第十二話 形が変わる剣てすごくない!?
しばらく時間が経ち、料理が整って、朝ごはんの準備ができた。
かろうじて、壊れてなかった、イスとテーブルを並べて、ミレアたちは朝ごはんを食べていた。
ファイがシチューをすすりながら、ミレアにきいた。
「お前、名前は何ていうんだ?」
「ミレアです。この店の代表をやっています」
ミレアは笑顔できりかえした。
シチューをスプーンですくい、食べると、ファイはおおっと感心をしていた。
ミレアは、アイテムを精製するのは苦手だが、料理は格別に上手だったのだ。
となりで、プニロンもシチューをおいしそうに食べていた。
「美味しいシチューだな。お前が作ったのか?」
「そうですよ、えへへ、腕によりをかけて作りましたから。どこかのプニさんみたいにワライダケは入って
ないですよ、ね、そこのゼリーさん?」
いうと、ミレアは恨みがあったのか、ジト目でプニロンをみやった。
プニロンがギクッとした顔つきでいった。
「あれは、故意的に入れたんじゃないプニよ。間違えたんだプニ」
「ぶぅっ、このシチュー、ワライダケが入ってるのか?」
ファイがその話をきいて、シチューを少しはき出して口をこほんこほんした。
ミレアはえへへと、笑顔で愛想を振りまいて、言葉をつむいだ。
「心配しなくても大丈夫ですよ、入ってるきのこは普通のマッシュルームですから。マアム市場で買ったものなので信用していただいて結構ですよ」
「そうか、それなら安心だな。所で、さっきから気になってたんだが、隣にいるスライムは何だ? 妙に懐
いてるようだが? お前の何なんだ?」
「あ、まだ話してませんでしたね。サンダースライム族のプニロンです。あたしの忠実な、忠実な、下僕よね、ね?」
ミレアはスプーンでプニロンを突っついた。
つつくと、プニロンのゼリー状の体がぷにっと揺れた。
「そうプニね、ミレアのプニロンこう見えても、男前プニよ、それぇプニ」
そういうとプニロンはピョンピョンと跳ね、近くにあった人型ゴーレムの中に入った。
「な、何だ? 人形の中に入った?」
「おほん、ファイさん、この美剣士、名をレナンと申すプニ」
プニロンは凛々しい顔をして、スラッとしたポーズをして、カッコをつけた。
「しゃべった? なんだこれは?」
まるで本物の人間のように動いて表情まであるゴーレムにファイはビックリしていた。
口をしばらくポカンとあけたままだった。
ミレアが少し笑い説明しだした。
「えへへ、あたしが作ったゴーレムなんです。中に入ると、人間と同じになることができるんです。魔法で
細工してあるんです。男前に出来てるでしょ?」
「へぇ、お前そんなこともできるのか。大したものだな。で、沢山ゴーレムがあるが、美形ばっかりだな」
「ミレアはイケメンが好きプニ。毎日、枕抱いて、リオン様ぁ~って言ってるプニよ」
「こらぁ、あんた、何言うのよ。レディに失礼よ」
ミレアは照れくさそうに顔を赤らめ、プニロンを捕まえて、思いっきり口を引っ張った。
「痛いぷにぃ、口を引っ張らないでプニ~」
「あんたね、毎回だけど、一言多いのよぉ~。あたし、乙女なのよ~気を使いなさい!」
毎度のことだが、しばらくプニロンは口を引っ張られ、ミレアのおしおきが続いた。
となりで、ファイがそれをみて、ため息をつき、口を開いた。
「お前たち、いつもそうなのか。にぎやかだな。ペペロンチーノ国の直系、リオン王子か。あいつも元気にしてるのか」
ファイは意味深な発言をした。
いったい、この人は何をしていた人なのだろう。謎につつまれていた。
リオン王子と知り合いなのか。そうならば、王族なのか。
ミレアがこの発言にピンと来て、プニロンの口を引っ張っていた手を離した。
「あいつって、ファイさん、なれなれしいんですね。まさか、知り合いですか」
「さあな、血族ではないのは、確かだな」
ファイはシチューをすすりながら、さらっといった。
ミレアは首を傾げていた。
そして、あることにミレアは気付いたのだった。
ファイは妙にデカイ剣を背負っていたのだ。
「ファイさん、背中に大きい刀、背負ってるんですね。重くないんですか?」
「あぁ、これか、使うことはないな。バスターブレイドっていうんだ。こんな風に形状をトリガーで変えれるんだ。今は一番大きいバスターソード系だ」
重いだろう大剣を片手ひとつでファイは引き抜きもったではないか。
そして、剣の芯のところにあるトリガーを一回だけ引っ張った。
すると、剣が光り、ロングソードに形状が変わったではないか。
「後はロングソード系、ショートソード系にも形を変えれる。こんな風にな」
もう一回、ファイはトリガーを引っ張った。ロングソードからさらに小さくなり、ショートソードに形を変えた。
これがバスターブレイドか。
ミレアは、魔法みたいな剣にすごいと息をのんでいた。プニロンもポカンとしていた。
「凄い武器ですね。はぁ」
「どうした、ミレア。下向いて、気落ちしたのか?」
心配そうにファイはいうと、剣を鞘にしまった。
ミレアはうつむいていた。さっきの男たちを思い浮かべていたのだ。
「剣みたら、また、ワルイザーにねらわれるのかと思うと、少し怖いんです」
「……。そうだろうな。いくら、お前が魔法達者でも、実戦経験はないだろうな」
