第十一話 窮地に異世界からきてくれたうれしい戦士じゃない!?
ガシャン!
「な、なにー、何の音?」
ニ階で寝ていたミレアは大きな音が一階から聞こえ、飛び起きた。
プニロンも剣幕をかえていた。モンスターの勘だ。危機を察したのだ。
一階で何かが起きているのは二人にはわかった。
ミレアとプニロンは顔を見合わせた。
「一階からだわ、一体どうしたのかしら?」
プニロンは危機を察知し、一階に続く階段をミレアより早く下りていった。
すると、一階には黒装束の武装した男たちが数人いた。
襲撃されていたのだ。窓は壊され、お客さま用のテーブルやマグカップも壊されていた。
ここまでかと、いうくらい、荒されていた。一体、何者だ。
「止めるプニ、勝手に入ってきて、窓、壊すってどういうつもりプニ!」
プニロンが剣幕を変えてくってかかった。モンスターといえど相手が強者なら殺されかねない。
「なんだ、このスライムみたいなのは、ここはモンスターも飼っているのか」
黒装束の男はいう。剣を引き抜いていた。
そのときだった。
ミレアが恐る恐る、手にほうきを持って、下りてきた。
「キャー窓が。あなたたち、窓こわして、いったいどういうつもりなんですか?」
ミレアが呆然と立ち尽くしてると、黒装束のリーダー格が口を開いた。
「私たちは、ペペロンチーノ国の、国家組織ワルイザーだ。お前たち、国に、一億の借金を抱えているではないか、代表のダングラスはどうした? いないのか?」
どうやら、国のもので、借金取りらしい。国ということは反抗すれば連衡される。
恐る恐る、ミレアはおびえながら勇気を出して言葉をつむいだ。
「先生はいません。代わりにあたしが代表です」
「お前が今は代表か。借金を払えないのであれば、ここを売って立ち退いてもらう」
ワルイザーのリーダー格の話をきいて、言葉を失った。しばらくの間、沈黙が走った。
だが、相手は待ってはくれなかった。
「おら、いうこときかねーなら、こうしてくれる、おまえら、店を壊せ!」
黒装束の男たちが机を蹴ったりして、暴れ始めた。
「や、やめてください。乱暴はよしてください」
ミレアは涙を困って流していた。自分の店がめちゃくちゃにされているのだ。
いろんな思い出もある。
忠実な下僕がそれを察していた。
「許せないプニ、電撃プニ!」
ヴィヴィヴィ!
「がぁあぁぁぁ」
なんと、プニロンが、黒装束のひとりに、電撃で攻撃をしかけたのだ。
黒装束の男は、電撃でその場に倒れふした。
攻撃の視線が、プニロンに集まる。このままでは、殺されかねない。
リーダー格の男がプニロンをにらみつけた。
「なんだ? このスライム、サンダースライム族か。気をつけろ電撃を使うぞ! 先に仕留めろ」
「プニロン!」
ミレアがかばうように手にプニロンを持った。
プニロンは、ミレアの制止もきかず、戦うつもりだった。
あまりの無法ぶりに許せなかったのだ。
「ミレア、大丈夫プニ!」
「(あたしの精霊魔法で)」
「(ミレアは反撃しちゃ、駄目プニ、あいつら国の組織プニ。反抗したら反逆罪で捕まるプニ。それをいいことに、横暴してるプニよ)」
「こんなとき、先生がいてくれたら」
ミレアは困り果て、涙していた。
「げへへ、国に逆らうとどうなるか、教えてやらないとな、そこのスライムよ」
「おらぁ」
黒装束の男は、剣を引き抜き、プニロンにかざした。
そのときだった。
ドスゥ!
なぜか、斬りにかかった途端、その男は地面に倒れふしたではないか。
いったいどうしたのだ。誰が?
視線が入り口の方へ集中した。
そこには、黒い服装で赤い髪をした剣士風の男が立っていた。
「何奴!」
「おいおい、寄って集って、国の組織が弱いものいじめか。店、壊してお前ら、悪いとも思ってないのか」
赤い髪の男はいう。
「だ、だれ?」
「助かったプニ」
ミレアとプニロンは塞いでいた目を開けて、起死回生のできごとに喜んだ。
「お前、やってることがわかってるんだろうな、俺たちに歯向かうということは反逆罪だぞ」
「聞こえねーな。俺は通りすがりの、剣士だ。どこの国にも属さねー。女子供、弱いものいじめをするのを見てると腹が立つんだ」
そういうと、赤い髪の剣士は剣の段平を裏返し、タンかをきった。
「こいよ、まとめて相手してやる」
「いい度胸だ、全員で掛かれ!」
ドスゥ!
