第3話
「よく来たな。お前たちがお仲間か?」
「そうだ。それより姫君はどこにいるのだ?」
「ふん!そんなこと教えると思うか?」
「では仕方ないな……」
「やれやれ、こちらもあまり手荒なことはしたくなかったのだがな」
「何を言ってやがる。この人数を相手に勝てると思っているのか?」
「やってみなければわからないだろう?」
そう言うと兵士の一人が剣を振り上げながら襲いかかってきました。
「死ねぇぇぇ!!!︎」
キィンン しかし、振り下ろそうとした瞬間、彼の手首は何者から飛来してきた銃弾によって吹き飛ばされていました。
他の兵士たちも驚いていましたがすぐに銃を構え直し発砲していきました。
銃口から吐き出される弾丸たちは次々と迫り来る兵士達を撃ち抜いてゆきました。
「ぐぎゃああああ!」
「うわぁー!」
「ひぃいい!」
数分もしないうちに兵士達は全て倒されてしまいました。そして、二人の目の前には黒ずくめの格好をした男が立っていました。
「さすがですね。私の出番がほとんどありませんでしたよ」
「ふん!俺一人いれば十分だ」
「相変わらずの自信家ですね。それでこそ我が軍のエースパイロットですよ」
「当たり前だ。俺は最強の兵士だからな」
「それじゃあ、早速ですが例のものを持ってきてください」
「わかった。おい、そこの二人。こっちに来てくれ」
「「はい」」
男たちは奥の部屋へ入って行くと、しばらくすると大きなアタッシュケースを持ってきた。
「これを持っていけ」
「これは?」
「中に報酬が入っている。さぁ早く行ってくれ」
「感謝する」
「よし、急げ!」
そうして、おじいさん達は再び城の中に潜入しました。
そしてついに目的の場所まで辿り着いたのです。
「ここか?」
「そのようですね」
そこは玉座の間でした。どうやらここに姫君がいるみたいです。
「入るぞ」
おじいさんが扉を開けると、中には美しいドレスに身を包んだ少女がいました。
「あら?どちらさまかしら?」
「我々は隣の国からやってきた者だ。どうか我が国の戦争を止めて欲しい」
「なんですって!それは本当ですか?」
「あぁ、だが条件がある」
「何でしょう?」
「まずは我々を解放してくれないか?」
「わかりましたわ。ちょっと待っていてくださいね」
しばらく待っていると、兵士が数人現れておじいさん達を連れて行ってくれた。
「これで一安心ですわ」しかし、次の瞬間、 パンッ! 乾いた音が鳴り響きました。
「えっ?」
見ると先程の兵士の一人が倒れています。
「残念だったな。この部屋には強力な麻酔弾が仕込んである。誰も助けに来ることはない」
「そんな……どうしてこんなことを?」
「決まっている。貴様を手に入れるためだ」
「わ、私ですって?一体どういうことです?」
「言葉通りの意味だよ。貴様は俺の女になるんだよ」
そういうと男はナイフを取り出しました。
「嫌、来ないで」
「心配するな。痛みはないから安心しろ。一瞬で終わるから」
「誰か……お願い……助けて……」
しかし、声は虚しく響くだけで、誰一人として助けには来てくれない。
「では、さらばだ」
(私はここで死ぬのね……)
グサリッ 彼女は覚悟を決め、目を閉じました。しかしその時です。
パァーンッ 何かが破裂するような音と共に、男の悲鳴が上がりました。
「ぎゃああああああ!」
彼女が目を開くと、先程の兵士が血を流しながら床に伏しているではありませんか。