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プロローグ （黒）
何か趣味が欲しいと思い、上京してから付け始めた日記を最初のページから適当にめくる。その日の気分で大幅に増減している文字数で、読み返した時に楽しめるようにと小説風に台詞まで記載してある。
飽き性な自分にしては、この日記はよく続いた方だと思う。そして日記が7月に差し掛かったところで弱っていたルーズリーフの留め具が外れてしまい、書き留めてきた日記が床に散らばる。かなりの量を書いてきただけあって、これらを元に戻すのは大変な作業である。俺はため息をつきながらも、ゆっくりと腰を下ろし、日付順に日記を集めていく。
さて、これを読んでくれているあなたには、俺の人生の中でも《《断トツで濃厚だった》》出来事をお送りしたいと思う。
また、それほど意味は無いのだが、本作品はフルカラーページにて印刷を行っている。そのため印刷に少しだけ費用が掛かってしまったが、より深く楽しんでいただくためには必要な経費であったと思う。
それでは、始めよう。7月3日から11月1日までを 。
