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第4回 想うは故郷

あてもなく途方に暮れる千夏に希望があると信じ、喜一は仲間に迎え入れる

「・・・何とか、なるか。」


喜一の言葉を信じて千夏は少しだけ元気が出る。


「その通り。望みは薄いけどあてがないわけじゃないよ。」


「何か良い方法があるの?」


「向こうに白い建物がある。さっき俺はあそこを目指して歩いた。そしたら変な3人組の一人が俺に言ったんだ。『絶対に近づくな』ってな。これは何かあると見たよ。」


「で、でもそれは危険って事よ。よしておいた方が良いんじゃない?交番でも探した方が良いわ!」


「それがどぉもこの辺りは何も見つからない。何か変なんだよこの町は。」


「うーん。」


考え込む千夏。


「わかったわ!その建物行ってみましょう!」


「そうこなくては!いざ!」



歌「目指すもの」


喜一「希望が無くても目的はある

   何があるかはわからくても

   そこまで行って確かめよう」


千夏「不安だけでは光は見えない

   何かを目指して進まなきゃ

   あそこへ行って確かめたい」


2人「目指すものがあるならば

  きっと何かは見つかるよ

  歩いて行こう ゴールまで」



喜一と千夏は白い建物を目指す



一方3人組は老人をどうにか連れ出そうと模索していた。


秀は苛立っている。


「あ~埒があかねえ。帰る為にあのジジイの言う事聞いてここまで来たのに。今度は別のジジイに悩まなされんのか。」


「あの人危険ですよ。いや両方だけど。もう一回行くと確実に殺されます。」


考が危惧する様にあの老人は狂気に満ちていた。


「このままばっくれちゃおうか。」


愛華が言い出す。


「ばかやろうオメェそんな事したら帰れなくなるかもしんねえんだぞ。」


「でもあの博士だって信用出来ないよ。もしかしたら単にいざこざに利用されてるだけじゃなあい?」


愛華はまだ冷静だった。


「いや、あの博士はワープの事知ってやがる・・・。でも、確かに利用されてるだけかもしんねえ。」


自身が無くなってくる秀


「もう一回博士の所へ戻って相談しましょう。何とかしてくれるかもしれません。」


「そ、そうしようか。気が遠くなるな。ホントにこのままで良いのかねえ。もう5日間もこの町にいるんだ。気力が無くなってきたよ。」


「何しろ、交番がありませんからねえ。」


「人もさっぱりいないしね。」


「俺は帰りたい。ふるさとへ。」


歌「想うは故郷」


秀「目を瞑れば思い出す

  我が故郷 懐かしきふるさと

  帰りたくても帰れない」


考「思い出せば辛くなる

  我が故郷 我がふるさと

  知らない町で嘆くだけ」


愛華「離れてみると愛おしい

   我が故郷 我がふるさと

   いつかは帰るあの場所へ」


3人「帰れるだろうかアノ場所へ

  我が故郷 我がふるさと

  帰りたくても帰れない」



「ようし。こうなったらさっきの奴を探すんだ。役に立つかわかんねぇけどとにかく、何か聞いてみよう。」


「あの時そうしてれば良かったんですけどね。」


「まったくよね。」



白い建物


「ふぅむ。誰か住んでるのかな。」


静かな場所だった。


「何で最初にこの場所に来ようと思ったの?」


「何となくだよ。目に入ったから行ってみようって思ったわけよ。」


「私もそのくらい、気楽で行こうかな。」



その時、黒い背広の老人が現れる。


「君達。そこへ入っちゃ行けない。用があるならこちらへ・・・。」


「あ、あなたはこの町に人ですか?」


驚きながら千夏は問う。


「そうさ。私は赤木。君達はもしかしてこの町に突然迷い込んだのではないかね?」


「どど、どうしてそれを!?」


喜一も驚く。


「数日前、君達と同じ様に3人の若者が突然この町に現れた。全員異なる場所に住んでいながらいきなりここへワープしてきてしまった様だ。」


あり得ない事を堂々と口にする赤木。


喜一と千夏はこの老人は何か知っていると思った。


「あんた、何か知っているんですか?随分冷静じゃないですか。」


「お願いします!私達を助けて下さい!」


「・・・ま、こちらへどうぞ。お力になれるかわかりませんが。」


2人は裏へと案内される


つづく






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