「な、なに一瞬で、五人を」
なんと、瞬きする間に、ワルイザーの男を五人、地面に倒れふさせた。
赤毛の男にとっては日常茶飯事のようなことで、モンスターでもなく簡単に倒せたのだ。
剣士は自信に満ちていた。
「気をつけろ、こいつできるぞ」
そして、赤毛の剣士は、重い口を開いた。
「早く、連れて帰ってやることだな、じゃなきゃ、こいつら死ぬぞ。一応、急所は外してやってる」
ワルイザーのリーダー格は悔しそうな顔で舌打ちをした。
倒れている男たちは苦しそうだ。人間なら見るに見かねるだろう。
「おのれぃ、赤毛、覚えておけ」
リーダー格と、その仲間は、倒れている男たちを抱えて、足を引きずりながら、その場を去った。
撃退に成功だ。
ミレアが泣きやみ、嬉しそうな顔で、赤毛の剣士に歩み寄った。
「あ、あのすみません。助けてもらって」
「いや、いいさ、大したことじゃない。俺もワルイザーのやり方にはムシャクシャしてたんだ」
赤毛の剣士はそういうと、こけていないイスに腰掛けた。
そして、ミレアの方を向いていった。
「借金があるのか?」
ミレアは、その言葉を聞いて、一瞬、顔を濁した。
「えへへ、大丈夫です。少しですから。それより、助けていただいたお礼が何かしたいです」
ミレアはそういうが、赤毛の剣士はお見通しだった。
目線をミレアの方に向け剣士は話し出した。
「お礼なんていい、隠すな、聞こえたぞ、借金、一億PRIもあるんじゃないのか」
「(聞こえてたんだ)あの、お名前は?」
いいにくそうな顔で、ミレアは剣士にきいた。
剣士はにっこり笑いながら答えた。
「そうだな、ファイ・マックールとでも名乗っておくか。流れ剣士だ。奴ら、借金の取立てで、またやってくるぞ、気をつけろ。ああいう奴は、再三、やってくる性質がある」
ファイがそういうと、ミレアは注意深そうに、壊れた窓を眺めた。
少し心配だったのだ。
プニロンが、ファイの後ろにいて、背中に背負っている剣の装飾に気がついた。
なにやら、すごい象りの紋章らしきものがあった。
「(あの剣の紋章どこかでみたプニ)」
いぶかしげにプニロンが想ったときだった。
ファイがイスから立ち上がり、入り口のドアの方へ歩いていった。
立ち去ろうとしているのはミレアにもわかった。
ミレアは助けてもらったお礼がしたかったのだ。ミレアも歩みをよせた。
「あ、あの、待ってください。昨日、仕事の報酬が入ったんです。ご飯でも一緒にどうですか、ファイさん」
そのとき、いったそばから、ファイの腹の音がきこえた。
ファイは少し、あららと苦笑いをした。
「えへ、お腹空いてるみたいですね。シチューの残りがあるんです。ファイさん、一緒に食べましょうよ。あたしたちも、朝ごはんまだなので」
「……。そうだな、それじゃ、言葉に甘えようか。借金を抱えているのにすまねーな」
ファイはすまなさそうな顔でミレアにいった。
ミレアは明るい笑顔で言葉をつむいだ。
「いえ、いいんです。助けて頂いたお礼もしたかったので」
「(あの紋章、怪しいプニ)」
プニロンが想った矢先、ミレアは台所のほうに歩いていき、シチューを皿につぎだした。
☆☆
おはようございます。
何回も見てくださっている読者さまには一番感謝です
ほんとにありがとうございます。
やっとでてきましたね、ファイ。どうなっていくのでしょう。
魔双戦記の方もよろしくお願いします。
そちらはファイが主人公で、出てます。
読んでみると恐らく戦い戦いなので、360度違うと思います、趣が。
読み物としてがんばっていくのでよければブックマークなどしていただけるとうれしいです。
また明日お会いしましょう。




