3 保護者遭遇編
「にいちゃんダメだろ、普通は値切るもんだぞ?」
異世界の市場で買い物していたら年下の子供に説教された
いやね野菜を買っていたんだよ
20kgくらいのズタ袋に入ったやつを5袋
「そうさな~全部で銅貨50枚(5000円)でどうかな?」
値段が結構安かったので買おうとした
「じゃやそれで『じゃなくってどう見ても30枚(3000円)だろう』・・・は?」
お金を払おうとしたらいきなり子供が会話に割り込んできた
そして説教された
それが冒頭のシーン
どう見ても格安じゃん?
お買い得じゃね?
そう言ったら残念な子を見るような目で見られた
どうやら異世界の野菜は結構安いらしい
そりゃそうなのか?
冷蔵庫がないから保存が効かないから?
露天の商人も呆れた顔をしていた
さしずめ『結構大人なのに常識を知らない』といったところだろう
定価で買い物する日本人にとって異世界は無理ゲーらしい
・・・なろう小説ではそんなこと書かれていなかったと声を大にして言いたい
とまあ子供のおかげで結構安く買い物ができた
買い物が終わったら子供から
「なあにいちゃん、銀貨1枚(1万円)くらい金が浮いたよな?オレの手間賃は銅貨50枚(5000円)くらい貰っても文句がないよな」
と言われた
そりゃそうだわな
結構安く買えた
手間と時間をかけて値切ってくれたんら
手間賃を要求するのも当然かもしれん
だから銅貨50枚を渡そうとしたら
「にいちゃん、言われたまま渡すなよ」
まさかのダメだしが来た
・・・だから定価で買う日本人に無茶を言うなと声を大にして言いたい
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●異世界での買い物(いせかいでのかいもの)
買う際には値切るのが常識である
だが日本から転位した人間は言われたままお金を支払うというミスをする
元々値切られるのを前提に金額を設定してるのだから売る方にしてみれば『ありがとうございます』である
いや『ばかじゃね?』だろうか
コンビニやスーパーでしか買わない弊害だと言える
なお日本以外では『とりあえず値切る』というのが常識である
値切るのが目的ではなくコミュニケーションを目的としているそうである
・・・世界は広いと言える
『悪魔の辞典@小説家になろう(連載版)@焼ミートスパ著』より