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彼女たちは怪獣の残骸を回収すると5分ほどで帰ってきた。魔法で飛べる彼女たちの機動性に敵う者は居ないだろう。彼女たちが帰還すると俺は労いの言葉を掛けて印刷しておいた一枚のプリントを手渡す。
「今回の戦闘の反省点を纏めてある。今回は怪我人もいないし装備も損傷してないからすぐにトレーニングに入れるな」
「えー!!シャワーくらい入らせてよケチ!」
黄、夏穂が文句を垂れながら怪獣の頭を殴る。すると勢いよく飛び出した溶解液がシャワーになって惨劇が起こった。彼女達全員溶解液でコスチュームを溶かされ一糸まとわぬ姿になってしまった。彼女達は自分の置かれている状況を認識すると慌てて自分の胸を隠す。
俺は大きなため息をついた。
「なんで折角無事に帰ってこれたのにこんなポカで装備を全損するんだ。装備を作るこっちの身にもなってくれ」
「九条君、お怒りなのはごもっともだけど、年頃の乙女の裸を見続けるのは感心出来ないわね」
紫、佐奈が代表して苦言を呈す。周りもうんうんと言わんばかりに睨みつけてきた
「お前らが勝手に自滅したんだしそれに風呂やらなんやらでしょっちゅうお前らの身体見てるんだから別に問題ないだろ」
「それとこれとは違うのよ!問題大有りよ!ヘンタイ!」
赤、志織が顔を真っ赤にしながら怒鳴る。俺は降参したように両手を挙げて後ろを向くと
「わかったから怪獣の残骸投げようとするな。取り敢えずこの有様じゃ訓練にならんからシャワー浴びて着替えてここを掃除してからトレーニングだ。俺はお前らのスペアのコスチュームの調整の準備と怪獣の残骸の解析をしてくる」
そう言ってラボに向かい一人になる。ラボの机には5色の腕輪が置かれている。これは彼女たちの髪色でありパーソナルカラーを表している。戦闘中俺たちが互いを色で呼び合うのは俺たちのプライバシー保護の点もあるが何より分かりやすい。生憎俺の髪色は彼女たちのようにカラフルではない地味な黒だから呼び名も黒だ。腕輪の話に戻そう。この腕輪には魔法の力で彼女たちのコスチュームと武器が格納されている。腕輪の隠しボタンを押してメンテナンスモードにすると、腕輪が光りラボのコンピューターと連動する。俺は一時間ほどこのコンピューターと格闘するのだった。
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