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機械神話 (休載中)  作者: 機械神格化委員会
機械神話 序章
1/43

第零話 序章! 機械巨神譚!

 何度も聞いた音が響く。


 赤く染まったビデオ。


 何度も見た狂気の円盤。


 修正を加えられてない肉塊。


 荒れ狂う人びと。


 燃える家。


 この日は、過去の虐殺「大粛清」を乗り越えた日。人類は、この虐殺を忘れてはいけないと当時の映像をテレビで流していた。

 いつの間にか場面が変わると、そこには歓声を浴びながら空を飛ぶ船が映し出され地球軌道艦隊のパレードがやっていた。

「反逆者たちを打ち倒し、この安定して市民たちが幸福になれる政府を作り出してから400年が経ちました。太陽系連邦はこれを記念し、パレードを行っています。明日にはベルリンへと、向かいます。」

 無機質な自動音声がこれを読み上げてると、友人と一緒にこのパレードを見に行く約束を思い出した。

「本日未明に発生した、大虐殺の実行部隊の残党と見られるものが、住宅街に対して攻撃を行うなどの、テロ活動がありましたが、すぐさま、我らの優秀な駆動装甲部隊に鎮圧されまし、、、」


 いつの間にか眠ってしまっていた彼は、友人からの着信音で目を覚ました。気怠げにゆっくりと体を起こすと、外のパレードが大詰めなのか、大きな音が家の壁と彼の鼓膜を揺らす。ふと、彼は友人からの着信を思い出し、手早く電話に出た。

「すまん、寝坊した。」

「ジーク、今何処にいる?!」

「まだ、家だ。」

「そうか、すぐに外を見てくれないか?」

 カーテンをあけ、周りを見渡すと、彼の脳内にはとてつもない既視感が起きたがすぐになぜかがわかった。

 そうあの「大粛清」と同じ光景だった。周りにはビデオで何度も見た「円盤」が飛び、家は燃え、泣き叫ぶ声。「どうなっているんだ、これ?」

「詳しいことはわからないが、こっちではパレードの部隊が防衛線をはって避難所をたてている。座標を送るからここまでこれるか?」

「分かった。」

 彼が答えた頃に電波局がやられたのか、通話中に切れたが座標は送られて来ていたためそこへ向かった。

「円盤」はレーダーがついているのか、人の多い所に集まっていた。人混みを離れ送られた座標の広場まで来ると友人が待っていた。

「ここには軍がいる。しばらくは大丈...」



 友人と話していた彼にはここにはいないはずの「円盤」が見えた。


 それが見えたのと友人が肉片と化し、脳漿をぶちまけたのは同時だった。


「我々、USSR,UK,DE連合は民主を騙し、国をなくし、専制的な政治を行う太陽系連邦にむけ、宣戦を布告する。我々は元々ソ連、イギリス、ドイツの思想に賛同した者たちが太陽系連邦に対しデモを行う組織だった。それを弾圧し我々をテロ組織に仕立て上げたのは何か?紛れもなく太陽系連邦だ。この腐敗した政府を断じて許すな。あろう事か奴らは我々の技術を盗用し自ら作ったように振る舞っているのだ。これを腐敗と言わずに言わずになんと言うのか。我々は1度敗北した、しかし我々はなくなったわけではない。今度こそこの腐敗した政府をなくすために我々は武器をとったのだ...」

 演説が終わった頃には周囲の人は興奮していたが、それが歓声なのか憎悪の現れなのかは彼には考える余地はなかった。

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