第一話 人間関係の社会的距離(ソーシャルディスタンス)
僕の中学時代の暗黒の経験をフルマックスに稼働させたいなと思って、この小説を始めました。
ただ、人気が出るかは知りません。自分彼女いたことないので、あくまでもしも、の話です。
俺の名前は沢城勝樹。
今日、「札幌新央高校」で入学式を迎える新入生だ。
そして出発する直前、俺は洗面台で髪を整えている。
元々癖毛の髪を更にクシャクシャにし、その後でコンタクトレンズを入れた。
「俺も今日から……高校生…か。」
中学時代、「キモい」だの、「クサイ」だのと、クラス中から毎日のように罵詈雑言と誹謗中傷の嵐を受け、人間不信になった俺は、出発前から憂鬱だった。
「………知らねーやつばっかだろうから大丈夫だと思うけどな……。」
182センチの背丈で運動能力もそこそこいい方の俺相手にやるイジメというのはこういった「言葉のイジメ」だったりする。
自分の身なりのことを言われると人というのは殴られる以上に心に傷が付いたりするものだ。
不登校にはならなかったのがまだ幸いなことで、昼休みの時には図書室に行ったりして過ごしていた。
そして卒業式を迎えた頃、いや、正確にはここの受験を決めた時辺りからだろうか、俺はこういった誓いを立てた。
「無闇に人と馴れ合わない。女子と下手に関わらない。」
この二つを高校を過ごす上での誓いを立てていた。
俺は一つため息を零した。
そして、黒いウレタン製のマスクを装着した。
インフルエンザが流行っているわけでもないのにする理由は、素顔を晒した時にそう言われてからだった。
まあ、素の「キモ面」に黒マスクなんて、ただの気休めにしかならないのだが。
「よし……行くか……。」
手稲駅に近い自宅から、札幌の中央区に位置する「札幌新央高校」までは電車で大体1時間半。
側から見たら黒いマスクをしている男子高校生は結構奇妙な目で見られたりするが、俺はそんなことはもう慣れっこだ。
気にせず電車に乗り、高校の入学式に向かって行った。
そして、高校に到着し、俺は「1-5」と書かれている立て札の教室に入った。
入った瞬間の俺を見るや否や、クラスが笑いを堪えているのがわかった。
まあそりゃそうだ。
大事な入学式の時に一人だけ黒いマスクをしていればそりゃ目立つ。
笑いたきゃおもいっくそ笑えよな、なんて思っているが、この程度、俺にはどうってことはない。
何せ人格否定の言葉をアレだけ言われていれば、こんな光景は屁みたいなものだ。
しかし、そんな笑いを堪えているクラスの中にも、逆に目立つくらいに笑ってないやつも窓側の一番端にいた。
女子だ。
わりと可愛い。
でも見覚えあるような……。
いや、まさかな。
そう思ってクラスの名簿を見ると…………
「和吹夏菜」
………という名前があり、マジか……と一瞬思った。
同じ中学のやつだべや、アイツ……。
クラスは違かったけど。
だが、様子が俺の知っている和吹じゃないことは何となく察しがついていた。
何故、こんなにも、下を向いているんだろうか。
図書室に行く際にアイツのクラスの廊下を通っていることが多かったのだが、先述の通り美人であり、更に人当たりが良かったので、クラスの中心にいることが多かった。
三年の時の文化祭のクラス対抗の劇で主役を張っていたのも彼女だったのだが……大ポカしてアイツのクラスが賞を逃し、俺がやられ役を演じた、俺のクラスが金賞を獲って以降、アイツの話はめっきり聞かなくなっていたのだが……。
まさか同じクラスになるとは……。
正直言って、こんなことを俺は思った。
前途多難な高校生活になりそうだな、と。
最初はぶっちゃけこんなもんですね。
ただまあ、なんで主人公をこんな感じにしたのかというと、俺は実際こうしたことはなかったんですが、沢城の目的は「ぼっちライフ」を送ることなので、こういった嫌われやすいビジュアルにしてますwww
北海道弁もわりかし出てくるんで、そこら辺も是非覚えてもいいんじゃないかなと思います。