第七話 国の審査は厳しいの?
二人はパース様がいる施設の前にきていた。
順番待ちをして、やっとのことで、順番が回ってきたのだ。
ミレアが第一声を発した。
「パース様、トロトロ薬草豆、納品にきました」
「おお、ダングラス殿の見習い生か。どれ、みしてみい」
「はい、では、ただいま。レナン、袋二つ渡して」
「ハイ、プ二」
レナンは、パース様のいる机の上に、納品物が入った袋を置いた。
しかし、語尾のなまりがでてしまったのだ。
モンスターということがばれなければいいが。モンスターといっても可愛いスライムだ。
だが、ここは城の中。モンスターがいては、最悪、衛兵にみつかれば殺されかねない。
「(もう、何言うのよ、ハイだけでいいのよ。素性ばれたらどうするの!)」
「ははは、あのですね、弟は、言葉がたまに、外国語になるんです。そういう癖が、パース様あるんです」
ミレアは、苦笑いをしてごまかした。
パース様はひげを引っ張って、笑顔でうなずいた。
「おお、そうか。魔法で調べるところ、毒はないようじゃな」
なんともう知らない間に、パース様は魔法で毒を調べていた。
そして、袋の中に手を突っ込み、白く輝く豆を一粒、とりだした。
「この白銀の輝き、どれ、一つ」
パース様は口の中にトロトロ薬草豆を放り込んで食べた。
「うむ、この口の中でほわわと回復しながらとろける感じ、これは確かにトロトロ薬草豆だな。よくぞ、納
期どおり作った。ほめてやるぞ。これで、兵士の傷も治る」
「ううう、よかったですぅ」
ミレアは、作ったものが、無事に品質鑑定が通り、嬉しさのあまり、嬉涙を流した。
一歩間違えれば、ムチ打ちという酷刑がまっていたからだ。
無事にクリアできたわけだ。
そうして、パース様は金貨が入った袋を裏手側から取り出した。
「さて、報酬の250PRIと品定合格証書だ。受け取れ、見習い生よ」
「ハイ、どうもです。有難うございます」
ミレアは嬉しそうな顔でその金貨袋を受け取った。
「では、これで失礼いたしますぅ」
二人はお礼を言い、お辞儀をして、後ろ側にあったドアを開けた。
「はて、おかしな外国語をしゃべるやつじゃな」
パース様はうなずき次の物件が書かれてある物件表をみた。
ミレアは、レナンとともに鑑定室から出るとほっと胸をなでおろした。
緊張していたのだ。
そして、ドアを閉じた。
「じゃ、いくわよ、レナン」
「わかったプニ」
プニロンとミレアは、品定施設の方から、城の門のほうへ歩き出した。
「プニロン、みてみて、品定合格書よ、250PRIよ」
ミレアは喜んで品定合格証書を空に掲げた。
あまりに嬉しかったのだ。自分で初めて作り上げて納品したからだ。
「良かったプニね。これで借金返せるプニね」
「うーまだ一億もあるのよ。せんせい~早く帰ってきて~」
「頑張るプニよ」
レナンはファイトのポーズをゴーレムでとっていった。
ミレアは終始笑顔でうなずいていた。
二人は話しながら、城を後にした。
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次は昼一時にアップします。
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