6 フェンリルを譲れと言われましたがティムしている訳ではないのですよ?
「貴様には勿体無い、俺が貰ってやろう」
目の前でお貴族様が偉そうに言っていた
「バカなの?」
そう言わなかったオレを褒めて欲しい
いえね森の中でフェンリルに出会ったんだよ
なんだかんだあってフェンリルに街まで送って貰った
フェンリルさんは言葉を喋らない仕様だったのでコミュニケーションには苦労したよ
「はい」
か
「いいえ」
で答えられる質問でなんとか凌いだ
なろう小説の知識最高だな!
街についた所で別れると思ったんだがなぜだかオレについてきた
普通乗用車くらいの大きさのフェンリルが街に入っていいのかと思ったらあっさり許可された
街の入り口を守っている門番曰く
「フェンリル様を遮るなんて恐れ多い!」
だそうだ
神様の使いだからだろうか
結構尊敬されていた
ついでにオレも
神獣であるフェンリル様は偉い
そのお付きの人間もついでに偉い
そんな所だ
フェンリル様と一緒に泊まれる良い宿とか教えて貰えた
ちなみにお金はダ女神様から貰っている
1週間分くらいの生活費
その後は自分で働いてね、という訳だ
宿に入って食事をとって ~フェンリル様は宿泊客から食べ物を貢物とされていました~ 寝て起きたらお貴族様に突撃されました
それが冒頭のシーン
フェンリル様を寄こせ、だそうです
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●異世界の貴族(いせかいのきぞく)
クズの代名詞
先祖が偉いだけなのになぜだか自分まで偉いと勘違いしている存在
死ねばいいのに、と思われていることに気が付かないある意味世界一おめでたい存在
異世界にかぎらず世襲というのは間違っているという証拠である
平民が希少な聖獣を持っていると