「ワープの事に関して知りたくないのかね?」


2人「ふぇ!?」


「先ほども言った様に君達と同じ様な年齢の若者3人が数日前、突然この町に現れた。彼らにはこの部屋はまだ見せていないが、私に協力してくれるなら、元住んでいた場所に帰らしてやろうと条件を出したのだ。」


「きょ、協力って言うのは・・・?」


喜一が唾を飲み込んで聞く。


「まずは私の科学者としてのライバルである岩城博士をここに連れて来てもらう。その男とは昔からいささか固執があってね。」


「ほ、他にも何か?」


「彼らにはまだ切り出していないが、このドゥ・ヴォール教に身を投じてもらう事。数ヶ月も信仰していればすぐに心は変わる。立派な信者となるさ。」


「し、信者にしてそのまま返さないつもりなんじゃないの!?」


苛立ち始めた千夏は思い切って言う。


「なぁに。完璧な信者となれば故郷へ帰って宣教活動してもらうつもりさ。そのくらいの条件があっても良いものだろう?特に宗教に関わっても不都合等生じない。」


「ほ、本当に帰れる術をアンタは持ってるんですか?」


「そうだねぇ。君達がワープしてしまったのは、岩城博士の作った『次元移動装置』の原因だろう。」


喜一「次元」


千夏「移動装置?」


「あまりに荒唐無稽すぎて信じがたいだろうが、現に君達は次元の壁を越え一瞬で遠く離れた場所へ来てしまった。岩城の身勝手により君達は実験台にされてしまったのだろう。」


「実験台ですって?」


「そう。自らをワープしてしまっては帰ってこれない。故に別の場所の人間をここへ転送させたのだ。人間を無意識におびき出す特殊音波を使ってね。」


信じられない話だが信じてしまう。


今まで自分達の身に起こった事と辻褄があってしまうからだ。


「そ、そのせいで気がついたら朝っぱらか林の中を歩いて、変な光に巻き込まれて・・・。」


「この変な町に来ちゃったわけ?」


「そうゆう事だ。他の3人も大方同じ理由だろう。君達は岩城を恨むべきだ。帰りたいなら、私に協力したまえ。我が神を信じる。それで良いんだ。」


選択を迫られ困惑する2人。



つづく





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