ファイはしばし口を閉ざし、考えると、ポンと手をたたき、笑顔で話し出した。
「よし、決めた、俺は流れ者だから、反逆罪にもならねー。お前のボディガードをしてやる。だから、心配するな」
「え、ほんとですか。だけど、雇うお金もなくて」
「誰がお金取るなんていった? 無償だ。ただ、宿とご飯だけは提供してくれ。後はいらない。ちょうど俺も寝床を探していたんでな」
「嬉しいです、じゃぁ、寝床とご飯は提供するので、よろしくお願いします」
ミレアは心強いボディーガードができたことに、嬉しくて、ほわほわだった。
ファイはへへっとほほ笑んだ。
もう、シチューは食べ終わり、サラダに手をつけていたところだった。
「えへ、元気でました。お腹すごく空いてたんですね。おかわり取ってきますね」
明るくいうとミレアはファイの皿を持って元気よく台所に走っていった。
みんな、ミレアの明るいところにやられるのだ。
なぜだか、不思議な魅力を持っている子だったのだ。
そのとき、プニロンがぴょんと跳ねて、ミレアの後をついてきていた。
「(ミレア、大丈夫プニか?)」
「(何が?)」
「(信用しても大丈夫かプニよ。どこの馬の骨かも判らないやつボディガードにして)」
「(大丈夫よ、助けてくれたし、赤毛だけど、悪い人には見えないわ。仕事するのに人手も欲しかったし。
ワルイザーはほんと怖いしね)」
ふたりは、ファイに聞こえないくらい小声で話していた。
ミレアもファイは悪い人には思えなかったのだ。
プニロンはそのまさかを心配していたのだ。
シチューを皿にいれ終わり、ミレアはこぼさないように慎重に台所から歩いていく。
「お待たせしました。おかわりです」
「すまないな。借金もあるのに」
ファイがすまなさそうな顔でいった。
「構わないですから。気になさらないでください」
そのときだった。
「ファイさん、おれっち、少しききたいことがあるプニ」
「なんだ? 答えれる範囲で答えるぞ」
「出身はどこプニ? 身分はなにプニ? もしかして、貴族プニか?」
プニロンはいぶかしげな顔でいった。
「はは、何かと思えば、そういうことが聞きたいんだな。了解だ。答えよう」
ファイはなんだそんなことかと、大笑いをした。
「俺は流れ者だ。この国の出身でないのは確かだ。身分はそうだな、貴族ではないな。この格好みて判らないか。粋な格好してねーだろ」
ファイは腕を組みながら、プニロンを不敵な笑みでみやった。
プニロンが続けて口を開いた。
「じゃぁ、第二身分の騎士業プニか。それに、見慣れない、その剣の紋章はなにプニか?」
「さぁな、魔方陣で召喚された、異世界のものかもしれねーぞ、なーんてな。気軽にいこうぜ。堅い話はよそうぜ。ただ、信じてもらいたいことが一つだけある」
「?」
ファイが指を立てながらいうと、ミレアとプニロンが不思議な顔をした。
「悪者ではないのは確かだ。マイナスになるような、危害も加えはしない。俺が一緒に受けた仕事、手伝ってやる。借金、返済がんばろうぜ、な、みんな、顔上げて、元気だせ」
「そうですね。ありがとうございます」
ミレアは嬉しそうな顔で、ぺこりとお辞儀をした。
そのとき、ファイが立ち上がった。
立ち上がって、壊された部屋の中を歩きながら隅々までみやり、話し出した。
「とりあえずだ、このごちゃごちゃに壊された、仕事部屋、早く直そうぜ、俺が大工仕事してやるからさ」
「ファイさん、大工仕事もできるんですか? 直さないと仕事も進みませんね」
ミレアが感心した顔つきでいった。
「そうだ、がんばろうぜ。ああ、ぐちゃぐちゃに花が踏まれてるな」
ファイは花瓶を落とされて、踏まれているのをみて、厳しい表情をした。
そして、手をポンとたたいて、ミレアの方を向いていった。
「よし、帰ってくるまでに、窓と、テーブルは直しておく。ミレア、大工道具はどこにあるんだ?」
「えと、このまえ看板作るのに使ったから、二階にありますね」
「二階だな。わかった。ミレア、花買うくらいの金はあるんだろ?」
「この前、報酬払ってもらったばかりだから、ありますけど……」
「そうか、じゃ、花、買ってきてくれ。店にはインテリアであるといい。客寄せにも花は必要だしな」
「判りました。ポッキーリ花屋にいってきま~す」
ミレアはそういうと、金貨袋からお金を少しだけもって、ドアの方へかけだした。
プニロンがピョンピョンはねて、後をついてきた。
「ミレア、待つプニぃ~オレッちも、一緒に行くプニ」
「え、あ、うん、いいよ、一緒にいこ」
明るい笑顔でいいながら、ミレアは自分の店を出て、街道を歩いていった。
「明るい姫さまだ。さて、この内装どうするかだな」
ファイは少しため息をついた。壊れたものを直すのは確かに難しいことだ。
「とりあえず、ミレアたちが帰ってくるまでになにか直すとするか」
そういいながら、ファイは大工道具を取りに二階へ行った。
☆☆
おつかれさまです。
何回も見てくださっている読者様には感謝しかありません。
ほんとにありがとうございます。
読み物としてがんばっていくのでよければブックマークなどしていただけるとうれしいです。
ファイ出てきましたね。大工仕事が得意な一面もでてきましたね。
どうファイはミレアを助けていくのでしょう。
魔双戦記の方もよろしくお願いします。
またおあいしましょう。




